素潜り旬

詩人。『パスタで巻いた靴』(港の人)発売中、増刷しました。 https://www.a…

素潜り旬

詩人。『パスタで巻いた靴』(港の人)発売中、増刷しました。 https://www.amazon.co.jp/dp/4896293991/ref=cm_sw_r_awdo_navT_a_32PN0FXXF3WDYBF2Z7K5#

マガジン

  • エイガシVol.2

    20230520文学フリマ東京で販売した『エイガシ』の続編。映画を詩に。そのままではなく。

最近の記事

安川奈緒『MELOPHOBIA』を読んで日記を書く。20240417

ものを買って嬉しい時、この建物に俺と同じ気持ちの人がいることに絶望する。まんだらけで『書下ろしによる叢書草子3 吉岡実 異霊祭』を手に入れたこの感覚がほかに代わるものか!靴を買った人、帽子を買った人、いろいろいるだろうけれど(ここは高島屋だから)、この代替不可能性を言い表すにはMELOPHOBIA(音楽恐怖症)で居続けることしかないと思った。だって、 ああ。ひとりで朗読をやるからには音楽から離れようとしてきた。正確には歌から。身体のBEATを切断するような朗読、それは推敲で

    • 20240412 素潜り旬+菊地利奈 朗読、左川ちかと荒地絶叫。

      菊地利奈さんと左川ちかの詩「幻の家」を日英朗読した。 菊地さんの朗読を追うように俺は吠える。 英語で俺の紹介をしてくださった菊地さんがステージを去り、俺は『パスタで巻いた靴から「チンカチンカ」を三回いつもどおり、儀式のように、鎮魂の詩を繰り返した。 体感でまだ時間に余裕がある。「WAACKING」も朗読した。この部分、いま気づいたが『ジョーカー』っぽい。続編楽しみ。 最後に、荒地の詩人への愛を。自分が詩史に飛び込むためには秘数3の力を借りねばならないということを表現する

      • 20240410 入園式とジャズ喫茶METRO

        20240410 次女の入園式。めでたい。帰り道、桜の前で写真を撮ろうとしていたら公園で次女が二歳まで通っていた保育園の子供たちと先生に偶然会った。次女は切ない顔で先生と抱き合っていた。近所だからいつでも会えるよ。 夕方からジャズ喫茶METROへ。このイベントは皆勤賞で、できれば毎回行きたいのだが今回は午前中に入園式があるから疲れるしやめておこうと思っていた。でもキテレツカレーの出店が告知されたのに行かないわけはない!ずっと行きたかったカレー屋さん。その欧風カレーを食べた

        • 20240407 ショーケンと朗読。

          お世話になったギャラリー兼カフェのクロージングパーティーへ今日も家族で行った。子どもと全力で遊んで疲れた。だるまさんがころんだはいちいち止まらないといけないからしんどいし、タッチしたら全力で走らなければならない。当たり前のことを書いている気もするが、これはやってみないと気づかないもので、あ、これ、後にひびくなという心の声が乱反射して、いま俺はとても眠い、みたいな。 冒頭で引用した詩は高見順『三十五歳の詩人』から選んだ。ずっとあったらいいのにと思っていた場所がなくなるまでの時間

        安川奈緒『MELOPHOBIA』を読んで日記を書く。20240417

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        • エイガシVol.2
          7本

        記事

          20240406 告知と日記。

          日記再開。手書きからまたwebへ戻ってきた。手書きで書いた分は封印するがwebに載せた前回までの分は冊子にして売る予定。 京都、みんな桜を見ていた。 生きるのメンバー数人と詩人澤村貴弘と出町柳で花見。kikuさんのバジルをつける餃子が去年に引き続き美味しい。秘数3(中沢新一)の話をしながら食べた。 この秘数3を引用して音声詩をつくる。4月12日19時から極楽寺にて出演予定のイベントでやる。バイリンガル朗読会らしい。俺は『対訳 左川ちか選詩集 Selected Trans

          20240406 告知と日記。

          WAACKING2(『パスタで巻いた靴』のために)

          営々、詩を書く魂。ボンボンと音がするアンプはどこから。木を木だと思う、車がぶつかる映画、アナーキー・イン・じゃぱんすけ。 この人ね、止まらないでしょ。ずっとそうだ、もとよりここがデューンと呼ばれていたし。風雨で揺れる影なんてない。ポマド。ポマードではなく、ノマドでもなく。その概念はアガって空気に触れて、天にあるという。それでもやがて無が訪れるの。 このコダックが、何を意味するかで世代論的なものをふっかけておいてさ、野蛮な「ぐりとぐら」の両方を兼ねている、みたいな。Dos M

          WAACKING2(『パスタで巻いた靴』のために)

          20170216チェロキー/カマシ・ワシントン超超訳

          20170216 素潜り旬とカマシ・ワシントンが闘った痕跡。(ライブは20161205)チェロキーを超超訳しました。 掘り起こしたので載せておきます。 新しいアルバムの発売が楽しみです。 チェロキー/カマシ・ワシントン 勇敢なインドの戦士、 今日、 生まれて初めて、(当たり前ですが…) 私はあなたに会いました。 あなたを忘れることはできません。 恋しいひと… チェロキー。 ぱらっぱーぱぱーぱー(時間が経つ音楽) 草原の子ともども、 あなたの愛に飢えています。 私

          20170216チェロキー/カマシ・ワシントン超超訳

          20231126日記「地獄の喫茶」

          文芸同人誌しんきろうの集まりが18:30に円町である。俺は妻の友人が来るからと11時に家を追いだされ、12時過ぎに詩人澤村貴弘と円町で合流した。集合まで6時間以上。円町での長い一日の始まりだった。 何が食べたいかと聞かれ、ラーメンかカレーだと言うと、澤村は明らかに台湾まぜそばを欲していた。醤油ラーメンの店の行列を眺めたり、カレー屋の前を通ってニオイにつられそうになっていても、澤村は「台湾まぜそばの店の前まで行ってみよう」と言う。澤村の台湾まぜそばが食べたい気持ちは楽しさを呼ぶ

          20231126日記「地獄の喫茶」

          20231125日記「エチオピアの吟遊詩人」

          20231125 今日は映像人類学者の川瀬慈さんのトークイベントを聴きにふるえる書庫さんへ行った。エチオピアの吟遊詩人「アズマリ」ソロモンさんのパフォーマンス映像は衝撃。 川瀬さんによると、これはエチオピアの有名な曲とのこと。格好良い詩。その後ソロモンさんは「詩をなげてちょうだい」と言い、オーディエンスの言葉の媒体となって、それは歌として反復される。恋とか身近なものから、コロナ、内戦、政府、首相のことまで。想いを吐き出すことが詩や歌になるなら、吟遊詩人にはなんでも伝えられる

          20231125日記「エチオピアの吟遊詩人」

          20231106「映画の冒頭は見逃したくない!ウルリケ・オッティンガー『フリーク・オルランド』」

          ウルリケ・オッティンガー『フリーク・オルランド』を出町座へ観に行く前に、ファミマでフランクフルトを買って、ドアが開いてすぐ食べはじめて3口で食べ終わるというようなことをしていると、京大院生の東洋くんと遭遇。彼も『フリーク・オルランド』を観に行くと言う。喋りながら向かっている際、「こないだ来てくれたトークイベントどうやった?」と聞くと「場を支配していましたね」と言われて笑ってしまった。そんなことはないはずだが、俺が印象に残っているということならありがたい。 出町座に着いて、チ

          20231106「映画の冒頭は見逃したくない!ウルリケ・オッティンガー『フリーク・オルランド』」

          20231028-1105「見逃した映画のことばかり考えている」

          10/28 昨日から妻と娘たちは実家に帰っている。 朝から頭痛で寝込んでいた。昼と夜はなんとかラーメンを食べに行く。最近、醤油ラーメンが好きだ。シンプルな醤油。できるだけオイリーなほうがいい。昼は貝。夜は鶏。 帰宅して執筆。「『ビーチバム』推敲の物語」を書き終える。noteで公開。 10/29 妻と娘たち帰宅。 地元の図書館で世田谷ピンポンズの講演会。富士正晴の「煙草」「巷」「愛の歌」につけられたメロディがとても良い。詩がジャカジャカと飛びまわるフォーク、ギターの生音は優

          20231028-1105「見逃した映画のことばかり考えている」

          『ビーチ・バム』詩人の推敲物語

          劇場公開時に二度観に行った『ビーチバム まじめに不真面目』を、この原稿を書くにあたって再見。詩人が登場する映画は貴重だ。すべてを愛でなければならないくらいの気持ちでいる。そのなかでもこの映画は、俺に深い感動をもたらした。主人公で詩人のムーンドッグは常に生の歓びに充ち満ちていて、それは妻の死をきっかけにだんだん死を遠ざけるための手段に変わっていく・・・ と見せかけて! これは生の歓びでしかないのだという圧倒的肯定。眩しいよ、俺はこうありたい。涙をこぼすところを見せないムーンドッ

          『ビーチ・バム』詩人の推敲物語

          20231020-1027「お父さん(俺)は子どもたちのヒーロー」

          20231020 『悪い子バビー』をシネリーブル梅田で。冒頭30分は家庭内暴力の末、死そのものを理解していないが故の殺しの連鎖でもう見ていられなかったが、それがきっかけでバビーが解放され生の扉を開く皮肉。その扉は音楽という初めて出会う存在へと続いていてハプニング的にバビー自身もバンドに加わり、これまで受けた数々の侮蔑の言葉をバビーがそのまま発することで詩となり、芸術へと昇華され、聴衆をアジってぶち上げる様は感動的。それはバビーが言われたことを反復して会話を成立させていたか

          20231020-1027「お父さん(俺)は子どもたちのヒーロー」

          20231008-1019「かすてらの脆い翼、ポエジイ走り」

          20231008 二日酔いなのか、雨の日の頭痛なのか、わからず、ただただ寝ていた。少年ナイフの野外ライブを無料で観られるイベントが近所であったが、しんどくて行く気が起こらなかった。 1009 雨が降るなか、奇妙礼太郎の弾き語りを観た(土日はグラウンドで、月曜は広場で、無料の音楽イベントが開催されていた)。 これが歌い出し。サビかよ!というかこの曲は全部サビになりそうなグッドメロディ。凄すぎる。作詞作曲のベベチオ早瀬さんと共演。良かった。 大通りで踊って、ワンモアと言っ

          20231008-1019「かすてらの脆い翼、ポエジイ走り」

          ●●のこと。(「LOVE is 永田助太郎 戦争と音楽」で「作用抄」を全篇朗読した)20231015

          「LOVE is 永田助太郎 戦争と音楽」2023年10月15日徳正寺にて。永田助太郎の「作用抄」全篇を朗読をした。メンバーは素潜り旬(朗読)、SUZMENBAの本田未明さん(サウンド)と太田泉さん(パーカッション)。にしもとひろこさん(歌、朗読、ギター)、鈴木モモさん(ストリングラフィ)、扉野良人さん(朗読)。 ストリングラフィで徳正寺は見たことのない状態であり、永田助太郎の詩集『溫室』に収録された詩「蜘蛛」のようだった。 朗読は、鈴木モモさんが庭の木から徳正寺の奥の壁

          ●●のこと。(「LOVE is 永田助太郎 戦争と音楽」で「作用抄」を全篇朗読した)20231015

          今も息をしていることに気がつけばいいのです(富岡多恵子さんの詩「夜」を「百年のわたくし巻六」で朗読した)20231007

          2023年10月7日「百年のわたくし巻六」では『現代詩手帖5月臨時増刊富岡多恵子』より富岡多恵子さんの「夜」という詩を朗読した。 富岡多恵子さんの詩には独特の語りのリズムがある。「です・ます」調で「生活」とは、そして「生活における死」がどういうものか諭されているよう。それも分からせてあげようといった類いのものではなく、こっちが相槌を入れたくなるような、そうですよね、そうですよね、と頷きたくなって、最後は、「たしかに!」と言いたくなる、そんな語りの魅力。 そこに俺の朗読の

          今も息をしていることに気がつけばいいのです(富岡多恵子さんの詩「夜」を「百年のわたくし巻六」で朗読した)20231007