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#161いきものコレクションアプリ「Biome(バイオーム)」も使ってみた(1)

 これまでに「#043AIに古文書は読めるのか?」、「#046どうすれば古文書が読めるようになるのかー続・AIに古文書は読めるのか?」、「#048くずし字判読AIはどのように作られているのか?ー続々AIに古文書は読めるのか?」、「#139AIに古文書は読めるのか? 続報」、「#140”みを”対”ふみのは”ーAI頂上決戦?!ー」、と何度か古文書判読ソフトについて述べましたが、AIで判別するソフトということに関連して、今回は「Biome(バイオーム)」を使用してみた感想などを述べたいと思います。

 「バイオーム」は、株式会社バイオームが制作した無料のソフトで、携帯電話やタブレット端末にインストールして使用し、カメラで撮影した動植物を、名前の判別を行ったり、撮った写真のコレクションなどが出来るソフトです。公式HPには「国内ほぼ全種に対応した図鑑・いきもの名前判定AIを搭載。クエスト、マップ、マイコレクションなどいきものを楽しみつくすアプリです。」とあります。

 筆者も実際にタブレット端末にインストールして使用してみました。「国内ほぼ全種に対応した図鑑・いきもの名前判定AIを搭載。」とあるため、動植物に詳しくない筆者にも、見たことはあるけれども名前も知らない動植物のことを知れるのか、と期待しながら使用してみました。

シダ植物を撮影。名前の同定が出来ませんでした。

 手近にあったシダ植物を撮影し、「植物のなかま」のボタンを押して同定を試してみたのですが、「名前判定失敗」とメッセージが出ました。使い方が悪かったのかもしれないので、いくつか他の植物でも試してみましたが、なかなかうまく判別してくれません。やっと判別できた画面がこちらです。

アセビを撮影して出た判別結果。

 手近にあった「アセビ」を撮影してみて、やっと判別結果が出ました。判別結果としては、「アセビ」、「ヒラドツツジ」、「ウスギヨウラク」などなど八種類以上の候補が出てきました。つまり、撮影した結果で答えを教えてくれるソフトではなく、「これじゃないですか?」と「提案してくれる」ソフトだということが判りました。試みに「ヒサカキ」で再度試してみた結果の写真が下記のものです。

ヒサカキを判別に掛けたところ。

 このソフトを使用して正しく判別するには、動植物の知識がないと、候補個から正しい答えを導き出すことが出来ないということが判ります。上記二つの写真では、筆者はアセビやヒサカキだと判って写真を撮影しているので、挙げられた候補から正しいものを選ぶことが出来ますが、もし、ソフトの使用者が全く知らない動植物をこのソフトで判別に掛けた場合には、必ずしも正しい答えを得ることが出来る訳では無いようだということが判ります。また、対象とする動植物を正しくソフトが認識するためには、対象に近からず、遠からずの距離を要するようです。このコツをつかむのがなかなか難しいです。

 今回はここまでとして、次回は

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