suikou︰水香

俳人であった曾祖父の雨路︰suikou︰uroより名を借り2代目スイコウ︰水香。水のよ…

suikou︰水香

俳人であった曾祖父の雨路︰suikou︰uroより名を借り2代目スイコウ︰水香。水のように透明で香り立つような表現をしていきたい。2児の母。

最近の記事

夕空

夕空が美しいのは どうしてだろう 誰かに教えたい空は 風に流れて雲は消えて わたしの心にいつまでも消えない 流れる雲を 追いかけていたら 薄く溶けて 細く透けて 明日の方角に出掛けていく 遠く、遥か 未来の昔の今日へ 続く雲に ありがとうを。言う 腕にとまった蝶々も 足元におちた紅葉も 帰り道の夕焼けも 君の仕業だと わたしは知っている 空に書いた手紙は食べた ことばの書いていない 手紙の文字は 懐かしい味もした その手紙に こう書いてある 今、目の前に座

    • 今日はAに居る いつもは AからBに行きCに行くことばかりを 優先してしまう だから今日は ずっとAにいると決めた Aを味わう Aに居て どこから風が吹いて 声が聴こえるかを聴く Aに居る Aといる Aのところに座って ゆっくりお茶を飲む 気づく頃には Aから離れていたりして 身体だけがAといたり 心だけがAという場所に 飛んでいたりする 見えない身体 見えないココロ それぞれに別の場所にいたりする そこにいることや ここにいるということ

      • chill︰満ㇽ

        心の中の真ん中の所で otoと居る 紡ぎ繋がり目を覚ます 湧き出してくる わたしのところまで そういうところ 今日は好きなことばかりをしよう 眠るなら眠ろう 自分の真ん中といて 自分の真ん中と話す 肩の力を抜く 心の中のはりつめた なにもかもを抜いていく シュウッと 音がして 焦げくさい匂いもした 一呼吸をしたあとに 少しばかり 疲れていたことをしる 踊るような 一枚の絵がかけて ことばがその上を歩く 音でそれを包み込む 側でお茶を淹れて サモサを食べて 演奏は

        • わたしのねがい

          橙〈だいだい〉色のわたしのゆめ わたしのねがい ねがいに張り付く 黒色のもよう それもわたしの願いの友達 桃色のわたしのゆめ わたしのねがい 願いと一緒に歩くのは 黒色のもよう 一緒にいていいよ 一緒に願いを叶えよう ワタシノネガイは、橙色の桃色の隣に、 可愛い黒色のもようが、くっついていて その全部でゆめを叶えていく とけて、かさなって、くっついて、 ゆめを叶えていく ワタシノネガイ、コノネガイ、 トケテカギマゼテ、叶っていく

          沢山と少し

          余るほどに沢山あるものを 半分個にしようとして わける あなたに あなたに あなたに あなたに 渡して溢れる 空の器は ただの容れ物になる その器には 空気がはいっている 見えないご馳走として 沢山と少しを 見比べては 足りないといい 多すぎるといい 自分以外の誰かを 羨ましいと俯く そこへ誰かがやってきて 空の器の中にあるものを 吸い込んで 美味しかったという わたしには 見えなくて その人には見える 空の器の中身を じっと眺めてみる カランカランと ビー玉のよう

          春に鳴る音

          はるになるおとが 聴こえるかい ねがいいのる そのおとが届いたかい

          つぼみふくらみはなさくように

          ガラクタという名前の宝物を抱えて 君に逢いに行く 星の王子さまの キツネのように 君と友達になりたくて 長い長い手紙を君の前で読む 月が膨らむように 蕾が膨らむように ゆっくりいこうと 君がいう 歩くようなはやさで ボートを漕ぐようなはやさで

          つぼみふくらみはなさくように

          わたし模様

          点点と 落とされていく 雫 どこに 落ちるのか 落とすのか 悩みながら落ちて わたしは、はじめから 何色になりたかったかなんて 考えもせずに 落ちて 赤で落ちて 青に混ざり 紫になることもあり 思いもよらぬ 姿になり泣いて 押されて潰されて また違う色となる 赤でいたくても 隣の誰かに押されて 深い黒になって じわりじわりと 溶けて 混ざり合っていく 次第に色は重なり 歳を重ね 貫禄などをつけて 羽根をつけて 綿をまとって 厚みを増し 増しましまし まだ増しな自分

          流︰る。るるる

          る、るるる 今の上に立ち 明日に向かって流れ行く ひとつ またひとつと産まれていく物語は 目の前を通り過ぎる 出来事の記録 流れる今日の上に立ち る、るるる

          流︰る。るるる

          呼応する部屋

          音は鳴る 語りかけるように 今日という一日を 伝える手段として その部屋に 一人また 一人と集まってきて それを受け取る この部屋で起きたことを その一部始終を そこにいる みんなで味わい尽くす 音の中に感情を探す 目を閉じて 心に聴く 今、自分のお腹と話せたかもしれない  鳥を描いた女の子 一羽描いて その紙を畳んで持ち帰った その姿が美しかった あの鳥はそこにいたし あの子はそこにいた 音の中で日々は 紡がれていく 流れていくものの中に 小さな物語は 数え切れ

          呼応する部屋

          止まり木で鳥は鳴くそして再び飛ぶ

          わたしは、この数年間 歌っていたんじゃなくて 膿をだしていたんだと思う 思春期〜成年期の頃に溜めた 痛みとか悲しさとか 言葉にならなかったものを 一枚ずつ剥いでいき かさぶたも膿も出て ようやく自由になれた 自分の姿を思い出して 自分の言葉を取り戻した それで、そのわたしで歌うんだ もう、苦しくないし 悲しくない 創造の歌をようやく歌うんだ 自分のために 地球のために 歌うんだ 聴いておくれ

          止まり木で鳥は鳴くそして再び飛ぶ

          あの頃わたしたちは︰再会     

          あの頃わたしたちは わたしはわたしの あなたはあなたの ことをことばかりをかんがえていた あの頃わたしは あなたの辛さには無頓着で 自分の荷物の整理と 点検ばかりをしていた あの頃あなたは わたしの悲しみには無頓着で 言い訳ばかりをくれた もう隣には座れないことを 寂しく思ったりもした わたしがおばあちゃんになって あなたもおばあちゃんになったら 縁側でお茶を飲もうと約束したのに それが叶わないことを 寂しく思ったりもした 時流て サクラミドリ モミジチリユキハフリ

          あの頃わたしたちは︰再会     

          手紙︰蕾膨らみ花咲くように

          移りゆく季節の椅子に座り 春の風の行方を追う 胸の奥のさらさらとした気持ちと ザラリザラリと鳴る砂音が 反比例して響き合う すいと 立ち上がり 肩にかかった砂を払う 太陽が目印の方角へ 手紙をおくる 月満ちかけて 15をカウントし なくしては、さがし きえては、うかぶ 12の月 時を待ち 桜の蕾は弥生卯月に ふくらみひらく そのことを忘れないように  深呼吸をひとつだけする 郵便受けがコトリと音をたてる

          手紙︰蕾膨らみ花咲くように

          たいせつなこと

          よりよく変わりたいと はなすときに 自分はこの自分だから 素敵なのだと 忘れずにありたい そう想っていたい矛盾と この自分で生きていく自分と そんな自分を理解して 支えたい自分と いくつもの分解した いくつもの自分と 今、ここにいる

          たいせつなこと

          マドマドノソト ココニイル、ワタシ マドノソトノケシキ いつもの山と 新しい雲が見える窓辺に 朝が来て夜が来る 鳥が飛び、鳥が鳴く その鳥の声は 窓からは聴こえない カワラナイノダロウカ カワッテイケルノダロウカ 昨日と今日は少しでも違うだろうか マドマドノソト マドノナカワタシ この椅子に座り私は いつものようにその音を聴く 電動ストーブがカチカチと 鳴る音を あなたの足音を あなた達の話し声を 耳元に寄せる音よ 食べ物のように 耳の中に入るその声は オトヨ シズケ

          至りたい自分に

          扉がたくさんついている部屋に 一人きりではいって どこからでもでられるのに でられなくなっていて 苦しくなっているときに 自分の未熟さと至らなさをおもう 赤色のドアも素敵で 青色の扉も魅力的で 白色の鍵だけを持っていて 黒色の椅子に座りひとり考える わたしは昨日 沢山間違えて 沢山違うものを選んだ気もして でも、本当の正解は 本当はあるのかなと我に返る わたしが選んだものは わたしの正解で 別の誰かの選んだものは 別の誰かの正解だったというだけで ただ正解と正解が並んでい

          至りたい自分に