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スタートアップ人事としてエンジニア採用で最初にはじめたこと

はじめに

昨年からPoliPoliへ入社し、いろいろな業務を経験しながら人事・採用業務へと落ち着いてきました。今回は、非エンジニアである私がエンジニア採用の中で直面した体験談から最初に着手した採用情報の再設計についてお話ししたいと思います!

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エンジニア採用の課題

私は、社会人初心者・スタートアップ初心者・人事採用初心者・IT業界初心者で完全に知識も何もない状態でのスタートでした。社内に採用のプロフェッショナルがいるわけでもなく、エンジニアの皆さんも開発業務をメインで行うので、特段知識がないエンジニア採用は敬遠しがちで後回しになっていました。

しかし、今期(2022.1~2022.3)の応募状況を見ると、事業開発やインターン生などは多い一方で、エンジニアの応募数が少ない…

さすがにこれはまずい...と思い、まずはやれることからやってみようと思いました。最初に自分の会社がどんなエンジニアを欲しているのか探るため、採用情報をチェックしました。

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しかし、読んでもわからない…TypeScript?Firebase?

とにかく何から始めてよいかわからず、本に頼ってみることにしてみました。

本を読む

早速、以下の本「作るもの・作る人・作り方から学ぶ 採用・人事担当者のためのITエンジニアリング」を読み進めました。

採用人事本

ちなみにPoliPoliでは、社員が成長するために本の購入制度が存在しています!私も今回は、「これ読んでレベルアップしてエンジニア採用頑張りたいです!!」と言って購入してもらいました。

この本、すごく分かりやすくて、採用担当に限らず、IT企業の人たちはみんな読めば、エンジニアとのコミュニケーションや業務効率も格段にアップすると感じました。エンジニアとのコミュニケーションに困っている方は是非読んでみてください!!

決して本の宣伝部隊ではないですが、ここからは、この本「作るもの・作る人・作り方から学ぶ 採用・人事担当者のためのITエンジニアリング」をベースにどのように採用要件を進化させていったのかを紹介していきます。

開発の知識を得る

先ほども言ったように、私には開発の知識がこれっぽちもありませんでした。高校や大学の授業でHTMLとCSSを若干書いたことがあるくらいです(もっと真剣にやっておけばよかった…)。

「作るもの・作る人・作り方から学ぶ 採用・人事担当者のためのITエンジニアリング」では、題名の通り、そもそも
作るもの(=ソフトウェア)とは何ぞや?
作る人(=○○エンジニア)とは何者だ?
作り方(=エンジニアが携わる仕事)とはどんなだ?
がざっくりと解説されています。

PoliPoliはSaaS(Software as a Service)事業を行っていますが、採用担当に限らず、そもそもソフトウェアとはどう成り立っているのかを理解することは必要不可欠です。この構造を知るだけでもプログラミング言語や各開発者の役割が自分の中で見えるようになってきます。

ここまで見てもまだエンジニアリングに壁を感じている方は、この言葉を心に留めておくと良いです!私もすごい気が楽になりました。

採用業務のためにエンジニアリング知識を学習するにあたって重要なことは、学習のゴールとして「プログラミングができる」状態ではなく、「用語を理解している」状態を目指すことです。
(引用:「作るもの・作る人・作り方から学ぶ 採用・人事担当者のためのITエンジニアリング」より)

何もそんなにコーディングに必要なレベルの知識をつけなくてもよいのです。私は、主に以下のことを学び、少なくともレベル0から脱却できたのではないかと思います。

・Webソフトウェアの構造
・フロントエンドとサーバーサイドの違い
・様々な特徴を持つプログラミング言語が莫大な数存在している
・プログラミング言語にも類似性がある
・プログラミング言語にも流行がある
・フレームワーク・ライブラリという存在

これらの知識を得て、だいたいのプログラミング言語やその特徴を理解したうえで、改めて自分の会社ではどんな技術スタックを使っているんだろう?関心を抱くようになりました。

そこで改めてエンジニアのジョブディスクリプション(仕事概要)を見直してみると…

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情報少なすぎじゃない!?!?!?
これではどんな仕事をするのか全くイメージがつかないのではないだろうか…これは大問題だと気づき、社内での調査を始めました。

開発チームの強みや特徴を知る

エンジニア採用はどこも難しい時代です。いかに他社と差異をつけていくのかがエンジニア採用のカギになります。

まず、どんな技術スタックを使用しているのか把握するために、社内のエンジニアが過去に出していた記事に目を通しました。以前は、「はて?技術スタックとは?よくわからん英字ばかりだ」と思っていた私ですが、最低限の知識を身に着けてから「内容がスラスラ入ってくる!!」と感激しました。

そこで、自分でも色々調べたり、エンジニアに質問しながらPoliPoliでの技術スタックを整理しなおしました。

【PoliPoliの技術スタック】
サーバーサイド
・データベース:Firebase
・データウェアハウス:BigQuery
・監視:Sentry(slackと連携して通知)
フロントエンド
・フレームワーク:Angular
・開発言語: Typescript
・CI:GitHub Action
・アーキテクチャ:レイヤードアーキテクチャ

そもそも今までは、エンジニアの方々に何を聞いてよいのかもわからずだったのですが、やりたいことや質問が明確になり以前よりも円滑なコミュニケーションができるようになりました。

さて、ここまでで自分の会社がどういう技術を使っているのかある程度把握し、整理することができました。ただし、採用担当として重要なのはここからです。

採用活動においてはプログラミング言語の詳細以上に知っておくべきことがあります。それは、「なぜ自社がこのプログラミング言語を選んだのか」という技術選定の理由です。
(引用:「作るもの・作る人・作り方から学ぶ 採用・人事担当者のためのITエンジニアリング」より)

プログラミング言語に限らず、フレームワークなどもなぜそれを選んでいるのかということを知ることで、より一層、自分たちの会社のサービスの特徴や開発チームのカルチャーについても知ることができます。

ここに関しては、エンジニアに直接聞いてみるに限ります!!

PoliPoliでもサーバーサイドでNoSQLであるFirebaseを使用する理由やそれに対する世間的な評価が私の知識では分からず、直接エンジニアに尋ねてみました。
「Firebaseを使うことはリソースが足りず自社開発ができていないと見られるのか、それとも最先端の技術を導入していると見られるのか、どちらに近いですか?」

結果的には後者だったので、これは開発チームの特徴のひとつなんだと理解を深めることができました。

また、技術に限らず開発チームのコミュニケーション方法や働き方なども強みや特徴として他社と差異化することが可能です。PoliPoliでは、個人の希望や成長度合いが考慮されたうえで、タスクがアサインされることからも敢えて○○エンジニアと名称をつけることはせず、プロダクト開発にかかわる人すべてを「ソフトウェアエンジニア」と呼んでいました。それは、必ずしも浅く広く横断的に仕事をやるという意味ではなく、専門的な知識をつけたい、あるいは、違う業務に挑戦したいという多様な働き方への考え方を尊重する意味合いもあります。

このようなことも開発チームのカルチャーの1つとしてアピールすることができます。

採用背景を理解する

エンジニア採用担当者といってもレベルが存在します。私はまさに採用要件を再設計するためにレベル0からの脱却を図ろうとしているところです。ただ、技術スタックやその選定理由を把握しただけでは、レベル1に達することはできません。

レベル0:ワーカー
エンジニアリング知識がなく、採用業務においてエンジニアの指示に従うだけ
レベル1:セクレタリー
エンジニアによるリクエストの背景を正確に理解し、それに見合った採用要件を設計できる
レベル2:パートナー
エンジニア採用市場の視点を持ち合わせており、エンジニアと対等な関係で採用戦略を進められる
レベル3:プロフェッショナル
エンジニアをどこまで採用業務にコミットさせるかについて会社全体の方向性を決めることができる

レベルアップするためには、まず、「なぜエンジニアを採用する必要があるのか?」を理解する必要があるのです。事業や開発チームの中にどんな課題が存在しているのか?、その課題の解決策としては採用が一番正しい選択なのか?というところを深堀りする必要があるのです。

私もCTOに対して以下の質問をしてみたところ、このように返ってきました。
Q.採用ポストを開けるに至った経緯はなんですか?(エンジニアを採用することによって何が解決されると仮定しているのか)
A.プロダクトとして実装したい機能があって、それに対して、納期が設定されていて、現状のエンジニアのリソースのみだと間に合わないのではという危惧から採用ポストを開けるに至りました(採用することで納期に間に合う可能性が高くなります)

ここを理解することで、ジョブディスクリプションをより具体的に書くことができるのです。

※ちなみに私が個人的にプロフェッショナルレベルだと感じているのは、Gaudiyで採用広報などを担っている山本さんです👇エンジニアチームを採用活動へ率いる力、ハンパなく、尊敬しかないです…是非ご一読を!!

募集背景にストーリー性をつける

採用の背景や理由を理解するところまできました。しかし、そこだけを書いても事業やプロダクト事態に興味関心を持ってもらわなければ意味がありません。会社としても技術を磨きたいという想いに加え、掲げているミッションに共感してくれたら、これ以上にうれしいことはありません。

そこで、採用の背景や理由に納得してもらえるものにするためにも募集背景にも流れをつくることが大切です。私は以下の3つを意識して募集背景を再設計しました。

1⃣ 開発しているプロダクト
2⃣ 企業のフェーズ
3⃣ 今後の展開

開発しているプロダクト
そもそも事業やプロダクトに魅力や価値が感じられない場合、どの職種であっても応募したいという気にはなかなかなりません。どういう課題が生じていて、それに対する解決手段として自分たちのプロダクトはどれだけ効果的なのかということをアピールすることで魅力を伝えていきます。PoliPoliでは、候補者さんの生活にかかわる政治・行政分野のプロダクトであることや、プロダクトで具体的にできることをアピールしました。

【どんなプロダクトを開発しているのか
私たちの普段の生活は政治や行政という仕組みを通して作られています。PoliPoliは、誰もがプロダクトを介して政治・行政と繋がり、生活に潜む問題を政策推進という文脈から解決していける社会を目指しています。現在、政治家さんに導入いただいている『PoliPoli』と行政機関に導入いただいている『PoliPoli Gov』を自社開発しています。どちらのプラットフォームも政策プロセスへ国民の声を届けることができ、対話の機会を提供しています。
PoliPoliの採用情報より)


企業のフェーズ
いくら魅力的でも、いざ応募するとなった際にはその企業や開発チームの状況は気になります。PoliPoliでも開発チームで今注力していることは何なのか、なぜ今注力する必要があるのかなどを簡単にまとめました。

【企業のフェーズ
2021年には、創業以来から開発してきたプロダクト『PoliPoli』に加え、新たなプロダクト『PoliPoli Gov』をリリースし、行政機関にも導入していただきました。『PoliPoli Gov』は、短期間のうちに最低限の機能のみでリリースしたということもあり、現在新機能の開発を精力的に取り組んでいます。
PoliPoliの採用情報より)

今後の展開
応募するにあたって最も気になるのは、企業の現状のフェーズからどのように展開していく予定でその過程でのこのポジションの役割は何なのかというところです。将来性がどのくらいあって、自分がもしこのポジションについたらどういうキャリアを積めるだろうか、それは自分のキャリアプランとマッチするだろうかというところです。PoliPoliでもこれからこのように事業を展開していく予定だから、あなたが欲しいという風に繋げることを意識しました。

【今後の展開
政治・行政という生活に欠かせない領域だからこそ、プロダクトとしてより多くの国民に使ってもらうことが大切になってきます。多くの人が使いやすいと感じる仕様にするためには、日々仮説を検証しながらもスピーディーに開発を進めていく必要があります。更に新規ユーザー獲得や新しい市場進出に向けて、今年から新規事業が一斉にスタートします。このようなことから、更にチームを盛り上げ、自らも成長できる開発メンバーを探しています。
PoliPoliの採用情報より)

ジョブディスクリプションの再設計

これまで本に倣いながら、社内のエンジニアにヒアリングしたり、自分が応募者だったら何を知りたいかを考えてみたりしてきました。

これらの要素を取り入れて再設計した採用情報がこちらです。

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ちなみに前回のがこちら!

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初心者ながら、以前の3行だけだった仕事概要と比べれば、かなり内容が充実し、働くイメージがつきやすくなったのではないでしょうか?

さいごに

今回は、採用情報の再設計に取り組んだ流れをご紹介しました。私のように非エンジニアでエンジニア採用を敬遠してしまっている方たちの参考になれば幸いです。

私は、レベル0を脱却したことでエンジニアとの間にあった壁に少し穴をあけることができた気がします!そして、なによりも開発の知識を多少得たことで、フランス語並みに理解できなかった会話が成り立ち、エンジニアとコミュニケーションをとれることがものすごく嬉しい!

といっても、レベル3であるプロフェッショナルまでの道のりは程遠いです…💦これからも鍛錬しながら、採用情報のアップデートも含め、レベルアップしていきたいと思います。

最後になりますが、PoliPoliでは幅広いレベルのエンジニアを募集しています。また、エンジニアに限らず、同じミッションを目指して成長していってくれる仲間をお待ちしております!!

最後まで読んでいただきありがとうございました!!


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