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アロマテラピーは認知症高齢者のQOL改善に最も強いエビデンスを示した

▼ 文献情報 と 抄録和訳

中等度から重度の認知症患者に対する心理社会的介入の現状に関するシステマティックレビュー

Hui, Esther K., et al. "Systematic review of the current psychosocial interventions for people with moderate to severe dementia." International Journal of Geriatric Psychiatry (2021).

[ハイパーリンク] DOI, PubMed, Google Scholar

[目的] 世界的に流行している認知症は、現在、世界で5,000万人が罹患していると言われている。現在、中等度から重度の認知症に有効な治療法は限られており、ほとんどの治療法はポジティブな要素の改善よりも症状の軽減に焦点を当てている。疾患の重症度によって改善ができないのかどうかは不明である。本レビューでは、中等度から重度の認知症患者に対する現在の心理社会的介入の有効性を、認知機能と生活の質(QoL)の改善に焦点を当てて検討し、どのような治療法が有効なのか、改善が可能なのかを評価する。

[方法] 6つの主要データベースを用いてシステマティックサーチを行い,2000年から2020年の間に発表された無作為化対照試験(RCT)において,認知またはQoLを測定した中等度から重度の認知症患者に対する心理社会的介入を特定した。

[結果] 検索の結果,4193件の研究が同定され,74件の論文がフルテキストレビューのために評価された。14件のRCTが含まれ,Physiotherapy Evidence Database Scaleで評価された。収録されたRCTの質は中程度であった。

[結論] アロマセラピーと回想法は、QoLの改善に最も強いエビデンスを示したすべての研究の中で、アロマセラピーはQoLを向上させる最も確かな証拠があり、十分な検出力があり、今回のレビューで最も高い品質評価を得た。有酸素運動が認知機能を向上させるというエビデンスもあり、多成分試験ではQoLが向上した。しかし、事前に設定した基準を用いた質の評価では、方法論上の弱点が多く指摘されました。中等度から重度の認知症では、認知機能とQoLの改善が認められたが、結果の解釈には注意が必要である。将来的には、厳密な研究デザインを用いた介入が急務であり、特定の介入を推奨する前に必要である。

▼ So What?:何が面白いと感じたか?

匂いほど、過去をはっきり思い出させてくれるものはない。
チャーチル
匂いとは、時間と空間を超えて私たちを運ぶ、力のある魔法使いだ。
ヘレン・ケラー

偉人たちは、匂いの威力を認めていた。
・・・どうやら、そうらしい。

後学のために、このレビューの中で絶賛されていたアロマ×認知症のRCTを紹介しておく。

✅ Reference
重度の認知症における焦燥感の管理に安全で効果的な治療法としてのアロマセラピー:メリッサを用いた二重盲検プラセボ対照試験の結果について
Ballard, et al. The Journal of clinical psychiatry 63.7 (2002). >>> doi

被引用数>500!、モンスターペーパーである。

近年、アロマセラピーの輝きは、増すばかりである。
そして、アロマが何よりいいのは、セットしてしまえば、あとはいつも通り介入すればいい、という手軽さだ。
The most powerful “エンパワーインターベンション” !!!
前までは、背もたれに寄りかかり、ニヤニヤしながら「アロマやろっかな」などと言っていた。
いま、真顔 & 前のめりになりつつ、髭を触っている。 #髭ほぼない

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