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眠り、再び|日記|2022/4/9

四月九日(土)

午前八時起床。

昨日読んだ村上春樹「眠り」をもう一度読むことにした。この物語の何かに惹かれているのだが、それが何のかわからない。再読することでその何かをしっかり掴めそうな予感がしている。今度はこの物語全てが夢ではないような種類の夢だったとしたら、と仮定して読んでいこうと思う。

村上春樹の短編は深い読書体験に至る機会を手軽に提供してくれるから好きだ。「若い読者のための短編小説案内」で村上春樹が述べている、

繰り返し読むこと
その本を好きになる努力をすること
疑問点を並べること

これらを意識した読書の面白さを村上春樹自身のテキストが最初に教えてくれた。今回の「眠り」も上のことを意識して丁寧に読み込むつもり。

それから岡潔・小林秀雄「人間の建設」も少し読んだ。理系と文系の天才二人による知的な対談。読むだけで自分も賢くなれそうな気がしてくる。今日読んだ中では岡潔が述べた次の一文が好きだ。

人は極端になにかをやれば、必ず好きになるという性質をもっています。

自分にとっては読書と日本酒がそう。特に読書に関しては、生きていくために無くてはならないほどに好きになった。ここ最近の悩みとして、専攻している分野の勉強があまり好きではないのだけれど、そんな自我を抑え込んで無理矢理にでもその勉強と向き合う時間を増やしていけば、いずれ好きになれるのかもしれないと勇気をもらえた。

午後は彼女と通話。履修について相談した。他分野の授業を最低一つ選択しなければならず、僕はギリシャ・ローマ神話についての授業にしたが、彼女は西洋美術史の授業にするそう。高校から理系で育った僕らが興味本位で大学院の文系の授業を選択して、しっかりついていけるのか不安。ボコボコにされる未来しか見えない。

夕方。明日の出勤を最後にバイトを辞めるので、今までお世話になったお礼としてお菓子を買いに行った。24枚入りの白い恋人を買った。

晩飯は餃子の王将。僕はラーメンと炒飯、母は八宝菜、親父は唐揚げと天津飯と餃子二人前を食べた。クーポンで三ツ矢サイダーが無料になった。

帰りにBOOKOFFに立ち寄る。いきなり夢野久作「ドグラマグラ」上下巻がそれぞれ110円で売られているのを見つけ興奮した。買いそうになる気持ちを抑え、全体を見て回る。110円コーナーで他に気になったのは、坂口安吾「堕落論」、ゲーテ「若きウェルテルの悩み」、シュリーマン「古代への情熱」。結局110円コーナーの本は買わず、村上春樹の短編二冊を買った。「パン屋再襲撃」と「螢・納屋を焼く・その他短編」。


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