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本屋に駆け込みたくなる本5選

1. 長江貴士「書店員X 「常識」に殺されない生き方」中公新書ラクレ

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 さわや書店で「文庫X」を企画し、展開前では刊行部数3万部だった文庫本を18万部までに押し上げた本好きなら知るであろう企画を立ち上げた書店員、長江貴士さんによって書かれた一冊。文庫本にタイトルや著者名が一切見えないカバーをかけて販売するという「ありえない」企画が生まれた職場の文化や著者の思考、経歴が赤裸々に語られている。そこから見える書店員の大変さや面白さを知ると本屋に向かわずにはいられなくなってしまう。

2. 辻山良雄「本屋、はじめました」苦楽堂

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杉並区にある新刊書店「Title」の店主、辻山良雄さんによって書かれた一冊。もちろん内容はTitleという書店が生まれるまで。大型書店での勤務を経て独立開業に至るまでの心情の変化や決心した出来事、開業までが詳細に書かれている。なんと本の最後には実際の事業計画書や開店後の結果も載せられて、本屋の裏側を覗くことができる一冊。

 3. 阿久津隆「本の読める場所を求めて」朝日出版社

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「本の読める店」をテーマに開店したfuzkueの店主、阿久津隆さんにより書かれた一冊。2と比べてよりエッセイのように読み進めることができ、著者の「本の読める店」という場へのこだわりとそこにかける想いを感じることができる一冊。本が読める場所って?と自分の読書スタイルと向き合える一冊。向き合った後はfuzkueでじっくり読書をしたいところ。

4. 田中佳祐「街灯りとしての本屋」雷鳥社

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小型書店の店主へのインタビューで構成される一冊。今回紹介している5冊の中で特に装丁やデザインに拘りを感じられる。シンプルながらも丁寧に言葉が綴られたインタビューを読むと、書店とは言え一括にはできないそのこだわりや違いを実感する。そうした文に触れた後はぜひ実際に取り上げられた店へ赴いて自分の目と感覚で書店を感じたい。

5. 矢部潤子「本を売る技術」本の雑誌社

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他の4冊とは異なり、書店員の基礎知識的なものにフォーカスした一冊。普段何気なく目にする書棚や入り口入ってすぐの平積みなど、店がどういう意図をもっての配置をしているか?ということを言葉として認識することができるようになる一冊。これを読みながら本屋をめぐるとますますその本屋に愛着が湧くこと間違いなし。

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