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理想の上司とは2 ーパトレイバーにみる上司像ー


理想の上司

僕は漫画が好きだ。理想の上司を考えていて、考えさせられる人物がいる。「機動警察パトレイバー」の後藤隊長だ。 

何故考えさせられるかというと憧れではあるが好きな上司といえばそうでもない。でも、社会人として、管理職として、かなり大人な人物と言える。

後藤隊長は主人公の野明、遊馬に次ぐ第三の主人公と僕は見ている。人によっては第二の主人公と言う人もいるだろう。

やる時はやる後藤隊長

愚連隊とあだ名されるほどの問題警官達を束ねる後藤隊長。性格は飄々として昼行燈。しかし、かつては「カミソリ後藤」の異名を持った人物。部下をして「どこまで本気なんだ」敵をして「悪党」とまで言われる。そこの知れない頭のキレを見せる。

イケオジと言う人ではないが、アダルティな魅力を持ったキャラクターである。

憧れではあるが、僕自身感情移入しやすいのは前回書いたヘルシングのペンウッド卿だ。

では、何故後藤隊長が理想の上司なのか。それは後藤隊長は理想の中間管理職だからだ。

責任の取り方と逃げ方

中間管理職として何故理想か。それは責任を取りながらも回避する方法を心得ている。

漫画版では本庁から配属されたエリート警部補が自分の監督下で国際問題になりかねない大失態をしでかしたとき。

上司である課長から「どう責任を取るつもりかね?」と、迫られたが「私と課長2人で辞表を」と返し、課長にも責任の一端があることを指摘し、辞表を出すことで家族も褒め称えるだろうとまくしたて、最終的に進退伺いということにして最悪の事態を防いでいる。

部下ではないが、問題を起こした当事者を守り、自分の責任も回避することに成功している。

並の人間であれば、首が飛んでおしまいだったろう。

部下を動かす仕事術

話によっては自分から動くこともあるが、積極的には動かない。基本的には部下を動かしている。ただ命じるのではなくて、部下が自分から動くように知恵をめぐらせている。

遊馬が謹慎まで食らってしまった遊馬が実は後藤隊長にいいように動かされていたことを知ったときの名台詞がこれである。

「青春の光と影をもてあそびやがって、あのクソ中年……。呪ってやるぅぅぅぅ!」

機動警察パトレイバー 劇場版 1989

漫画版ではデータ処理はコンピュータが得意な進士や熊耳に任せている描写もある。

得意でない部分は部下の能力に任す。これが問題児集団であり、特異能力集団でもある第二小隊の面々を活かす術なのだろう。

部下を活かす

後藤隊長の良い点は部下を信頼している点だ。第二小隊の面々について「ミスキャストがあったら監督は降りるぜ」とまで言っている。

尖った個性の集団をまとめ上げ、活かす能力は管理職として有能だ。

部下を使うと言うことを意図的に行なっている。物語であるから、思う通りに動くのであろうが、部下の特性を熟知し、動かすという能力は管理職
として重要な素養ではないか。

管理職と呼ばれる人たちはどこまで彼のように部下を理解しているだろうか。お気に入りの部下だけではなかろうか。少なくとも、部下に否定的なまなざしと評価を向けるような管理職には部下を動かすと言うことは不可能であろう。



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