【フリーライター1ヶ月目】“ですますパズル”は「書く」なのか?
今なら感情のままに書けそうな気がするのでこのチャンスをものにしようと思う。まあとりあえず、今の私はとてもイライラしている。理由はといえば、自身の呆れるポンコツ具合のせいでしかない。
18時半に代々木上原集合の約束で、17時に毎月通っている眉毛サロンの予約を入れた。ところが渋谷で鞄に財布が入っていないことに気が付き、サロンにキャンセルを詫びながら帰宅。まじでごめん。こういう時に限って鞄の口が開いてたりして、落としたのかソワソワしながら来た道を戻る。
これ何回目?2022年の1年間では、マイナンバーカード以外の全ての身分証をなくしている(しかも保険証は2回目)。運転免許証はまだ再発行をかけていないし、ギリギリでキャンペーンにのったマイナンバーカードだけが私の身分証明をしてくれる。
とはいえ、友人との約束には間に合うしいっか〜と楽観的な自分もいたりして。この適当さ具合が仇となる前に学習するべきなのは、わかっている。
そこで、冒頭に戻るわけだが「今なら書ける」と思った。フリーランスになってから約1ヶ月。山のように原稿を書きながらも、だんだんと「書く」ことに迷いが出てくる瞬間があった。noteで好きなことを書こうとしても、思うように言葉が出ない瞬間が不思議と増えていった。
仕事に恵まれていることはありがたいし、もっと今より一緒に働きたいクライアントもたくさんいる。だから仕事で書くことも大好きだし、その前提はブレないと思う。その上で少しだけいうなら、自分が書きたいことは何だったかを考えることが多い最近だった。
「求められる文章を書こう」とずっと思っている。それは、会社員からフリーランスになった今も変わらない。私は小説家ではない。社会人としてライティングをしていた時もそうだったけれど、仕事では企業が求めるものを書こうと思っている。もちろんそれが私の“声を書く”仕事なら厳密には別かもしれないけれど、仕事は基本そうじゃない。だから、求められるものをきちんと書けるライターでありたい。
でもそれは機械的に、というではなくて。もっと概念的にいうならば、楽しいことをするぞー!って時に呼んでもらえる人でありたい。例えるなら、バンドやるぞ!ってなっても楽器ができなきゃ(または歌が上手くないと)声はかからない。だから大好きな周りの誰かが「メディアやります!」「雑誌やります!」とかなった時に、「あ、すなくじらいるじゃん」って思ってもらえるスキルと信頼が欲しい。上手く言えないんだけど、求められるものを一定のクオリティで出すことができないと前提の信頼は生まれないし、「アイツはスキルはともかく人柄的にちょっと」っていうのも辛い。だから、そのためにコツコツと仕事をしている。ビッグな金持ちになりたいとかはあんまりない。好きな人たちとの楽しい未来のための、今。
✳︎
フリーランスを始めて、世の中には思ったよりもたくさんの「書く仕事」があることを再認識させられた。自分の技術不足に凹むことは多々あるとして、その中で求められるものの種類や幅があることもまだ1ヶ月とは言え散々体感した。
例えば、あるSEOマーケティングに力を入れているとあるメディアの執筆ルールには「文末に同じ表現を2回以上使わない」というルールがある。2回だよ!?2回。つまり、メディアのトンマナ的には、“です”を使ったら次は“ます”か“でしょう”のみになる。もちろん意図も言いたいことも重々わかるんだけど、それって「書く」なのかなと思った自分もいた。
です、ます、でしょう。で、次はます。高給が発生するパズルゲームじゃん、って。言えないけど。でもそういう無記名記事で発注量が多い会社ほど、金銭的なバックは大きかったりするから、世の中って本当にどう生きたらいいのかわからなくなる。馬鹿にしてるわけではなく、ですますパズルでも、誰かにとっては大事な仕事で重要なメディアなんだよな。
副業会社員時代、ずっと憧れだったエンタメ領域でようやく仕事を任せていただくようになって、「自由度の高いライティング」を知ってからはより文章を書くことについて考えることが増えた。私の会社は被リンクを取ってDRをぶち上げるためだけにインタビューを実施していたから、「誰かが文章を読んで喜ぶ」とか考えたことなかった。もちろんユーザー視点はSEOでも重要だけど……。SEOを狙いまくる無記名記事が悪いわけではない、本当に。でも、自分が何をやりたいのかはもう少し考えるべきなんだろうな。お金も大事。でも時間はもっと大事。自己実現、は多分もっともっと大事。
受けられる仕事全部!じゃなくて、せっかくご一緒させてもらえるものには、真摯に誠実に向き合いたい気持ち、絶対忘れないようにしたい。1ヶ月目の初心、忘れるべからず。
2022.1.20
すなくじら
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?