日曜日の読書

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日曜日の読書は、mixco book&Coffeeが運営する「ゆっくりと流れる時間の傍らに本を」をテーマに、幅広いジャンルから厳選した本を紹介しているwebメディアです。

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    日曜日の読書で紹介している本を集めたマガジンです。

最近の記事

本屋に駆け込みたくなる本5選

1. 長江貴士「書店員X 「常識」に殺されない生き方」中公新書ラクレ さわや書店で「文庫X」を企画し、展開前では刊行部数3万部だった文庫本を18万部までに押し上げた本好きなら知るであろう企画を立ち上げた書店員、長江貴士さんによって書かれた一冊。文庫本にタイトルや著者名が一切見えないカバーをかけて販売するという「ありえない」企画が生まれた職場の文化や著者の思考、経歴が赤裸々に語られている。そこから見える書店員の大変さや面白さを知ると本屋に向かわずにはいられなくなってしまう。

    • 鈴木涼美「「AV女優」の社会学」

       性の商品化を議題とする多くの立場の議論が、「自由意志」といった言葉を軸に進められている事態に対しての懐疑もあった。世代的なものもあるのか、いわゆるフェミニズム的なものへの距離感と、そういった性の商品化にまつわる議論への違和感と、何か遠いところの話をしているように感じるセックスワーク論への微妙な不満を持ちながら、それをどんな別の軸で語ることができるのか。 (鈴木涼美「「AV女優」の社会学」から)  「AV女優」または「セクシー女優」と呼ばれるその職業は、他のいかなる性を商品

      • 朝井リョウ「正欲」

        「お前らみたいな奴らほど、優しいと見せかけて強く線を引く言葉を使う。私は差別しませんとか、マイノリティに理解がありますとか、理解がないと判断した人には謝罪しろとかしっかり学べとか時代遅れだとか老害だとか」 (朝井リョウ「正欲」より)  三大欲求と言うように、私たち人間はごくごく当たり前のように欲望を満たしながら生きている。しかし本当にそれだけだろうか?とこの本、そして著者の朝井リョウ氏は問いかけているように思う。「正しさ」という立場や意見が異なれば全く違う見え方にもなりかね

        • 若林正恭「ナナメの夕暮れ」

          「めんどくさい人」と言われても「考え過ぎ」と何度言われても、 この国を、 この社会を、 この自分を、 解体して解明しなければ一生自分の心に蓋をしたまま生きることになる。 (「ナナメの夕暮れ」まえがきから) この前書きに込められた、覚悟とも明確な意志の表明とも読めるこの強い”何か”からこの本は始まる。たかだか「芸人のエッセイ本」だが、されど「芸人のエッセイ本」とはまさにこのことで、現代日本社会で誰が決めたわけでもない「空気」的なルールに誰しもそれぞれなりに悩みを抱えていたり、

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