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【EXな1on1シリーズ♯2】「業務」に関する質問例

こんにちは!<Well-being>トレンド情報局の山越です!
今回も前回に引き続き、EXな1on1シリーズをご紹介したいと思います。

前回の記事「【EXな1on1シリーズ ♯1】実施の共通認識が最重要!」はこちら




1.あなたの会社では、EXな1on1を継続できていますか?

 前回、1on1の重要性についてご紹介しましたが、とはいえ、いざ実践してみようとすると、
「何を話したり聞いたりしたら良いか分からない」
「1回目はなんとかなっても、継続出来ない」
なんていう声をよく頂戴します。

 そのような状態が続くと、会社でせっかく導入した1on1も、
「気づいたら現場は実施していなかった・・・」
「部署ごとに1on1の方向性がだいぶ違うなあ」
「メンター(マネージャー)によって1on1の質に大きな差が出ている・・」
などといった、本来の意図とはかけ離れた、悪い結果を招きかねません。

 せっかく1on1を実施しているのであれば、
・きちんと継続して1on1を実施できる状態にすること
・どのメンターが実施しても内容や質に大きな差が出ないようにすること
が重要ですよね!

 そのためには、メンターへの1on1トレーニングが重要になってきます。
トレーニングといっても、1on1の目的や心構えは前回ご紹介したので、
今回からは、EXな1on1のためにどんな質問をすれば良いのか?
を具体的にご案内したいと思います!


【~EX(従業員体験)をあげる組織開発 ~1on1シリーズ】

♯1:実施の目的認識が最重要! 
♯2:「業務」に関する質問例 ※今回はコチラ!
♯3:「個人」に関する質問例
♯4:「組織」に関する質問例


【このシリーズを読んでほしい人】
・「人的資本」の考え方からEX(従業員体験)の向上を模索する経営者の方
・1on1を導入しているものの、目的に沿った運用ができているのかわからない人事担当の方
・エンゲージメント向上やEX(従業員体験)向上施策として1on1の有効活用を模索する人事担当の方
・1on1を実施しているが、メンバーとの関係に悩んでいるマネージャーの方

【このシリーズを読むことでのベネフィット】
・より効果的な1on1の取り組み姿勢を知ることができる
・来週の1on1からすぐ実践できる
・メンバーとのコミュニケーションが円滑になり、エンゲージメント向上に役立つ(関係の質(※1)向上)

※1 組織の成功循環モデルにおける「関係の質」について知りたい方はこちら



2.1on1での質問パターンをテーマごとに準備する

 1on1は評価面談とは位置づけが異なりますので、前回ご紹介したように、あらかじめ実施の目的を決め、マネージャー(メンター)とメンバー(メンティー)が共通認識をkもっておくことが大切です。
大きく分けて下記3つのカテゴリーをテーマに、それぞれの質問例をあらかじめ準備しておくとスムーズな1on1へとつながります。

・業務のこと
・個人のこと
・組織のこと



3.「業務」に関する質問例

 今回は、「業務」をテーマに考えてみましょう。
業務といっても、マネージャーがメンバーのタスクの進捗を確認するだけでは、1on1の意味がありませんよね。
大切なのは1on1を通して信頼関係を築くこと。
では実際にどのような点に気をつければ良いのでしょうか?
そのために必要な要素と、それに付随する質問例を以下にまとめてみました。
現在、会社で実施している1on1の見直しや、メンターへのトレーニング資料として、ぜひご活用ください。

 3-1.質問例①業務の振り返り

・メタ認知の支援
自分の行動や思考パターンを、より高次のレベルから俯瞰して捉えることで、行動変容の第一歩になります。
マネージャーはメンバーがメタ認知をできるような質問や関わりをする姿勢をもつと、メンバーの内省が進みやすくなります。
✔「今の自分の業務で◯◯についてどう考えてる?」
✔「なぜそう考えるんだろう?なぜそういう行動をとったのだろう?」

・具体的経験
心が動く要素がある出来事は、自己理解や学びにつながりやすいです。
✔「最近、何か印象に残ったことはある?」

・内省的観察(振返り)
メンバーが視点や視座を変えて、自身の経験を見つめられるような質問をしてみましょう。
✔「あの出来事だけど、お客様の立場だったらどう感じただろう?」
✔「◯◯の案件について、部長はあなたに何を期待していたのかな?」

・抽象的概念化(学び)
経験をそのままにしておくと、学びが深まりません。
経験から得た学びを顕在化して表現しておくことが、効果的な経験学習につながります。
メンバーが言語化しやすい質問をすることが効果的です。
✔「この業務では何が大事?」
✔「業務をするうえであなたならではの特徴って何だろう?」

・能動的実践(新たなチャレンジ)
これまでの業務を振り返った上で得た学びを通じ、新たな行動目標を立て、それを支援するような関わりはメンバーの新たなチャレンジに向け勇気づけになります。
また、一緒に成長しようとする姿勢を感じる声かけは、行動変容の後押しにつながります。
✔「この前の経験から、次はどうしようか」
✔「新たな段階にいくために、一緒に考えよう」



 3-2.質問例②業務での不安点の確認

・非言語コミュニケーションに気を配り、メンバーの変化に気づく
メンバーの表情や声のトーン、熱量、反応時間、身なり、身の周りのことを日頃から見ておくことが大切です。
それらに何かしらの変化が見られた時、メンバーが不安や不調を感じているサインになるかもしれません。
そのサインに気づいたら、マネージャーから声かけや話をするなど、フォローできるようにしましょう。

・メンバーの不安を聴き、期待を伝える
まずは大まかに質問してみましょう。
✔「困っていることある?」
✔「モヤモヤしていることある?」

上記質問に対して明確な回答がない、あるいは答えることを戸惑っているようであれば以下のような追加質問も効果的です。
✔「このMTGの後はやれそう?」(期待とセットの質問)
✔「〇〇の案件はお客様がうるさくて大変そうだね?」(当てに行く質問)
✔「あえて懸念を上げるなら何?」(プラスワンの質問)


・業務に関する曖昧さを無くすことで、やることを明確にし、共通認識をもつ
・業務の目的
✔「この仕事を通じて何につながると嬉しい?」
・業務の目標
✔「感覚値でいいけど、達成できるイメージある?」
・業務の内容や役割
✔「このまま最後までできるイメージある?」
✔「何か助けがあったほうが良いことある?」
・業務の進め方
✔「他の業務との兼ね合いは大丈夫?」

・不安の真因を特定する
不安が生まれる思考パターンをメンバー自身が自覚し、自ら対処、コントロールできるように導くのもマネージャーの役割です。
メンバーの不安に寄り添う姿勢で関わりましょう。
✔「何が不安にさせているか教えてくれる?」
✔「何か引っかっかっていることある?」


 3-3.質問例③業務における改善点の提案

・マネージャーから自分の考えを積極的にメンバーに伝える
メンバーの自律を促すためには、メンバーの成長段階に合わせて関わり方を変え、具体的な行動レベルに関する共有から、行動の背景や意図の共有への比重を移すことが必要です。
✔「私はこの業務や目標については○○のように考えているよ」

・マネージャーの考えを聴いたメンバーから、自身の考えを引き出す
✔「私の話を聴いた上で、あなたはどう感じる?」
✔「何か改善できそうなことある?」
✔「何かできそうなことある?」

・業務改善の話を引き出す質問をする
✔「今よりいい仕事するには何が必要?」
✔「今より早くするためのアイディアは?」
✔「現状を打開するためには、何が必要だと思う?」

・視野を広げる質問をする
メンバーが目の前の業務や自分のタスクだけに集中し、視野が狭くなっている場合、1on1の機会を通じ、視野を広げたり、視座を高めたりして現状を考える支援をすることも、新たな気づきを得て、行動変容を遂げるために有効です。
✔「この業務の目的は何だと思う?」
✔「お客様からしたら、どう感じると思う?」
✔「他に意識すべきことはあると思う?」
✔「自分としてはどうしたい?」



4.まとめ

✔継続的に効果的な1on1を実施するためには、メンターへのトレーニングテーマごとの具体的な質問例の準備が必要

【テーマ設定】
✔1on1の内容は業務個人組織の大テーマで準備しておく

【テーマが業務の場合】
業務における振り返りを実施する
業務におけるメンバーの行動や思考パターンを探り、メンバーの内省を促す
視点を変えて業務内容を振り返り、次にメンバーがどのようなチャレンジをしたいかを一緒に考える
業務における不安点を確認する
不安点の確認のみならず、マネージャーからメンバーへの期待も伝える
業務での曖昧な部分を解消し、やるべきことの共通認識を持つ
業務における改善点を提案する
マネージャーの考えをメンバーに伝えた上でメンバーの気持ちを確認し、業務改善のためのアイディアや視座を広げる質問をする


 冒頭でお伝えした、
・きちんと継続して1on1を実施できる状態にすること
・どのメンターが実施しても内容や質に大きな差が出ないようにすること
を実現するためには、以下が重要だと思います。

・1on1のテーマ設定を支援し、継続できる状態のサポートを行う
テーマに応じた質問例や、確認すべきポイントをTips化し共有することで、「何を聴いたら良いか分からない」「質問を準備する時間がない」などのメンターが抱える悩みや懸念を解消してあげましょう。

・メンターに対し、1on1における「あるべき姿」と「現在の自分の姿」とのギャップを認識してもらい、メンターにも定期的な面談を通して、人事として1on1のあり方や進め方に関する支援をする
メンターを支援する立場の方(メンターの上司や外部の対人支援者など)の手も借りながら、メンターに対して、対話を通したリフレクション(振返り)の機会をつくることが大切です。リフレクションを行うことにより、メンターが1on1における自分自身の関わり方を見直し、より効果的な1on1を実施することができるでしょう。


効果的な1on1を継続するためにも、今回ご紹介した質問例やコミュニケーションポイントなどをぜひ、社内でご活用いただけると私たちも嬉しいです!



次回記事👉【♯3:「個人」に関する質問例】
 今回は「業務」をテーマにした質問例をご紹介しました。
業務における不安点への理解や、改善点の提案を通して、メンターとメンティーの間に少しずつ信頼関係が生まれてきているはずです。
次回は、少し深入りして「個人」に関することを聴いてみましょう!

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