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経営のお悩み相談4|YouTubeでの音楽配信は著作権違反?!

「サンカラ」の弁護士瀧澤です。

さて、今回は、メルマガ読者のみなさんからいただいたご質問に専門家が答える、Q&Aの時間です。

今回は、ペンネーム 山食パンさん(サービス業)からご質問をいただいております。

さっそくご質問を見ていきましょう。

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【ご質問】
YouTubeを見ていると、有名歌手の音楽などを、歌手本人ではない人などが配信しているものがあると思います。

これは、著作権的に問題ないものなのでしょうか?

これから、私の会社でもYouTubeの配信を考えていて、著作権などを気をつけながら、取り組んでいきたいと思っていますが、何がOKで何がダメなのかの線引きがよくわかりません。

教えてもらえると助かります。
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最近はSNSやYouTubeなどで積極的に情報を発信する企業が増えてきました。

また楽曲配信という点では「歌ってみた動画」「踊ってみた動画」もよく投稿されていますね。

私も好きでよく視聴しています。
(ちなみに、最近どうしても視聴してしまうのが、芸能人の裏話を暴露する「ガーシーCH」です。笑)

さて、「楽曲のYouTubeへの配信が著作権違反になるのか」

実はこのご質問、正確に理解いただこうと思ったらそれこそ大学の講義が2,3コマ必要になるレベルに権利関係が複雑で、関連する論点も多いのです。

ただ、経営者の方にそんな時間は当然ありません。

そう、読者の皆様にとっては「なぜダメなのか」より「何がダメで何がいいのか」の方が重要ですよね。

そこで、今回は、サクっと線引きについてご説明いたします。

(もしも、著作権について詳しく知りたい方は、弊所HPのコラムを御覧ください。https://takizawalaw.com/category/column/intellectual-property/)

許可なく配信すると著作権侵害になる

有名歌手の音楽などを権利者の許可を得ずに配信すると、原則として著作権侵害になります。

ただし、YouTubeへの配信については以下のとおり特別の運用方法が採られています。

YouTubeでの楽曲配信が許される条件

日本では音楽に関する多くの著作財産権を、一般社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)等の著作権管理団体が管理しています。

JASRACという名前はご存知の方も多いのではないでしょうか
(ちなみに、私は昔「JASRAC」と「Aflac」(生命保険)を混同していました笑)

そして、JASRACがYouTube等と著作権にかかる包括契約を結んでいます。

そのため、以下の条件を満たす場合には、YouTubeへの楽曲配信が許されることになります。

①JASRAC管理楽曲であること
②JASRACのガイドラインに沿って利用すること

JASRAC管理楽曲かどうかはJ-WIDというサイトで調べることができます。
(なお、JASRACが管理していない楽曲については、権利者に別途許諾をもらう必要がある点にご注意ください。)

広告(商品のCM等)では配信できない

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