20231008-1019「かすてらの脆い翼、ポエジイ走り」


20231008
二日酔いなのか、雨の日の頭痛なのか、わからず、ただただ寝ていた。少年ナイフの野外ライブを無料で観られるイベントが近所であったが、しんどくて行く気が起こらなかった。

1009
雨が降るなか、奇妙礼太郎の弾き語りを観た(土日はグラウンドで、月曜は広場で、無料の音楽イベントが開催されていた)。

どうりで敵わない 後ろ姿 鏡ごしで
Darling l Love You ダメになりそうな夜の合図

「たまらない予感」奇妙礼太郎


これが歌い出し。サビかよ!というかこの曲は全部サビになりそうなグッドメロディ。凄すぎる。作詞作曲のベベチオ早瀬さんと共演。良かった。

冗談めいた言葉で誘って 知らない誰かとイタリアン
注文取りに来るまで問題ね 誰の真似でしょーか

本当かな 本当? 思いがけず
大通りで Dancing yeah! yeah! one more!
先週末 誕生日 盛り上がる
What a Wonderful World!! It's all right!! タップ踏み鳴す

Darling I Love You ダメになりそうな夜の予感がする

「たまらない予感」奇妙礼太郎

大通りで踊って、ワンモアと言っておきながら、先週末の盛り上がった誕生日のことを振り返る。ひとりではあの日を超えられない。なんて素晴らしい世界なんだ!大丈夫!と叫びタップを踏み鳴らす、やけくそだ。ダメになりそうな予感がする。愛するひとがここにいないから。愛するひとがたぶんこの歌の主人公を誘ったように、自分も知らないひとを誘ってみるけれど、どうにも。「本当かな 本当 思いがけず」も愛するひとに似たひとを見かけたとかそんなんじゃないか。考えれば考えるほど切ない歌。それでも!奇妙礼太郎が弾き語ったあの空間には、幸福な時間が流れていた。あたたかい声の意味が分かった気がする。雨が降って冷え込んでいたから。心から先に温まっていく感覚。

1010
シネリーブル梅田で『白鍵と黒鍵の間に』を観る。南博を南と博に分裂させて(どちらも池松壮亮!)銀座のクラブでの三年間の最初と最後を一晩で描くのはさすがにやばすぎるよ冨永監督!エンディング曲「Nonchalant」で南博が吹く口笛が頭から離れず帰り道や家に着いてからもずっと真似していたら、詩が書けた。吟遊詩人か!
というか『白鍵と黒鍵の間に』は台詞で「詩」や「詩人」が何度か登場するだけあって、映画自体が吟遊詩人的だし(「ゴッドファーザー 愛のテーマ」をリクエストしまくる森田剛演じる「あいつ」がいるから余計に)、最後の「Nonchalant」でポエジイが炸裂する感じ、たまらなくノンシャラント。

1011
仕事。帰りにNuCup Coffee で澤村貴弘やニシオカさんと喋る。

1012
執筆。

1013
保育園の保護者リレーのことで前日から緊張していた。5歳の娘は「絶対勝ってね」と何度も言ってくる。去年、2人抜かしてしまったばっかりに娘は俺にとてつもない期待をしていた。朝、場所取りをしていたら保育園の先生が言う。「アンカーを走ってくれませんか?」まじかよ!それだったら1ヶ月前から準備してきたのに。アンカーを予定していたひとが欠席したらしい。娘のまえで断れるわけもなく引き受ける。
予選。直前に知ったがアンカーはグラウンド一周らしい。200m弱ある。ちくしょう。気合いでポエジイ走り、2位でフィニッシュ。疲れすぎてサンドイッチが喉を通らない。決勝に向けて、レッドブルを飲む。「翼を授ける」というキャッチコピーを信じて。

むなしくかすてらの脆い翼をばたばたさせる。私はあはれな空想兒、かなしい蛾蟲の運命である。

「青猫」萩原朔太郎

決勝、アンカー素潜り旬、ポエジイ走りでギリギリ競り勝ち(写真判定)2位入賞。劇的。缶ビール48本を山分け。めでたい!表彰式で保護者代表として前に出て受け取ったのもあり、一日を通してめちゃくちゃ目立ってしまった。

1014
筋肉痛で身体が動かない。

1015
「LOVE is 永田助太郎 戦争と音楽」
詳しくはここに書いた。

永田助太郎の詩「蜘蛛」に出てくる恋の旧字体「戀」の覚え方を扉野さんに教えてもらった。いとしいといとしいと言いたい心。素敵だ。忘れないと思う。

1016
さらに酷くなった筋肉痛で身体が動かない。声も枯れ気味。

1017

ウルリケ・オッティンガー『タブロイド紙が映したドリアン・グレイ』を出町座で。構図が自然のなかで完璧にデザインされた劇中劇というのが、こないだ観たウェス・アンダーソン『アステロイド・シティ』と被る気もするけれど、やっぱり全然違うか…とも思ったりした。笑 前衛的なイメージの連続に俺自身の映画を観る態度が席ごとぶっ壊されて、気づいたら床で観ていたのか…?そしたらフワフワのなにかが乗った飲み物がハリウッド(トヨ・タナカ)から届けられて、大好きな『ドリアン・グレイの肖像』を読みながら、ひと口。ブルーメンシャインは俺も好きだ。

1018
仕事。清風堂書店で片岡一竹『ゼロから始めるジャック・ラカン 疾風怒濤精神分析入門』波戸岡景太『スーザン・ソンタグ「脆さ」にあらがう思想』を購入。片岡さんの本は歳が近いし読んでみたかった。

1019
執筆。ひとまず書き上げて送信。頑張った。
『魔女の宅急便』を娘たちはよく観ているのだけれど、主人公が風邪をひいたときに出してもらう「ミルクがゆ」が気持ち悪すぎて俺はみていられない。牛乳とご飯の組み合わせはぜんぶだめ!想像するだけでどうにかなりそう!


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