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妹の話②


どうせ〜!
どうせ私なんか〜!
私なんか、何やってもムダ!

小学生の時からの妹の口癖……

なんで、こんなに
捻くれてしまうのだろう?

なんで、こんなにも
投げやりになるのだろう?

なんで、嫌なことがあると
暴力的な振る舞いをするのだろう?


できなさ
劣等感
諦め

どこでそれを感じてしまうのだろう?

妹は、一体何を苦しんでいるのだろう?
なんで、そんな考えになるのだろう?

母は、なんで
妹を甘やかしてしまうのだろう?

父は、なんで、
妹ばかりを可愛がるのだろう?

なんで、自分ばかり厳しくされるのだろう?


なんでみんないろいろ考えられないのだろう?

そんなことを考えていた
小学生時代だった……


妹は、小学校3年の時に
とても仲良しの友達ができた!

その友達は、今でも付き合いがある親友だ
私も個人的に仲良くしていて
ほぼ家族といえるような友達だ!

この幼馴染の存在は
妹の成長に幾度も支えとなっている

彼女と気持ちを共有していた時間が
彼女の気持ちを緩めていった

でも、外では控えめだけど
勉強ができない、自分はブス
可愛くないと卑下をし
コンプレックスの塊を持っていた

中学に入ると同時に
コンプレックスだったメガネを
コンタクトに変えた

「私は変わりたい!」
「メガネは嫌だ!可愛くなりたい!」

それは妹の挑戦だった!

周りからの声は

「コンタクトにしたんだ!いいじゃん」
「こっちの方がいいよ〜」
「え〜かわいい」

みんなから褒めてもらえ
認められ、喜んでいたのを
今でもよく覚えている

中学では、モテ期到来
以前よりも明るく、
友達との交流も増えた

気性の荒さは残っているけど、
自分の感情を出せるようになっていき
家と外での差もほぼ無くなっていた

学校での多少のいざこざやトラブルは
よくある話で、友達に悩みを聞いてもらい
乗り越えていっていた

友達や仲間といい築きができた
自分にも少し自信を持てた様子があった


でも、
学力は、劣等感が拭えない……
おまけにどこでも姉と比較される

あんたが優秀なおかげで
比較されっぱなし!
こっちは嫌な思いをさせられてるんだからね!!
(イライラをぶつけてくる)

気性の激しさや
劣等感だったり
捻くれた気質は
反抗的な素行へ移行した

非行まではいかないけれど
品行がよろしくない

それを見て私は、
なんて賢くないのだろう?

そのようにしか
考えを導き出せないのか……
もったいないな〜〜

やれば出来そうなのに
なんでやらないんだろ?

そんな風に感じていた


中学の頃はとても反抗的だ
思春期特有のものとも感じる

ただ、私は先を見通せていた
自分の価値を下げることもしていなかった

妹は、先を考えることや想像することが
苦手だ
努力をすることも、苦しさだけがあり
その先で得るものが想像できない

どうせやっても無駄!
面倒くさい!
私なんか、できっこない!


やってもいないのに
なんで決めつけちゃうのだろう?

なんですぐに諦めちゃうのだろう?

なんで自分に自信を無くしてしまうのだろう?

妹の不器用さ……


妹は、絵画教室にも通っていて
絵は上手な方だ
本人は、絵は好きで、
少しできると感じているけど、
自信にまでに至らない……

ずっと日記や詩やお話も書いている
いろいろと湧き上がる感情を
文字にしているようだった
妹だけの秘密の世界だ

時々、気に入った出来を嬉しそうに
見せてくれる時もある


絵だって、詩だって
とっても上手じゃん!
得意なことあるじゃん!

そう言っても

「ケッ!こんなのクズだよ!」
「ただの落書き〜」


なぜだか、自分を認められない……
恥ずかしさやプライドが邪魔をする……

とっても可愛くない😓


「お姉はいいよね〜なんでもできて!!」

嫌味臭〜く、言い放つ

「お姉に、私の気持ちなんてわからないよ!!」

ひがみをぶつけられる💧


私は、なんでもできるわけじゃない!
みんなよりもいろいろ考えているし
努力をしているんだよ!

わがままが通せて、自由が許されて、
私には、あなたにある環境がよっぽど羨ましい

そう心で思っていた……


受験の時も、
妹の好きな美術なんかいいんじゃない?
妹のモチベーションを上げる

妹も目をキラキラさせ
その時は未来をイメージした

大丈夫だよ、今まで
勉強してなかっただけだから
妹なら、学力もこのくらいなら上がるよ!

付属で大学あるし、美術も好きだし。
ここなら目指せそうじゃん!
ここ考えてみたらいいんじゃない?

すでに、そんな声かけを妹にしていた

妹は、やる気になって頑張っていた
前向きな妹の姿をみた時
とても嬉しい気持ちになった


自分を卑下してしまう妹
すぐに未来の希望を捨ててしまう妹
先の見通しを考えられない妹

自信のない妹
気性が激しい妹

ちょっとのことでへそを曲げてしまう

否定をせずに、
いいところに目を向ける

大丈夫だよと言っても
「うっせーーー!」と
イライラをすぐにぶつける


気持ちが鎮まってる時をみて
大丈夫だよやってみよ〜
と声をかける

妹は、むくれているけど
少しだけ反省したような顔を見せる

そんな、気遣いを昔からしていた

イライラしていると

物に当たったり
紙やノートをビリビリに破いたり
暴言を吐いたり
突然、整理整頓をし始めたり

母は母で、ヒステリーに
キーキー怒っていて、
妹の逆鱗に触れてしまって

見て聞いてしているだけで
ぐったりします……


妹は、受験を
途中まで頑張っていたのだけど

急に勉強をパタリとやめた
何かがあった

でも、教えてはくれない……
志望校を諦めてしまった

もうどこでもいいや〜
入れるところなら
なんでもいい〜

こんな感じになってしまった
一体何が起きたのだろう……

そこには、投げやりな妹がいた


勉強しないで
行けるところならどこでもいい

そういって決めた高校は、
楽しそうに通っているように見えたけど

心にあるのは
行きたい学校なわけではない
つまらない
そんな気持ちだったのかもしれない……

たびたび、学校で悪いことをしていたようで
それが見つかり
入学半年で退学になった


退学になるとは思ってなかったため
妹にとって
とてもショッキングな出来事だった

事の次第を
やってしまった後から気づき

ショックが大きくて
話も全くできず
ひどく落ち込んでいた……


厳格でとても厳しい父に
どれだけ叱られるのだろうか
考えただけでも恐怖だったが

父は、妹を見て
叱ることをグッと堪えるようにし

ただ一言、

静かに、穏やかに


ゆっくり休みなさい

そう妹へ言葉をかけた


父の精一杯の優しさだった


父の背中は泣いているように見えた……



妹は、家族の有り難さを体で感じていた

家族に感謝が溢れた

猛省し

心を入れ替え

穏やかな妹が現れた……



(続く)





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