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テニスの召使い

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50の手習いで始めたテニス。 王子様というほど上手くも若くもない。 サーブも何十本に一本入る確率。 それでもコートに立つのは何なのか。
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#エッセイ

エースをねらえ!



最近だと、テニスを扱ったマンガといえば『テニスの王子様』が一番に思い浮かんでくるんだろうけど、50代前後の私の世代だとこっちの方が多いんじゃなかろうか。
松岡修造がウィンブルドンのセンターコートに持ち込むほど推していた、『エースをねらえ!』を。
アニメで再放送を散々見ていたはずだった。
野郎が少女マンガなんか読むな的な昭和のガキたちの間でも、この作品はマンガを読んでも、アニメを見ても許される空

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緩やかに、でも芽生える想い

 テニスは受け身スタートだった。
体型を見かねた職場の先輩が、『何か運動した方がよかろう』と勧めてきたのが『テニス』だった。
体育会系の理不尽な上下関係や無駄なストイックさもなく、同好会とはいえ色気もない。
でも、緩やかな感じがよくて続いている。
ハッキリって下手です。
サーブ打っても入る確率はイチローの打率よりも低い。
それはストロークもそうだし、ボレーがちょっとはマシなくらい。
そんな調子が一

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はじめての挫折

『今日はゲームだけ』
そんなことをある日に告げられて目が点になる。
ひたすらダブルス戦をやるというのだ。
1試合4ゲーム先取で、1試合ごとに相手を変えてのリーグ戦を。
勝手がわからず、嫌だとも言えず、後学のためにやってみようとなる。

ダブルスともなると気を遣う。
『お前のせいで負けた』って言われるのが何よりも嫌だ。
サーブも、ストロークも、ボレーも、つまるところラケットを振っても決まらないのに、

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テニスはじめました

『なぁ...その体型...』
職場の先輩に言われて考え込む。
いわゆる『中年太り』である。
しかし、それは全員が全員そういう体型になる訳でもない。
日頃の不摂生の賜物である。
電車通勤は相応に運動はしていた状態なのだ。
自宅から駅まで歩くし、電車で移動中は座れなければ立ってるし、駅から職場までは歩くしで。
それが、転職直後から生活様式は一気に変わった。
職業柄、体を動かすことが極度に減った。
体は

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