親であり、親でない
自宅で夕ご飯を食べている時に
「お母さんは甘いんだよ」
息子に何度となく言われました。
子ども支援団体の代表を務める私に対する子どもとの関わり方についての言葉でした。
「お母さんにはお母さんのやり方がある」
それ以上、深く話すことはありませんでした。
<価値観の押し付け>
現在、大学生の息子は高校時代から団体の学習支援事業で、時々、子ども達の学習サポートをしてくれていました。
頼まれた時にサッとやってきて、終わればサッと去っていく。
当時、学生ボランティアがいない時に深く子ども達との関わりを持つことはない、けれども、彼の存在がとても貴重でした。
しかし、彼はその時、
「ボランティア」
「団体の理念」
「子ども達をとりまく社会背景」
「一人ひとりの子ども達の状況」
を知りませんでした。
無知であるがゆえに、自分の「こうであるべきだ」という価値観を主張することが多くありました。そして、人の意見を聞くのが苦手でもありました。特に母親の私の意見はなおさらかもしれません。
<関係性の変化>
「自分がやってることに意味を感じれない」
今年から本格的に団体の学習支援事業に加わった息子が2人で夕ご飯を食べている時に言いました。
明らかに彼に変化を感じました。
それはある子のことを想い、自分がしていることがその子のためになっていないというもどかしさや悔しさがその言葉に詰まっていたからです。
その時から私と息子との関わり方が増えました。
母親として、彼が所属する団体の代表として。
<議論を生む>
「お母さんは甘いんだよ」
その言葉に対して今は真摯に説明します。それは彼が子ども達と真剣に向き合い、考え、自分のやり方を模索しだしているからです。
そして、当時のように無知の状態で「非難」するのではなく、自分なりに経験から私のやり方に対して「批判」をしているからです。
同じ団体で目的を持って動く仲間として議論を交わすことは大切です。たとえ、平行線だとしても議論をすることで相手の考えを知り、多様性を認識しながら進めていけるからです。
時に母親として、人生の先輩として、まだまだ未熟な彼の言葉を受け止めれない時があります。
そんな時、自分に問いかけます。
「今、彼と話しているのはどの自分?」
関わり方が増えたおかげで彼と話をするのが面白くてたまりません。きっとこれまで、母親としての自分はとても未熟だったと確信しています笑
彼から学ぶことは多くあります。
子ども達から学ぶことが多くあります。
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