【まとめ】エンジニアの新しいキャリア、ジンジニアとは?エンジニア歴10年の人事が解説
お久しぶりです!ポペヌでございます。年明けも「すごい人事トレンド情報局」として活動をさせていただきますので、よろしくお願いいたします!
先日MTG中にゆいさんが「ジンジニア」というワードをお話しされていましたが、皆様はご存知でしょうか?
「人事+エンジニア=ジンジニア」ということですが、なぜ営業方面はプリセールスで人事はプリクルーターではないのか個人的には疑問の意を表したいです。初めに聞いた時すごくダサい「エン事の方が言いやすいじゃん」と思ったことは内緒でお願いします...
今回はそんな疑問が残る「ジンジニア」について、元エンジニアで今人事をしているジンジニア候補のポペヌがまとめさせていただきます。
1.ジンジニアとは
まずはGoogle先生に聞いてみたところ、
2つ目にいきなり「ギグッ!」とハートに刃物が刺さるようなワードが出てきましたね...
他のサイトやSNSなどで調べてみましたが、定義としては以下のようになるそうです。
決して中途半端な人を指すワードというわけではありませんのでご安心ください!!
次になぜジンジニアというワードが流行り始めたのかですが、エンジニア採用市場で優位にたつためだと思います。
昨年の夏のまとめですが、
によるとITの技術職は求人倍率9.68倍になっています。
さらに転職する側のエンジニアの意識としては1.7%という数字が出ています。
そのため最近のエンジニア採用はリファラルは当然として、どのように潜在層にアプローチして興味を持っていただくかが重要になっています。
そんな市況の中で、技術について明るいか・エンジニアの仕事に理解があるかはエンジニアと会話をしていくうえで重要となります。こんな状況であれば元や現エンジニアの方がエンジニアリングの経験を活かして採用などに携わるほうが潜在層の方も話しやすく、心を開いてくださる可能性が高まるのは容易に想像つくため、これらがジンジニアというワードが広まっている理由かと思います。
技術について明るくない人事の方からすると脅威に感じるかと思いますが、現在小学校や中学校で情報の授業が必須となり、技術について理解がある人間の絶対数が増えていくので、遅かれ早かれ人事として採用する側にも変化が求められて来ていますので、これを機に人事がエンジニアリングを学んでいくきっかけにするのも良いかと思います。
また、個人的見解でしかないですが、プリセールスになりたいエンジニアの方が少ないように、人事になりたい方もそこまで多くないと考えています。というかなりたかったけど、なってみて想像以上に数字を追うプレッシャーがすごく泥臭く、意思決定などに感情などが多く絡むため、自身の努力で左右できる結果の少なさからそれなりの数の方は離脱して、「ジンジニア きつい」というワードがGoogle検索の予想欄に出てくると思います。
そのため、エンジニアリングの経験はないが現在人事として活躍されている方の脅威には、それ以外の分野で強みがあればなることはないと考えています。
2.ジンジニアになるために身につけるもの
それでは次にエンジニアの方がジンジニアになるために何をしないといけないかを考えていこうと思います。
まず人事の中でも採用や労務など細かく分けると多くの役割があるため、今回はジンジニアが一番求められているであろう採用にフォーカスしていきます。
エンジニアのうちにできること
採用担当になるにあたり必要な能力を考えていきます。
エンジニア時代から活かせるもの
●スケジュール管理・調整能力
調整の頻度は増えますが、一度に相手をする関係者が減ることが多いため、エンジニア時代より調整が比較的に容易になります。
●エンジニアの知識・経験
エンジニア採用をメインで任されることになると思いますので、今までの経験は確実に活かしてください。経験談としては、新卒に対してはエンジニア時代のエピソードはウケが良いので、リアルな働き方や学校では習わないけど現場では重要な要素(ミドルウェアとか習わないことが多かったりします)などを確認しておくのはお勧めです!
今後培うべきもの
●求人の記載方法などの法令的な部分
これは人事になってから学んでもいいと思いますが、法令遵守は絶対です。採用領域では結構細かいルールが多く、適当にやってはいけないことが多くあります。守っていない求人を目にする機会があるため、調べながら求人を見てみるのも面白いのでお勧めします。
※気になる方は厚労省のページを見てください。
●採用市場への理解
先に挙げたように、エンジニア採用は激化しています。いくらエンジニア経験があるとはいえ、そのアドバンテージはそこまで大きくありません。使い方によっては大きな武器になりますが、使い方を間違えると全く機能しない程度のアドバンテージだとお考えください。だからこそ現在の採用市場を勉強し、今のトレンド(例えば採用マーケティング)などがなぜ流行っているのかをしっかりと理解しましょう。
採用の基礎や時代の流れを掴めれば採用担当になった時に打てる施策が大きく変わると思います。
●各種採用手法の把握
エンジニア採用が難しいと言われる理由の一つに採用手法の多様化があります。エンジニアをされていれば広告などが多く出ると思いますので、ご理解はいただているかと思いますが、本当に多いです!ジンジニアの強みを活かすためにもエンジニアと会わないといけませんので、エンジニアであるうちに様々なサービスに登録してみるのもいいかもしれませんね。
●エンジニアとの繋がりや影響力を持っておく
エンジニアでないと入れないコミュニティなどに入っておくことをお勧めします!体験談としては多くのコミュニティでは勧誘NGだったりするので、自分で作るのが一番お勧めです。ですが、最新トレンドなどのキャッチアップにもなるので、エンジニアとお話をする際の話のネタにもなる要素が多く落ちています。
●他職種への理解
大きい会社でない限りまず「エンジニアだけを採用してね!」というミッションを与えられることはないと思います。そのため、営業やバックオフィスなどの職種についてもある程度理解をしておきましょう。僕は法務の採用してほしいと言われて業務内容見ても全く理解できず苦戦して採用するのに長時間かかってしまった苦い思い出があります。
●資料作成能力
採用業務ではびっくりするくらい資料を使用します。その資料を作成しないといけないため、パワポの練習はしておいて損はないと思います。合同説明会などで周りの会社の資料の質の高さに驚くのでお勧めです。
●分かりやすく説明する
僕が一番努力している点ですが、なによりも伝わる説明をすることです。エンジニア時代に関わる方は基本的に技術について理解されている方が多く、専門用語や業界用語で伝わらないことがそこまでないと思いますが、採用はそうはいきません。同じ採用担当にも伝わらないですし、採用の協力をお願いする人材会社さんにも全く伝わりません。例えば開発手法は「アジャイル」と「ウォーターフォール」しかないと思われている世界です。それくらいエンジニアリングへの理解はありませんので、僕はできる限り横文字使わないと決めています。ここは確実に苦悩しますので、日々簡単な言葉に訳す癖をつけましょう。
●鋼のメンタル
採用はとにかく人間不信になります。不思議なことに面接の前日におじいちゃんやおばあちゃんがお亡くなりになることは多いですし、神隠しにあったのかわかりませんが、時間になっても現れなくてそのまま音信不通になる方が非常に多いです!鍛え方はわかりませんが人に邪険にされる経験などを積んでおくと良いかもしれません。
これらの要素を全て身につけないと採用担当として活躍できないわけではありませんが、ジンジニアとして良いスタートを切るためにエンジニアのうちにできることをしておきましょう。
ジンジニアになった後に身につけるもの
次にジンジニアとして活動できるようになった際に身につけていくべきことを紹介していきます。
●ペルソナ設計
エンジニア経験がない人事の多くの方が苦戦されている領域になります。苦戦されている理由としてはエンジニアリングの内容について理解ができず、言語やフレームワークのみで求める人物像が記載されているケースが多く、表面的な情報のみで求職者のエンジニアさんに伝わっていないケースが多いです。
開発サイクルや管理方法など、細かいが会社ごとに特徴が出る部分などをしっかりと表現して伝わるようにしていきましょう。
●母集団形成
ジンジニアの方はエンジニアの候補者の方と出会えれば有利にことを運ぶことができると思いますが、エンジニア採用は出会うまでが本当に大変です。「今後培うべきもの」で挙げたように採用手法の把握などをしていてもやってみないと分からない事が多くあります。求職者側の気持ちが理解できるアドバンテージはありますが、しっかりと成功と失敗を繰り返しながら反省をして学んでいってください。
3.ジンジニアが今後やるべきこと
最後に僕個人の見解でジンジニアが今後していかなければならないと考えていることをまとめたいと思います。
●エンジニア採用関連のノウハウを公開する
エンジニア採用は日々様々な媒体が増え、それにつれて媒体運用のハウツーばかりが増えている傾向にあります。そんな中ジンジニアがするべきことは、他の人事の方に向けてエンジニアについての理解を向上できるノウハウなどをどんどん公開することです。「エンジニアリング未経験の方でもこういうことを学んでいけばエンジニア採用で役立つ!」というノウハウを皆望んでいますので、ぜひどんどん公開していきましょう!
●労務や人事制度を学び、エンジニアの働きやすい環境の構築
大きい会社で最近エンジニアの働く環境の改善が進んできましたが、やはり業界全体的に見てもまだまだ遅れています。仕事柄リリースやアップデートのタイミングで夜遅くなるなどはあるとしても、制度設計や環境設計をする側に中々エンジニアリングの経験をしている方が少なく、「採用できないから給料だけ上げておけばいいよ」という会社が多い印象を受けます。エンジニアの働き方のリアルを知っているジンジニアだからこそ働き方にメスを入れることができると考えています。そこから普及して多くのエンジニアが自身の力を存分に発揮できる環境である会社が増えるといいなと思っています。
まとめ
今回はジンジニアという新しい方々についてまとめをさせていただきましたが、今現在では採用関連で期待されている方々であり、今後幅広い人事ポジションでも力を発揮することを期待できる新しい職種であります。現在エンジニアをやっているが少ししっくりきていない方がいればキャリアの選択肢に入れてみるのも良いかもしれません。
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