彗星

「彗星」 読書、宇宙が好きな学生です。色々な物語や文章を投稿したいと思っています。 よ…

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「彗星」 読書、宇宙が好きな学生です。色々な物語や文章を投稿したいと思っています。 よろしくお願いします。

マガジン

  • タイムトラベル考察!

    タイムトラベルは本当に実現できるのか。気になったので、自主的に始めた全く自由な自由研究で考察、実験(想像ですが)してみます。

  • 異世界の島(連載小説)

    「異世界の島」長くなると思います。 これは4人の登場人物がとある島で作り出した物語。 ぜひ、最後までお付き合いください。

最近の記事

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名も知れない誰かに捧ぐ物語

彗星です。いつか気づいてほしいから。 明るい星の下、二人は向き合っていた。 銃を持った女の周りには無機質に、白く弾性のある個体が散らばっている。 「殺されたくないのか。」 女が冷たく問うと、女は同じ冷たさの笑みを返した。 「どうってことないわ」 楽しかった頃もあった。何も考えず、沢山の人と触れ合い、この幸せがずっと続くと思っていた。 でも違った。彼女は去り、探した女は変化があることを知った。それは彼女も同じだっただろう。会いたいという気持ちが消える頃、彼女は帰ってきた。探し

    • 猫缶。(掌編小説)

      彗星です。掌編小説を投稿します。 猫犬は癒し。 カタカタ…という音に振り向くと、ポツンと、スーパーの端っこに小さな缶詰が置いてあった。丁寧にラベルが貼られている。 『スーパー猫缶 〜最高級のごほうび〜』 僕は猫を飼ってないけど、手にとっていた。 「…たまには猫の気持ちになってみようか。」 家に帰ってビニール袋を覗いたら、缶の蓋が空いていた。 「あれっ?」 後ろからのしかかっているのが、缶から脱走した猫だと気づくのに数分かかった。

      • 人間だったという話。

        こんにちは、彗星です。これはただ、普段の生活で少し考えたことをどこで吐き出すべきかなぁと考えて、ここに出しただけです。強いていうなら人間は変化するっていうのがわかる話ですね。(多分内容が病んでます) 人間って面白い。たった三年でこんなに変わっちゃうのです。 物語を書くのは好きだからずっと続けています。だけどその物語だって、いつのまにか書く人が変わったみたいに似つかない話になってしまいました。 いつまでもお花畑の頭じゃやっていけませんよね。今は気が狂ったように何かを探してる感

        • カノンアート 第一話

          〈ある世界のある大きな町にて。〉 当時、まだ幼い少女が、その世界では1番大きいだろう町に住んでいた。その町はレンガでできている建物が並ぶとても綺麗な街並みで、ごくたまに訪れる者たちは皆息を飲んで言った。 「なんて美しいんだ。仕方ない、お願いです。私にもこの式の創り方を教えて下さい。」 空には美しい獣が飛んでいて、直視できないほどの煌びやかな神淵、と呼ばれる光がその星を照らしていた。繊細な魔法の式と、真似の出来ないような地面の、なんとも言えない模様は、この町の自慢でもあった。

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        名も知れない誰かに捧ぐ物語

        マガジン

        • タイムトラベル考察!
          2本
        • 異世界の島(連載小説)
          16本

        記事

          カノンアート 第十四話(最終話)

          〈終わりと始まり〉 カノンは大規模魔法を唱え始めた。 これは私のアートだ。ずっと表したかったのはこれまでの気持ち。世界はこんなに広く、美しく、醜かったのか。カノンはマーテの言葉を思い出した。 『俺は見るに耐えない人間だ』 いつのまにか伸びている身長を見てカノンは微笑む。そんなことはなかった。人間らしく成長する、可愛い少年だった。 大規模魔法は大きく唸って暴れている。何しろ範囲が広過ぎる!想像して操ることは到底できない。 「マーテ、助けて…」 マーテの魔法が加わった。横を見ると

          カノンアート 第十四話(最終話)

          カノンアート 第十三話

          〈truth〉 「カノン?カノンじゃないか!心配していたぞ!コン!コーン!」 カノンが遠慮がちに家の扉を叩くと、バジルが目を見開いて迎えた。 「おかえりなさい、カノン、マーテ。今からハーブティーでも飲んで、休んだら?」 コンが何かを隠すように微笑む。カノンは聞いた。 「何かあったの?」 すると、バジルとコンは目を見合わせ、少し困ったように眉を寄せた後、二人を向いた。 「最近、あの影が沢山出るようになったんだ。死人も出てる。」 「え。」 バジルはゆっくり息を吸い込んだ。下を向

          カノンアート 第十三話

          カノンアート 第十二話

          〈本に記されし鍵 後半〉 すでにオリオンの面の季節はキアへと向かっていた。家のハーブは無事収穫できているだろうか。カノンはそんなことを考えながら、グローブの中でスパイスの本を取り出す。最近の日記は新しくできた彼氏のことばかりを話していて、何ら繋がる事がない。惚気は可愛いんだけれど…先読みできないかな…いちいち魔法にかかるから進みが遅いんだよな… そんな先祖に失礼なことを考えながら、カノンは数日前のことを思い返す。 あの時マーテは、「スコルピオスの面」へいくべきだと主張した。

          カノンアート 第十二話

          カノンアート 第十一話

          〈本に記されし鍵 前半〉 「やっと、やっと着いた…」 二人はスカイに乗って空をひとっ飛びし、途中空を飛ぶ鳥たちにぶつかったりもしたが、ワールドの木の手前に来ることができた。 「この鳥居は。」 マーテがスカイから滑り降りて口を開く。 「木を守る結界なんだろうね。」 と、スカイが鳥居の横から入ろうとした。その瞬間、弾かれるようにしてスカイはぶっ飛んだ。前に黒い人影が見える。 「あれれぇ。何しにきたの」 鳥居の内側から現れたのは、やはりあの男だった。だが、若干様子がいつもと違うの

          カノンアート 第十一話

          カノンアート 第十話

          〈赤色の憂い 後半〉 そうしてあっという間に日が過ぎ、途中で出た影も一瞬で消し去って、アートを船長らに渡したカノンたちは船から降りることになる。地面はない。チャンスは一度、星の端に船は浮かんでいる。どこまでも広がる海を眺めて二人と1匹はゆっくりと足を境界線に触れさせた。 「ありがとうございました。では。」 『うつれ』 大きく、その言葉を口にすると、なんともいえない浮遊感が彼らを襲い、目を瞑ると、ゾクっとした冷気とその暗さがカノンを迎えた。 目を開くと、どこまで続いているのか

          カノンアート 第十話

          カノンアート 第九話

          〈赤色の憂い 中間〉 「ダイズさん!スカイをありがとうございました。これから私たちは船に乗ります。」 「そうか。空は飛んでいかないのかい?」 「ええ、知らないのか?他の面に移る時、その境で地に足をつけ、魔法を唱えなければ、ずっと同じ面の重力を受け続けてしまうから空を飛んで行ってはいけないことを!これをもし失敗すればあるのは宇宙の空間だけ。」 「いや、冗談だって。あたしだってそれぐらい知っているよ。マーテ解説ありがと」 ひとしきり笑い、二人と1匹はダイズに別れを告げた。スカイ

          カノンアート 第九話

          カノンアート 第八話

          〈赤色の憂い 前半〉 段々と地面が近づいてきた。空気の流れがゆっくりになるのを感じながら、海岸沿いにある白く大きい町の、すぐ近くにカノンたちは降り立った。 「はあ。やっとついたね。毎日飛んでばかりで疲れた。」 「やっと高所から逃れられる…」 睡眠や食事のために何度か降り立つことはあったが、基本的に彼女たちは空を飛んで、とにかく早く着くように願いながら寒い中を耐えていた。影に遭遇することも多かったが、大方一発で倒せるようになっていた。 今荷物の中に潜んでいる二冊の本も、鳥と出

          カノンアート 第八話

          カノンアート 第七話

          〈本当の旅 後半〉 「ヒョー、ヒョー」 とかいう声が朝の第一声だった。 寝ぼけ眼で外に出ると、あのワニ鳥が大きく成長しているのが見えた。落ちている卵を拾い、カノンは密閉されているはずの、銀色の缶を取り出す。表面にはずっと風が渦巻いている。 カチッ。カノンが風と反対の風を魔法で流すと、ロックが解除されて中が開いた。 「パンがあったー!」 カノンは大声で叫ぶ。あまりに大声で叫んだので、何やら様子を見にきていたらしい他の鳥が、バサバサと飛んでいく。 最近、パンを入れたはずなのに、

          カノンアート 第七話

          カノンアート 第六話

          〈本当の旅 前半〉 町を出たカノン達は考えていた。と言うのも、この『オリオンの面』はとても広大で、端から端まで普通に歩いていれば優に4年はかかる。 この星は、神々が住むと言われる神淵の方向から見ると、三角錐を逆さにしたような見た目で、一つの宝石のように煌めいている。一つ一つの面でもその土地の特性は違い、それを遠くから見るとまるで一つの芸術のように見えてくるのだが、その中でも1番大きい面である正方形のような形のオリオンの面は、大きな湖が真ん中に盛り上がっており、アートの町はそ

          カノンアート 第六話

          カノンアート 第五話

          〈手に入るようで入らないモノ 後半〉 カノンは朝起きたとき、自分がどこにいたのか一瞬わからなかった。たび…旅の準備…じゃなくて。天井を見上げると、魔法を覚えたてのころに頑張って作った綺麗な氷の電球が下がっている。 「もう、15歳か…」 カノンは起き上がり、階段を降りていった。重厚な作りの壁が、手のひらに冷たさを伝えてくる。 ふと前を見ると、マーテが立っていた。マーテは少し顔を背けながら、 「おめでとう。」 と言った。カノンはマーテの顔を覗きこもうとしたが、避けられる。カノン

          カノンアート 第五話

          カノンアート 第四話

          〈手に入るようで入らないモノ 前半〉 静かな場所で1人、魔法の鍛錬をしている。 私は、14歳になった。 それまでに、あの時に一緒にいた、賢者と呼ばれる人から沢山のことを学んだんだ。 私が6歳だった頃、神がお告げを出したことによって、町の人たちのざわめきは星の遠くにも伝わり、沢山の人がこの町にやってきていた。その人たちは何故か…みんな若く見えて…。 『どうして、歳をとった人たちはこないの?』 無邪気に訊ねると、賢者は顎をさすってひとしきり唸ったあと、私たちにあることを教えてく

          カノンアート 第四話

          カノンアート 第三話

          〈幼心に響くのは 後半〉 「?」 カノンが瞬きをする合間に魔法をかけられ、氷となり、黒いダイヤで作られた灼熱のワープマジックを通り抜けた。そこは図書館のように暗めではあるが、時々木洩れ陽が射す明るい場所だった。幼いカノンの頭では理解できなかったようで、一瞬また固まったように見えた。だが、あたりを見回すと、見覚えのある景色が広がっていることに気づいた。青い葉の香り。耳をくすぐるようにそよぐ風。そしてとても立派な巨木が広がっているそこは、町の裏側の神社の広大な境内であった。カノ

          カノンアート 第三話