食事で高血圧をよくする!
1.はじめに:
患者さんと外来で話していて、「血圧が高いからそろそろお薬を始めましょうか?」と説明すると、「もう少し食事で頑張りたい」と言われることはしばしばあります。
一度薬を始めたらやめられないのではという思いもあり、どうしても内服薬を始めるのには抵抗があるようです。あとに述べるように必ずしも内服中止がないわけではないのですが。
2.まずは塩分制限:
食事で血圧を下げると言うと、まずやるべきなのはやはり塩分制限です。日本食は塩分が多い食事として知られています。僕は医学書を読んでいて、世界でも食塩摂取量が多い方の例として、日本の北部の日本人があげられているのを読んで、日本人は世界でトップレベルなんだと驚きました。
実際、塩分を制限すると血圧が下がることは知られていますが、味付けの塩分を減らすだけでは十分ではありません。もともと食材に塩分が入っているからです。味噌はもちろんですが、例えばラーメンの麺だけでも一食分1.8gも食塩を含んでいました。
厚労省の基準では、日本人は食塩を一日男性 7.5g未満、女性に 6.5g 未満にするようにということになっていますが、これはかなり多い基準で欧米では 6g未満とするのが普通です。
実際問題塩分は減らすほどいいというところだと思います。普通の食生活をしていれば、1 日でどんなに塩分を控えても足らなくなるということはないのではないかと。僕も外食を止めて自炊して塩分を控えるようにしたら血圧が下がりました。
3.アルコールも良くない:
アルコールを飲むと血管が拡張して赤くなったりして、血圧は一時的には下がるのですが、習慣的にずっと飲んでいると血圧は上がります。やや意外かもしれませんが、少なくともアルコールをたくさん飲むと血圧が高くなると観察研究で裏付けられています。
4. 野菜、フルーツを多く:
野菜やフルーツ、食物繊維、全粒粉(玄米とか)をたっぷりとる食事には高血圧の方の血圧を下げる作用かあることが知られています。
こうした食事は減量にも効果があり、結果として高血圧のみならずトータルな健康増進にも効果があります。
5.実際に食事は高血圧に効く!:
さきにも述べましたが、個人的な経験でもこうした食事療法は高血圧に効くと思います。以前は僕も血圧かやや高く内服薬を飲んでみたこともあったのですが、ここに述べたような食事療法で血圧は下がり、薬も中止できました。
ただ最近コロナも収まってきて外食の機会も増えてきたせいか、またやや上昇傾向なのが悩みです。
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