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マーケティングリサーチャーの先輩から学んだこと

自分が働いている会社にはマーケティングリサーチャーの先輩がいました。

今年の春に転職されました。もっといろいろ質問して、先輩の近くで学びたかった。

マーケティングリサーチは消費者の好みや、
業界全体・競合の動きなど様々なデータを
収集し分析する仕事。

この記事ではマーケティングリサーチャーの
先輩から学んだ内容をまとめてみたいと思います(※)。

※学んだ内容について
私が働いている企業が人材系業種であるため、
学んでいる内容も雇用関連がメインになっています。予めご了承ください。

1.マーケティングリサーチャーはマクロとミクロ両方の視点から物事を考察する

全ては社内パートナーに有益な情報を提供するため
マーケティングリサーチャーが作る調査データは自社サービスの意思決定や、事業運営の最適化に活用される。

調査データは営業やWebマーケターの議論の種にも利用される。

社内パートナーは事業の数年先が予測しやすくなり、大局観を養える。

マクロ視点の考察はなぜ必要なのか?
水は高いところから、低いところに流れる。

そして事業は景気に敏感。
私が働く人材業種は特に影響大きい。

政府統計データを使い、世界経済→日本経済→労働マーケットがどのように動いているか?理解していく。

そして、Web上に公開されている情報から競合の動きを捉え、最後に自社ビジネス環境を考察していく。

ミクロ視点の考察はなぜ必要なのか?
先輩の言葉をそのまま引用すると、政府統計データだけを見て考察するのは「クソつまらない」との事(笑)。

だから、ミクロな視点が必要になる。
現場の一番リアリティのある1つの現象と
繋げて見ていくとマクロな情報は面白くなる。

マクロとミクロ両視点からの考察を続けることでリサーチャーとして開眼する瞬間が増えていく。

つまり、新たな気づきを得ることができるようになる。

2.マクロ視点の考察はどのように行うのか?

政府統計データの活用
マクロデータとして一番大きいのは政府統計。
大局観の動きはここから掴んでいく。

見やすいのは景気ウォッチャー調査

日本国民の肌感をまとめたようなデータになっている。業態別に人の肌感を知ることもできる。

副業やフリーランスの経済圏について
副業やフリーランス経済圏は定期的に調査されている政府統計データがなく、不明瞭なマーケット(※)。

なので、日本の景況感と副業・フリーランスの
連動性は捉えることができない。
(事業会社側での独自の調査が必要になる)

一方で、日本国内の人口は減少し続けることは明白で、IT系人材や建設系の施工管理人材などはフリーランスニーズが高まり続けると想定される。

※ググって見つけた情報
副業・兼業に係る実態把握の内容等について
(労働政策審議会安全衛生分科会)

副業・兼業の現状①
(厚生労働省労働基準局提出資料)

フリーランスの数をどう把握するか
-シェアリングエコノミーの統計的把握-
(内閣府経済社会総合研究所)

3.観察調査を行う際のポイント

そもそも、観察調査とは?
NEO Marketing社によると、観察調査とは
対象者を直接現場で観察し、そこから事実データを得る調査手法の総称。具体的には利用者の行動観察など。

担当者自身が現場観察することによって思いがけない「気づき」「発見」「ひらめき」を得ることができる。

顧客の葛藤に着目する
葛藤している時、人の感情は揺れている。

そんな対象者の感情と左記に紐づく言動・行動をヒントにして「気づき」を得ていく。

無形商材サービスの観察調査はどのように行うのが良いか
前提として、観察調査のデータは以下2種類になる。

✓「地点」を固定してその場にとどまり、複数の人を観察する

✓「人」を固定してその人にあわせて移動し、そのひとりを観察する

例えば、転職エージェントサービスの観察調査は上記どちらからもアプローチが難しい。

代替の調査方法は下記。

①転職者へのアプローチ
キャリアカウンセリングの面談に同席するか、
(あるいは観察調査ではないが、インタビューを申し込む)

②個人をサポートする接点者へのアプローチ
顧客に相対しているキャリアカウンセラーやセールスに話を聞く。

普段から顧客と折衝しているキャリアカウンセラーやセールスは最高のマーケター。彼ら彼女らの過去の経験からペルソナを把握していく。正解は現場にある。

観察調査の客観性は乏しいのでは?と言われたら
意思決定者にとっては、観察調査の結果が
客観性に乏しく見えることがある。

調査結果が「リサーチャーの主観」と
思われる可能性がある。

そのような中で、マーケティングリサーチャーとしては意思決定者側の「感情」に訴えながら、データの妥当性を説明していく。

「こんな時に、こんな事は無いですか?」と仮説を立て、主観をすり合わせていく。

4.書いてみることの大切さ

観察調査やインタビューしたデータを踏まえて、気付いたことを書き出してみる。

とにかく思いついたことを書いてみる。
すると気づく瞬間が出てくる。

また、調査データを見ながら書き出す際は
下記の観察のコツも活用し、outputの
量・精度を上げていきたい。

観察のコツ
・まず「全体」を見る
・全体をいくつかに「分割」する
・分割されたものの中から、全体と「差」のある部分を抜き出す
・いろいろな差の「関係性」を見出す
・差や関係性を「共通」して有している塊を探す
・差、差の関係性、塊の属性などから、背景要因を「洞察」する

楽しい観察調査 アンケートやインタビューにない学びについて -観察調査のコツ-(Yamamoto Hiroshi@マーケティングリサーチャー)

5.マーケティングリサーチャーとしてのスタンス

常に学び続ける
先輩は常に学び続けていました。

当時、近くの席で働いていた時はリサーチャーの業務と並行でSQLやWebマーケティングについて勉強していました。

関係部署の社内パートナーMTGにも積極的に
参加していたように思います。

保有している知見が枯れてしまうことに危機感を持っており、とにかく良質なinputを継続しているように自分からは見えていました。

私自身も常に周りから学び、「昨日できなかったことが今日できるように」精進していきたいと思いました。

真摯で素直であること
先輩は小手先のテクニックを嫌い、真摯・素直であることを重要視していたように思います。

保身に走りたい時に、「保身に走ります」と
公言するとまで話されていました笑。

今後も先輩から学んだことを活かして
引き続き仕事を頑張りたいと思います。




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