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【EXな1on1シリーズ ♯1】実施の共通認識が最重要!

0.はじめに

初めまして!<Well-being>トレンド情報局の山越と申します!

<Well-being>トレンド情報局では、
「働く人が幸せになる組織づくりをしたい」
「一緒に働く人を幸せにしたい」
そのような想いを持った経営者、人事ご担当、マネージャーや管理者の方に向けて、ウェルビーイングな取組みやノウハウを発信しています。

例えば・・・
・CX(候補者体験)
・EX(従業員体験)
・ES(従業員満足)
・EH(従業員幸福)
・SDGs 目標8「働きがいも 経済成長も」
・ISO 30414「人的資本」
・ESG投資
・組織の成功循環モデル
 など
昨今の情勢に合わせて、上記に関わる最新のトレンドもご案内していきますので、どうぞお楽しみに〜♪

記念すべき投稿初回は・・・
EX(従業員体験)に深く関わる1on1についてご紹介させていただきます!



1.どのような「認識」で1on1に取り組んでいますか?

1on1について、どのような「認識」を持って「運用」していますか?

「うちの会社ではエンゲージメント向上のため積極的に導入、運用している」
「テレワーク (リモートワーク)になって会社でとりあえず導入したものの、効果のほどがわからない」
「オンラインでのコミュニケーションが増え、より必要性は感じているもののメンバーと一体何を話せばいいのかわからない」
「導入してみたものの、運用が形骸化している」
「評価面談との違いがよくわかっていない」

最近は、メンター(多くはマネージャー・上司・管理者)とメンティー(メンバー・部下)との対話を促す機会、エンゲージメント向上施策の一環として、1on1を導入する企業が増えてきています。
と同時に、1on1に対する「認識」も上記のように三者三様だなと感じます。
特に、「とりあえず1on1やってるけど、これでやり方合ってるのかな?」ともやもやした気持ちを抱えている方も多いのではないでしょうか?

今回はそんな疑問を解消すべく!
「EX(従業員体験)をあげる1on1」のために何をしたら良いのか?
を全4回に分けてお伝えできればと思っています。


【~EX(従業員体験)をあげる組織開発 ~1on1シリーズ】

1:実施の目的認識が最重要!  ※今回はコチラ!
♯2:「業務」に関する質問例
♯3:「個人」に関する質問例
♯4:「組織」に関する質問例


【このシリーズを読んでほしい人】
・「人的資本」の考え方からEX(従業員体験)の向上を模索する経営者の方
・1on1を導入しているものの、目的に沿った運用ができているのかわからない人事担当の方
・エンゲージメント向上やEX(従業員体験)向上施策として1on1の有効活用を模索する人事担当の方
・1on1を実施しているが、メンバーとの関係に悩んでいるマネージャーの方

【このシリーズを読むことでのベネフィット】
・より効果的な1on1の取り組み姿勢を知ることができる
・来週の1on1からすぐ実践できる
・メンバーとのコミュニケーションが円滑になり、エンゲージメント向上に役立つ(関係の質(※1)向上)

※1 組織の成功循環モデルにおける「関係の質」について知りたい方はこちら



2.1on1は「目的」の「共通理解」が最重要

 1on1とは、メンター(マネージャー・上司・管理者)とメンティー(メンバー・部下)との間で設けた1対1の「対話」のことを指します。

 「1on1って業績面談とは違うの?」という声もよく耳にしますが、
✔︎話し手はマネージャーではなくメンバーであること
✔︎話す内容が業績や成績ではなく、人となりや考え方といった定性面が中心になること
が大きく異なります。

「この会社での自分の役割」をしっかり認識してもらい、やりがいと成長実感を持って、定着・活躍してもらいキャリア自律を叶える循環をつくる。

 そのような意識で1on1でのアプローチを行うことは、外的環境の変化や人材獲得競争の激しい昨今、EX(従業員体験)をあげる1つの重要なファクターとなるのです。

そのため、相互の目的理解が非常に重要になります。
具体的な実施目的を見ていきましょう。


①経験学習を通じてメンバーの成長を促す場
 1on1では「メンバー自身の成長を促す場」としての共通理解を持って、メンバーと目線合わせをしていく必要があります。マネージャーは、メンバー自身が役割を考えながら目標を立て、その目標をもとにアクションしてもらい、結果を振り返りながら次の目標や行動を決めていく「経験学習」を促すスキルが必要になってきます。
 そうすることで「主体的に自分の状況を報告」してもらえるような循環をつくっていき、1on1を重ねるごとに「経験学習」のサイクル機能するようになり、メンバーの成長促進へとつながります。

②「関係の質」向上(=相互理解)の場
 業務に追われてメンバーと落ち着いて話をする機会がなかったり、昨今のリモートワークの影響でオンライン上ではうまくコミュニケーションが取れないと感じている方も多いと思います。
1on1を導入すると、メンバーとマネージャーのコミュニケーションの機会が必然的に増え、1対1の会話を通して相手のことを理解するようになります。また、メンバーが抱える現状の課題や悩みに対して、マネージャーが傾聴することにより、自然と信頼関係が構築され、関係の質を高める効果ももたらします。

③キャリア開発を支援する場
 1on1を通してメンバー自身のありたい姿や将来のビジョンを描くことで、中長期的な目標をマネージャーと共に考えることができます。
メンバーの強みに即したキャリア開発を応援するだけでなく、それを実現するためのキャリアプランや異動希望などを確認することも可能ですし、適切な人材配置の手助けにもなります。また、その目的をしっかりメンバーに伝えることで、メンバーの主体的な関与も促すことができます。

④状況把握(課題の察知)の場
 目標に対するメンバー個人・チーム全体の進捗状況を把握し、振り返りを実施することで、メンバーがどういう状況に置かれ、何に悩み、どのようなアドバイスを求めているのかが察知できるようになります。
日々のコミュニケーションでは把握しきれない、メンバー個々の課題を認識することで、それぞれに見合った業務改善提案を行うことが出来ますし、解決策をともに考えることで経験学習(①)にもつながります。
また、人事との連携により、潜在的な組織課題を早期に発掘することができ、組織全体の活性化や、先手の人事戦略を打つことが可能になります。

⑤エンゲージメント向上の場
 上記4点の効果はもちろんのこと、メンバーが抱えている悩みへの理解や、それに向き合うマネージャーの人となりや会社の思いが伝わることで、「会社」と「個人のキャリア」が紐付いていきます。「この会社で仕事働く理由」が腹落ちすることによって、企業・組織とメンバーの間に信頼や愛着が生まれます。
結果、企業・組織全体に好循環が生まれるきっかけになり、定着率の改善をはじめとするエンゲージメント向上にもつながります。



3.1on1が重要視されるのはマネージャーの役割が変化したから?


 終身雇用や年功序列、新卒一斉入社などの過去の価値体系から、個人(メンバー)が成果を上げるために何をしなければならないかを問われる時代になりました。
 そのため、メンバーから「このマネージャーがいてくれたほうが自分のパフォーマンスは上がる」と認められる存在にもならないと、マネージャーとしての役割を果たすことにはなりません。
つまり、マネージャーの役割はメンバーをモチベートし、個人と組織の成果を最大化することが大きな役割へと変化しました。

正解が見えないVUCAと呼ばれる昨今では、言葉を交わす1on1のやり取りにより、お互いの最適解を見つけていくことが大切です。

対話によりメンバーの能力とやる気を引き出し、育成をする。
メンバー同士の関係性を強め、共通の利害と目標に向け方向性を合わせることで、個人と組織の成果を最大化する。
そのためにも、私たちは効果的な1on1を実施する必要があるのです。



4.1on1を実践するうえで大切なこと


【事前準備】
✔︎何のために実施するのか目的を明確(※2章で解説)にし、部下と共有する。

【実施頻度】
✔︎定期的に短時間で実施する(週1回×15〜30分間など)
※組織によって実施頻度や時間は様々ですが、月1回以上で実施している企業が多いようです!あまりにも期間が空くと効果が薄れてしまうので、これを期に実施頻度の見直しをしてみても良いかもしれません。

スクリーンショット 2021-06-15 16.52.15

d's JOURNAL編集部より


【1on1の接し方のポイント】
✔︎人事評価には直接影響しないことを明確に伝える。

✔︎メンバーのための時間であることを説明する
 あなたのための時間である、ということを明確に説明し、共通理解を持って対話にはいる。

✔︎話す割合は9:1の心構え
 
基本的にはマネージャーが聴き手に徹し、メンバーの話を傾聴する。

✔︎話してくれるまで「待つ」
 メンバーの学びが深まらないからといって、メンバーの言葉を先取りしたり、途中で遮り自分の考えを話したりすることはしない。

✔︎否定する前に「なぜそう思うのか?」と問いを投げる
 否定から入ると、関係構築の点でも問題が生じる。またメンバーはマネージャーの指示を待つようになり、マネージャーへの依存になりやすくなる。
 ん?と思った場合にも、「なぜそう思うのか?」まずメンバーの意見に耳を傾けるための問いから入るよう心がける。

✔︎メンバーより先にマネージャーが道筋を示さない
 次の行動や問題の対処法については、あくまでも、メンバー自身が行動目標を考え、表現できるように話を聴いたり質問をしたりする。

5.1on1=相手と信頼関係(関係の質向上)を築けるチャンス

ここまで読んでいただいて、
「とはいえまだ相手との信頼関係が無いから1on1ができないなあ」
と感じられた方もいらっしゃると思います。


ですが、実施目的が「信頼関係をつくるために1on1を行う」でも構わないと思います。
実際私も、かつて勤めていた会社で大規模な組織変更があった際、突然異動してきた全く接点のない上司とのコミュニケーションに戸惑った覚えがあります。
しかし、その上司はすぐにメンバー全員との1on1を実施しました。私も1on1を通して自分の不安な気持ちを吐露し、上司の思いや会社の方向性を知ることができたことで、新しい組織体制を前向きに捉えることが出来ました。

昨今ではコロナの影響もあって、歓迎会や飲み会といった、部下とざっくばらんに会話する機会も減ってきていますよね。
そのような状態では信頼関係どころか、コミュニケーションもおぼつかなくなってしまいます。
だからこそ、1on1を通して意図的に相手との接点を持つことがとても重要だと思います!



6.まとめ

✔︎1on1とは、メンター(マネージャー)とメンティー(メンバー)との間で設けた1対1の「対話」のこと(×評価面談)
✔︎1on1を実施する「目的」について、メンバー・マネージャー相互で共通認識を持つことが重要
✔︎効果的な1on1を実施するためには、ただ場を設ければ良いのではなく、
 -定期的に短時間で実施する
 -語り手はメンバーであり、マネージャーは聴き手に徹する
 -メンバーが主体性をもって話せるような雰囲気をつくりだす
(メンバーの話を遮らない、意図を聞かずの否定をしない)
などの心構えが必要

繰り返しになりますが、「この会社での自分の役割」をしっかり認識してもらい、やりがいと成長実感を持って、定着・活躍してもらいキャリア自律を叶える循環をつくるためにも、
1on1こそが、関係の質を向上させ、EX(従業員体験)全体の底上げとなる身近で重要なファクターです。会社として結果の質を向上させる、強固な人材開発の基盤となる取り組みといえます。

上記ような認識で、ぜひ1on1の取り組みを見直してみてください。


次回記事👉【♯2:「業務」に関する質問例】
「取り組む姿勢は分かったけど、実際どういう内容を話したらいいの?」
「具体的な質問例を教えてほしい!」
など、1on1実践編のTipsについてご紹介させていただきます!

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