カノンアート 第十四話(最終話)
〈終わりと始まり〉
カノンは大規模魔法を唱え始めた。
これは私のアートだ。ずっと表したかったのはこれまでの気持ち。世界はこんなに広く、美しく、醜かったのか。カノンはマーテの言葉を思い出した。
『俺は見るに耐えない人間だ』
いつのまにか伸びている身長を見てカノンは微笑む。そんなことはなかった。人間らしく成長する、可愛い少年だった。
大規模魔法は大きく唸って暴れている。何しろ範囲が広過ぎる!想像して操ることは到底できない。
「マーテ、助けて…」
マーテの魔法が加わった。横を見ると