数学ダージリン(毎週ショートショートnote)
とぽぽ…ぽ。温かくて、ほ。豊かな香り。研究者たちが急ぐ朝。
今は.ダージリンが、流行るかも.と言う、数学者たち。数学ダージリンを、最高に仕上げる日課。部屋にこもると、数字の羅列がみえる。ポット、ああ、感じる、円周率の温かみを。風が通り、ティーバック、おお、持ち上がった。
こすって、落とす。そして、カップを今蒸らす。円周率、もや、これが出たなら、間違いなく成功かな。張り詰めた…ふう、やっと気分がよく、朝を迎えられるな。成功した。
あ、完全に忘れていたが、蒸れた円周率は、か、書いとかんと!ドタバタドタバタと、ノート、ペンを奥から出して、消える直前に書けた。はああ、もう少しだった。あと数字を、1…万個ぐらい?集めなきゃだめだ。ああ…ゆっくり溜めようか。計算は知らない。それから、このダージリンは朝、朝だけが、許される。
お天道様が、登る前のこの魔法が、そう、癒しだ…あったかいお茶、このダージリンが、ね、いつも頑張る、楽しみだ…
この円周率は、そう、ずうっと続くんだ。例え春夏秋冬、梅雨…宇宙の果てまでも、変わることはないさ。そんな宇宙の神秘を、数学ダージリンで、そっと覗くの、ほら………
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温かなダージリンの注がれる中、円周率の息遣いが感じられるショートショートができました。