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『アイデアのつくり方』を読んで

1.なぜこの本を手に取ったか

「アイデアを形・サービスに落とし込み、提供する」仕事を志望している私にとって、読む優先度が高い本であった。

過去の体験を振り返り、以上の考えに行き着いた。しかし私が過去に体験した、「アイデアを形にした経験」は思い出補正がかかっている。アイデアを出そうとすれば、出せる人だと思い込んでしまっている。自己陶酔。
この先、少なくとも数年後には、常にアイデアを出し続けなければならない状況に身を置きたい。いつまでも過去の栄光にしがみつき、経験を積まないでいる状態で、仮にその仕事に就けたとしても、理想と現実のギャップで嫌気が差すだろう。

そこで、暇な時期に「アイデアを作る」意識、ないしは視点を持つことで、家でできるリモート職業体験を享受しようという魂胆だ。幸いなことに、面接で問題解決する力が問われるため、尚更読んで損はない。


2.内容要約

本書では、アイデア作成の基礎となる2つの原理と、アイデア作成時に辿る5つの段階・過程について紹介している。

以上の2つの原理と5つの方法は、手に取って確認していただきたい。ここで書き記してしまうのは、あまりに野暮である。


3.感想

帯に「人生を変えるレベルの一冊!」と、DaiGoが太鼓判を押していた。そのため凡人では到底気づくことのできない、革新的なノウハウが詰まっているのだと、ワクワクしながら読み始めた。

ワクワクは消え去った。本書に書かれていたことは、ごくありふれた考えであった。革新的でなく、驚くことでもない。

本書では、皆が疎かにしている作業を、アイデアをつくる上でどれほど大切であるかを説いていた。確かに私もアイデアを生み出すにあたって、その作業は重要視しておらず、ひらめきが何よりも大切であると考えていた。

アイデアをつくるにあたって必要なマインドセット類の自己啓発本なら、読む価値がないと思う人もいるだろう。アイデアを生み出す方法が、自分の中で確立している人、そして既にいくつものアイデアを生み出してきた人は、手に取る必要はない。おそらくそのようなアイデアマンは、無意識的に本書で取り上げている原理と方法を実践しているに違いない。

そうでない、アイデアを生みだした経験が少ない人、理論だけは理解しているが、それを使って行動に移せない人にオススメできる。

アイデアを生み出すことは手段であり、決して目的でない。そして何よりも鍛錬を積まなければ、クリエイティブになれる実感は湧かない。

本書で取り上げている原理と方法を知っているだけでも、もちろん意味はなさない。
著者のジェームズ氏は、「アイデアを作るプロセスを公開しても、実践する人は少ない。そのためアイデア供給過多にならないことは予測でき、自分の立場が危うくなることはない。」と語っている。

「99%の努力と1%のひらめき」
ニュートンやダーウィン、アインシュタインのような名を残した人たちは、天才であっただろう。もちろん計り知れないほどの研究をしたに違いないだろうが。

「あの人は天才だから。私にはひらめきがないから。」と言い訳し続けして、自分の才能を狭め続けるのは勿体無い。

この本を読むことで技術を知れた。それを実践して、皆が天才と羨んでいる存在になれるチャンスまで貰えた。


4.終わりに

最近本を読む癖がついた。共感するかしないかは抜きに、人の主張を読むのが楽しい。
「こんな考え方気がつかなかった」「この人はこんなことを意識しながら生きているのか」「ためになる」など発見が多い。

教養として頭にしまっておきたい本もあれば、自分に取り入れたいと思うほど感化される本もある。

「アイデアのつくり方」は後者である。

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