感傷的毎夜
深夜、涙が出る。喉がギュッとなって、苦しくて、何も言葉に出せない。
私は、人より繊細で不安がりだ。将来が不安。明日が不安。一秒後が不安。
九月からの留学が不安。英語もろくに喋れないのに、イタリアなんて行ったもんならバーンと一発撃たれて人生終了とか。マジで無理。飛行機も怖い。絶対落ちるって。
明日という日は来るのだろうか。朝目覚める前に、何も起こらないだろうか。寝ている間に、地震が来たら?家に強盗が入ったら?親が急病でも気づけなかったら?そもそも自分は眼を覚ますのか。
次の瞬間に、何が起こるかわかったもんじゃない。大好きな人は完璧に安全な場所で眠っているのか。連絡がないけど、死んだの?何?
眠れない。泣きすぎて眠れない。とりあえず光を求める。スマホを開き、写真フォルダをながめる。楽しかったディズニーとか、家族との思い出とか。ニヤニヤしながら動画を見返したり。あれ、なんだかさっきより、苦しいし、涙が滝のよう。なんでだろう。
次に、穏やかな音楽を求める。張り詰めた静けさから逃げたい。星野源の『Nothing』をエンドレスリピート。呼吸にあったテンポ、温かい声。
「止まない愛を知って 世界色づきだして 命よ続けよ いつも気付いていた 君に渡せるものが 馬鹿げた僕には なにもないな」
画面の中の写真が、私は愛されているって教えてくれる。でも、その愛を守り続けることが、自分にはできないように思う。大切な人を大切に思うことは、この時間よ永久にあれ、と望ませる。自分には何もない。こんなにも想っているのに。
泣き続けて、眠くなってきた、おやすみなさい、明日が来ますように。
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