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return to forever についての雑談⑤ チック・コリア と スティービーワンダー

 チック・コリアの一番の代表曲と言えば、やはり スペイン をあげる人が多いのではないでしょうか?そして、チック・コリアの数ある曲で、様々なミュージシャンにこの曲はカバーされて来ました。マイケル・カミロ、アル・ジャロウ、日本人のミュージシャンにも人気が高く、Bzの松本孝弘さん、渡辺香津美さん、久保田利伸さん、平原綾香さん等らカバーしてます。ミュージシャンの間ではセッションの時に、Spain やろう!やろう!というノリで使われる人気のスタンダードになっています。
 そんな中で、この曲を一番、スタンダードにしたのは、スティービーワンダーが好んで演奏した事が大きいのではないかと考えます。
 それでは、アルバム return to forever  Light  as a feather から原曲と
スティービーワンダーの演奏する Spain を2曲続けてお聴き下さい。

 Spain 原曲 1972年録音 ポリドールレーベル

スティービーワンダー Live in London

それでは、今回のテーマです。
チック・コリアとスティービーワンダーの関係について考えて見たいと思います。
 この記事を書いている時点では、何故スティービーワンダーがSpainを演奏するようになったかをいろいろと調べてみましたが、残念ながら裏付けとなるインタヴューを見つけることは出来ませんでした。
   しかし、上記のYou tubu映像は、スティービー(58才)が、2008年のロンドンライブでの演奏ですから、それまでにチックのSpainをいかに愛して止まなかったのは、言うまでもありません。
 それでは、チックコリアがスティービーに対して、どのような感情を持っていたかと言えば、以下のインタビュー記事を見つけることが出来ました。
2008年ラテンジャズギター専門サイト マークタウンズ(MT)のチックコリア(当時67才)への インタビュー記事です。原文を抜粋します。

MT: I recently was at a little backstage meet and greet for Stevie Wonder after a show he did. He sits back there while people come up and meet him and plays a keyboard (probably for his own entertainment). 
CC: Yeah.
MT: And he was playing “Spain.”
CC: Oh yeah? Cool. Yeah, well he’s a good friend. We have a very strong mutual admiration society going. I totally love Stevie. He’s a big, big inspiration to me. He attains that goal that I like to strive for, which is very fine music and beautiful emotions and thoughts to a very, very wide public in his singing and his writing. I’d say he’s one of my favorite artists of all time.

 要約しますとMTのインタビューアーが最近(2008年当時)スティービーワンダー(58才)のライブの舞台裏に行ったらスペインを演奏して、その事をチックコリアに話すと、チックは、Oh yeah? Cool.(カッコいい)と感動しています。そして、チックは、スティービーワンダーへの敬愛の念を深く語っています。

 2014年、チック(73才)とスティービー(64才)は、ロサンゼルスのカタリーナジャズクラブで共演を果たしています。
楽曲は、スティービーワンダーの1976年リリース2枚組名アルバム Key of life 収録されていた Pastime Paradise を演奏しています。※Spainも演奏してますが、映像が手振れ酷いのでここでは掲載しません。

原曲、Pastime Paradis 1976年録音 アルバム  Key of Life より


 チック・コリアとスティービーワンダーは、音楽のジャンル、カテゴリーこそ違い遠くにあったとは言え、スペインという楽曲を通じてお互いにリスペクトし合い、刺激し合って自分の音楽性を高めて行ったのが良く伺えます。

 ジャズフュージョンの巨匠チック・コリアとソウルR&Bの巨匠スティービーワンダーの二人が、敬愛の念でフュージョン(融合)していると思うのは筆者だけでしょうか?

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