ドルヲタの裏事情

テレビの演出上、面白おかしくドルヲタを取り上げることが多い。かくいう私も、そのエンタメを楽しんでいたのだけど。とある番組で「なぜ、あなたはドルヲタなの？」そんなインタビューに答える男性の一人が、こんな言葉を口にした。
「リアルだと、好きな気持ちをどうしようもないことってあるじゃないですか。でも相手がアイドルならば好きな気持ちが迷惑にならないじゃないですか」
そうか……傷ついた経験があってこそ、アイドルに救われたのか。なんとエモい話だ。

そこから私は、ドルヲタの見方が変わり、なんならファンのファンになった。ジャンル問わず、誰かのヲタクとされる方々のSNSを読み漁るのが趣味に変わった。ファンファンである。

そんな私が最も好きなファンは、SUPER JUNIOR（スーパージュニア）ファンの方々。スーパージュニアはメンバーが全員三十代。初期の韓流ブーム(ヨン様とか東方神起とか)の真っ只中から活動しているのかな？実はあんまり彼らについては詳しくないのだけど、とにかく彼らのファン独自のメンバー布教方法が大好き。ことあるごとに、好きなメンバーの一挙種一動を見事、笑いのネタに変えて盛り上がっている。バカにしているわけではない。本物の笑いに変えて、スーパージュニアという存在を紹介してくれるのだ。そのなかでも彼らを全く存じ上げなかった私が、その存在を掘り下げるきっかけとなったのは、キム・ヒチョル。

『キムヒチョル アスカ』、『キムヒチョル　ラブライブ』なんかでググってもらえれば、もう大丈夫。しっかり「こいつ、なんなんだ」と気になってくるはずなので、是非オススメしたい。綺麗な顔してるのに、隠キャの星みたいなアイドルだったんだよな。人気絶頂TWICEモモとの公開恋愛すら、温かい目で見られている意味もわかる。今となっては『キム・ヒチョル、熱愛（笑）』くらいの感覚。なんならヲタが推しと恋人になったみたいな一連の流れあるからな…って思うほどには知ってるし、大好きになった。それってファンの方が、愛を持って面白おかしく彼を布教したことにあるんだから、有難いことだ。

twitterの『#笑ってはいけないSJ』タグを辿って見てるだけで、本当に一日笑っていられる。愛を持って笑いを作るなんて神業。改めてファンの方って尊い存在だと思う。基本的に自分の幸せより、相手の幸せを願うからこその行動をなさるのだけど、結構それって切なく見えたりする。だけどスーパージュニアのファンの方は、メンバーの一挙手一動を笑いのネタに変える。その活動が、とてもポジティブで大好き。

ちなみに韓国アイドル熱愛が出るたび、以前はキム・ヒチョルの発言がよく取り上げられていた。「ファンたちは、こんなに尽くしてくれるのに公開恋愛なんて出来るわけがない」みたいなやつ。だけど同時「僕にいいものをあげようとしなくていい。それより自分によくしてあげて。無理をして作られる関係はいつか終わってしまう。互いに幸せでいられるほうが嬉しい」的な発言もしている。対人間としてファンを扱ってるからこそ、そこの間にある感情論が少し成熟したものに感じたりする。

大好きな人に恋人ができてしまった。それはとても悲しいことであったりもすると思う。だけどそれすら超えてファンでいられるなんて、それは間違いなく、愛ですよね。いろんな葛藤の上で成り立つ愛の形が、儚くも美しいと思う。やっぱり私は、ファンのファンだ。これからも入学と卒業を繰り返す方々の動向を、愛を持ってチェックしていきたいと思う。

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