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面接官の信頼関係構築力を上げて内定承諾率を上げよう!

こんにちは!普段は名古屋でフリーランス人事をしている「すごい人事(※)」情報局のゆいです。

採用難易度が上がっている昨今、応募はしてもらえたけど内定承諾してもらえないという嘆きを聞くことが多くなりました。
数ある企業の中で自社を選んでもらうためには、今までと同じやり方では通用しなくなってきています。

今回は、面接官が実践できる「応募者との信頼関係構築」をするための方法を、キャリアコンサルタントの私が伝授します!

※すごい人事…「採用トレンド」を理解し「アジャイルな(変化に対応できる)組織づくり」ができるVUCA時代の引っ張りだこ人事!

【このシリーズを読んでほしい人!】
・内定承諾率を上げたい人事、面接官の方
・応募者と信頼関係構築するスキルを身に着けたい人事、面接官の方
・「いい人」が集まる採用の仕組みをつくりたい経営者、人事担当の方
・「本質的な採用活動」の仕組み作りをしたい人事担当の方

【このシリーズを読むことでのベネフィット】
・信頼関係構築のための基本的姿勢がわかる
・候補者の志望度を高めて内定承諾に繋げることができる
・採用活動の質が向上し、選考遷移率等の改善に役立つ

面接官NG態度

まずは、基本中の基本ですが、面接官が取ってはいけない対応についてお伝えします。なぜかと言うと、応募者アンケートを見るとまだまだNG対応をしていることが見受けられたからです。

「転職活動の面接を辞退したことがある」と回答した方へ伺います。辞退を決めた理由は何ですか? (複数回答可)

エン・ジャパン『7,200人が回答!「面接辞退」実態調査』(2022/01/07)

当たり前を抑えておく+入社確度を上げるための対応が、内定承諾に繋がります。
なお、「ネット上の良くないウワサ」「他社比較」「自信がなくなった」「面接に行くのが面倒」については、応募者との信頼関係構築をすることで減らすことができます。

面接官対応の基本のき①:面接でタブーな質問を把握する

厚生労働省が発表している「公正な採用選考の基本」で、選考時に尋ねてはいけない質問についてまとめてあります。

ご両親が自営業なのか、被差別集落に住んでいないかなど、質問してしまった面接官を見聞きしたことがありますが、絶対ダメですので見かけたら注意してください。
ただし、リモートワークが可能かどうかを確認するために、場所が確保できるかや照明・インターネット環境の状況について質問することは、本人の努力で変えられるため違反にはならないです。

尊敬する歴史上の人物や普段読む本について、場の空気を和ませようと質問することがあるかもしれませんが、面接では聞かない方がベターです。

注意してもらいたいのはLGBTに関する質問です。
LGBTは職業上の能力や人間性には関係ありませんので、面接時に質問をしてはいけません。結婚観や男らしさ・女らしさについて、ついつい押し付けた表現をしてしまうことがあるかもしれませんので、それも要注意してください。
応募者からカミングアウトがあった場合は、本人の同意なしに第三者に公表しないようにしてください。治療状況やトイレの使用等については、面接時ではなく後日面談でお話することをオススメします。

面接官対応の基本のき②:NG態度

応募者の話を真剣に聞こうとして普段の癖が出てしまっているかもしれません。私が見聞きした圧迫面接(に見える)態度を書き出しますので、当てはまっていないか確認してください。

● 身なりに清潔感がない(髪の毛がボサボサ、髭が無造作に生えている等)
● 上から目線(若者に教えてやろうという態度等)
● 腕組み・肘をつく(考え事していると出やすいよう)
● 目を合わせない(書類やPCばかり見てしまっている)
● 問い詰める
● 応募者の言葉を全否定

自分では気付きにくいこともあるので、同席した面接官にフィードバックをもらうといいですね!

面接官が応募者と関係構築をする方法

面接で応募者に会社の魅力付けをするためには、前提として基本的な関係構築が必要です。

モラル・マナーは前項を参考にしていただき、本項では「心理的安全性」を上げる方法をお伝えします。ただし、ご紹介した方法を実施すれば必ず心理的安全性が上がるというものではなく一助になるだけです。応募者とのコミュニケーションの積み重ねが大事ということを心に留めていただけるとうれしいです。

言語コミュニケーション

良いコミュニケーションの中で、いくつか私が実践しているものがあるのでご紹介します。

【面接官自身がリラックスする手段をもつ】
面接官の緊張は応募者にも伝播します。まずは自分が緊張しないためのルーティンを作るといいと思います。
私の場合は、緊張しているときは素直に「緊張してます!」と言ってしまいます。応募者がクスッと笑ってくれたら打ち解けるきっかけになります。他には、あえて応募者が準備したであろう「自己紹介」をしてもらいます。準備しているので答えやすいですし、自己紹介に関連した雑談をして場を和ませます。

【名前を呼びながら質問をする】
名前を呼んだ方が「あなたに話しかけているよ」という表現になります。質問をするときだけでなく、あいづちや共感をするときも名前を呼ぶように心がけています。「○○さんはそう思ったのですね」という感じです。

【あいづちを打つなど反応する】
応募者が質問に答えているときに面接官が無言で下を向いていたらかなり不安に感じます。面接は会話なので、普段の会話と同様に声なり身振り手振りなりであいづちをしてほしいです。

【応募者に面接のお礼をしっかりと伝える】
面接の時間を調整していただき、お話する時間をいただいたので、面接の感触に関わらずお礼をお伝えしています。形式的にならないように気持ちを込めてお礼を伝えてみてください。

非言語コミュニケーション

オンライン面接で複数人面接官がいる場合、ミュートにしなければならなかったり(本当は全員声アリがいいです)、自分が映っている画面が小さくて「見られている」意識が薄くなり非言語の反応が薄くなりがちです。

オンラインでは、反応はオーバー気味にやらないと伝わらないかもしれません。私はワイプ芸を意識して、身振り手振りも画面に収まるようにしています。

カメラの位置とライトにも注意をしてください。下からアングルで暗めですと威圧感があって怖いです。窓際の席で逆光になって怖かった面接官も見たことがあります。

アクティブリスニング

キャリアコンサルタントが面談をする際に使う技法で「アクティブリスニング(傾聴)」というものがあります。
主には「うなづく・あいづちを打つ・オウム返しをする」を行います。うなづく・あいづちは前でお伝えした通りですが、オウム返しも心理的安全性を上げるために有効な手段です。

応募者A:もっと自分のスキルを高めたいと思い応募いたしました。
面接官:なるほど、Aさんはスキルを高めたいと思い弊社にご応募いただいたのですね。
応募者A:はい。○○というスキルを高めるために御社で××という経験を積んでいきたいと考えております。

という感じです。
応募者の言葉の一部分だけを切り取るオウム返しだけでなく、話全体をまとめる「要約」も使うことがあります。応募者が話が長くなってしまったときに、要約をして話の筋を応募者に確認します。
どちらも「話を聞いてくれてる」アピールができるので心理的安全性を上げることができます。

おまけ:面接の前に面談ができるとなおよし

面接時に全員が初めまして状態より、事前に話ができていると安心感を与えることができます。なるべく面接前に面談という形でざっくばらんに話す機会があると心理的安全性を上げやすくなります。

面談については次の記事を参考にしてください!

求職者体験を上げる=採用力UP

小さなコミュニケーションの積み重ねが、面接官と応募者との信頼関係を構築することになり、内定承諾に繋がっていきます。
信頼関係を構築するためには圧迫面接・横柄な態度がNGなのは当たり前です。面接官も応募者に評価されていることを忘れてはいけないです。

求職者が企業を認知してから入社するまでの体験(=求職者体験(採用CX))をより良くしていくことは、採用力が上がるだけでなく自社独自の強みの発見・強化に繋がります

今回お伝えした内容を実施してもらい、心理的安全性が上がった状態で魅力付けをしていけば、お互いに納得度の高い採用をすることができると思います!

今回ご説明に使用した画像はスライドとしてまとめております。ご興味がある方は下記よりお取り寄せください。

ここまで読んでいただきありがとうございました!

ライター:西田ゆい名古屋の老舗企業とベンチャー企業で人事を経験後、独立してフリーランスの人事になる。現在は5~6社に入り、採用・労務・組織開発など幅広い業務を担当している。「誰もが楽しく働ける社会へ」を個人ミッションとして日々邁進中。

「すごい人事」情報局運営元:株式会社Crepe
Crepeでは、ESG観点からみた人的資本における企業価値向上支援を行っています。具体的には、採用CX(候補者体験)向上ための採用戦略コンサルティング、採用ストーリーブック制作、研修トレーニング、EX(従業員体験)向上のための組織コンサルティング、エンゲージメント向上 HRtech「ミライチズ」などを通して、より良い個人と企業の関係の質向上支援を行っています。
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