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部屋の空気感をリノベーションしたら、居心地のよい空間に変わった

予算を掛ければ掛けるほど、リノベーションが良くなるかと言えば、それは実際のところは分かりません。本当にリノベーションに大事なことは、そこに住む人がどんな家に住みたいか。その意味ではリノベーションは予算で決まる話ではないのです。限られた予算であっても、そこに創意工夫があれば、すごく居心地の良い空間に変わることが多くあります。

池尻大橋A邸リノベーション

DATA

エリア | 東京都世田谷区(池尻大橋周辺エリア)
家族構成 | 夫婦2人+ネコ
プラン | 2LDK→1LDK
面積 | 50.04㎡(壁芯)
構造 | SRC造
所在階 | 13階建ての8階
主採光 | 南西
建築竣工年 | 1972年11月
不動産購入 | 2015年4月(築43年時)
リノベ完成 | 2015年7月
権利 | 所有権
工事費用 | 300万円(設計料・税込)

CREDIT


全く無知なところから始めた住まい探し

マンションの管理状況や周辺環境・眺望など、変えられない部分を重視して物件を選んだAさん
室内はリノベーションで変えられることは、イメージしていた

中古物件を購入してリノベーションをするようなシチュエーションで良く聞かれる話に、親御さんがそれに対して難色を示す”親ブロック”が起きることがあります。親ブロックが起きると、本人たちがその物件を気に入っていても、契約まで行き着くことが出来ません。

今回の事例の場合は、そもそも親御さんが新築の物件価値が下がることを熟知しており、中古物件を購入後にリノベーションすることを推奨されていました。
もともとAさんご夫婦も、新築のよくある内装の雰囲気があまり好きではなく、不動産営業の物件を売り込むような姿勢にも以前から疑問を感じていたと言います。

いよいよ本格的に物件探しをするにあたり、以前より友人がFacebookでいいね!をして気になっていたスマサガ不動産で物件探しを始めました。実際にスマサガ不動産の事例紹介ページを見た際、新宿牛込W邸のリノベーション事例のDJブースや、キッチンを兼ね備えた本棚が印象に残っていたそうです。

最初は二人ともローンの仕組みなども分からず、日々知識をアップデートしながら、物件探しに奔走することになります。
まずは、当時住んでいた吉祥寺近辺から物件探しを行っていたAさんご夫婦ですが、このエリアは想定よりも古くて狭い物件が多く、徐々に探す範囲を増やして、両親が暮らすJR中央線沿線や東急田園都市沿線まで範囲を拡げて探すことになりました。

物件探しをしていた期間は約8ヶ月あまり。もう自分たちの希望に合う物件が見つからないんじゃないか・・・と感じたときもあったそうですが、いったん条件を見直す期間も設けつつ、最終的に今の場所にたどり着くことが出来ました。

<今の住居を購入すると決めたポイント>
・富士山を望むことが出来る眺望
・マンション全体の雰囲気
・マンションの手入れがしっかりされている
・購入前に大規模修繕が実施されていた
・住んでいる人たちの落ち着きと、素敵なコミュニティの醸成

全てをひっくるめると「マンション自体の雰囲気が良い」ということに尽きる物件だったそうです。

どれだけ変えずに工夫して、居心地の良い空間にするか

窓側の壁をなくし開放的になったリビング。以前のフローリングにラーチ合板を上貼りして整えた

予算の関係上、部分リノベーションをすることになったこの部屋。購入した部屋はリノベーション済みの部屋だったこともあり、二人の好みとは異なる内装でした。余計な虚飾のないクリアな空間が好みな二人は、限られた予算内で出来るだけ好みの空間に近づけられるような工夫をスマサガ不動産の設計スタッフと模索していきました。

部分的なリノベーションで最も意識した場所は、廊下とリビング。視界によく入る場所を優先して自分たちの価値観に合う場所にチューニングしていきました。

リビングの片隅の籠れる書斎スペース。ここからの眺めは最高で、陽だまりも気持ちいい

それ以外の場所は、一見なんの変哲もない空間に見えるところでも小技を利かした設計を施して、出来るだけ部屋に統一感を持たせることに成功しました。
例えば、なぜそこだけ茶色?と唐突に感じたキッチンの壁も、同じトーンのタイルを配することで、統一感のあるデザインに見えるように整えたり。他にもさまざまな細かい調整をデザインの力で補うことにより、いわゆる「部屋の空気感」を調整していきました。

猫と暮らす空間、アップデートされていく住まい

ラーチ合板をあえて仕上げに使い、床のキズを気にしない生活に。将来的に貼り替えも簡単です

この部屋に住む段階で、既に決めていたという猫との暮らし。実際に部屋を設計する段階から、雑種のオチョを引取り一緒に暮らしていたお二人。

オチョとの暮らしで、床に引っかき傷が多数あるのですが、これさえも味になっているのがこの家の素敵さを象徴しているような気がします。もちろん最初はそのキズつき具合にも少し衝撃を受けたそうですが、究極、張り替えて直せばいいやという柔軟な姿勢の心持ちで今はいらっしゃるようです。その割に、床以外にはあまり引っかき傷が見当たらないので、もしかすると、オチョは違いの分かる猫なのかも知れません。

床材でゾーン分けをしたLDK。外とつながるインナーテラスのようなダイニングの床が印象的

眺望が良く、陽の光もたっぷりと入るので、電気を点けなくても充分に明るいリビング。そんなリビングのなかでも、リビングエリアの斜めに区切られた床の配置が好きだと語ってくれました。

他の部屋と同様、すっきりと整理された印象のある今回のお部屋ですが、ここに住み始めてから数年後に、とても収まりのいい丸テーブルがリビングに配置されたり、これからも新たなインテリアを設置する計画があったりと、常にこのお部屋もアップデートが行われているようです。
そして何より、以前に比べて家で過ごす時間が多くなったことが最大の変化だったそうです。細かい工夫を設計でうまく散りばめたことにより、自分たちに合った雰囲気で空気感までリノベーションされた空間は、一番居心地の良い場所になるのかも知れません。

大事なのは予算ではなく、どんな雰囲気の部屋を作りたいのか、どんな部屋に住みたいのか。それが、最適な空間づくりのベースになることが、このお住まいからよくわかるような気がします。

「部屋の空気感をリノベーションしたら、居心地のよい空間に変わった」
池尻大橋Aリノベーション


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