2024ファジアーノ岡山にフォーカス20『 ≫≫問われる1対1の強さと心身の持続力~鏡との戦い~≪≪ 』J2 第10節(A)vsブラブリッツ秋田 プレビュー



1、クラブ名鑑~ブラウブリッツ秋田~


『 基本情報 』
クラブ名称:ブラウブリッツ秋田
主なホームタウン:秋田市などを中心とする秋田県全域
創設年:1965年
ホームスタジアム:ソユーススタジアム(収容人数:18,560人)
クラブマスコット:ブラウゴン
クラブカラー: ブルー

『 Jリーグ通算成績(JFL以降) 』
J2(3期):38勝40分48敗(117得点143失点)
J3(7期):100勝55分76敗(302得点242失点)
JFL(4期):47勝34分52敗(173得点179失点)

『 Jリーグ最高成績(JFL以降) 』
J2:12位
J3:1位(2期)
JFL:8位

『 クラブ紹介』
 秋田というクラブは、リスペクトの精神が100%浸透している。吉田 謙 監督となってクラブスローガンは、秋田一体、超秋田一体、シン秋田一体と来て、今年は「秋田一体+」である。そして、秋田のサッカーのことを「AKITA STYLE」と言います。こうしたスタイルは、相手に普通に戦っては勝てないという謙虚な魂(スピリッツ)が起源であることは間違いない。こうした意識の共有は、監督や選手、スタッフだけではなく、サポーターの方まで浸透している。だからこそ「街」で戦う秋田のスタイルは、粘り強く最後まで戦える強さがある。秋田一体の精神は、秋田県一帯を飛び出して、日本全国へと認知されている。その秋田一体は、今季もJリーグに旋風を起こす。吉田語録に通ずる精神は、「謙」虚な心を「田」に水を通すように浸透させて、秋田県を中心とした一帯に「吉」をもたらす。吉田 謙 監督は、まさに秋田にとって最高の監督であり、秋田の魂を最も体現している監督であり、次世代に向けて、未来に向けて、夢と感謝と希望の力で今季もJ2を戦い切る。

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2、ランキングデータ&注目選手


 今回もJリーグのデータサイトであるFootball LABさんのランキングを一部引用。

『 2024ブラブリッツ秋田ランキング 』
MF:6番 諸岡 裕人 選手(CH):攻撃・パス・奪取(1位)
MF:29番 佐藤 大樹 選手(左SH・CF):クロス・シュート・ゴール(1位)
FW:8番 畑 潤基 選手(右SH):ドリブル(1位)
FW:10番 小松 蓮 選手(CF):パスレシーブ(1位)
DF:5番 河野 貴志 選手(CB):守備(1位)
GK:31番 圍 謙太朗 選手(GK):セーブ(1位)

・データでの注目選手

FW:29番 佐藤 大樹 選手(左SH)

 推進力とパンチ力、そして思い切りの良さを兼ね備えた秋田のサッカーを体現する上で欠かせないエネルギーを持った選手であると感じました。

FW:8番 畑 潤基 選手(右SH)

 流れで綺麗に受けるというよりは、アバウトなボールに反応して、そのボールの勢いに対応して、そのまま運んで行けるようなドリブラーという印象です。1人少ない中でも、どちらのボールになるかという所での攻防が凄かったという印象を持ちました。

MF:6番 諸岡 裕人 選手(CH)

 1人少なくなったことで、じっくりプレーを観ることができなかったですが、1人少なくなったことで早めに交代したことと攻撃でスタッツが高いことからも、中盤の中で、前にベクトルを向ける上で、安定感が比較的ある選手であると感じました。そして、秋田の選手らしくしっかりボールを奪って、マイボールにできるボランチらしい選手ではないでしょうか。

DF:5番 河野 貴志 選手(CB)

 大分戦ではビックプレーが有ったわけではないんですが、やはり出場機会を考えた時に、中央の壁を構築して、ラインコントロールする上で、欠かせない選手であると感じましたね。

FW:10番 小松 蓮 選手(CF)

 先日岡山に対して、強烈なミドルシュートを決めた10番 松田 力 選手みたいな感じの選手かなと感じました。やるべきことをしっかりやり続ける。しっかり秋田の選手に染まりつつあるなと感じます。まだまだハードワークする中での消耗した中での決定力こそ課題ですが、吉田 謙 監督の「小松決めろ!」という言葉通り、後はそこができるかどうかの選手だと感じましたし、脅威になりそうです。

・データ以外での注目選手

DF:4番 蜂須賀 孝治 選手(左SB)&DF:16番 村松 航太 選手(右SB)

 フィジカルをベースとした岡山のような体を投げ出す守備と簡単に突破を許さない対人守備がしっかりできる選手。両選手ともロングスローができるので、出せるものを攻守で全て出すという攻守一体というか秋田一体+をSBの選手までしっかり体現できていた。


3、プレビュー~問われる1対1の強さと心身の持続力~


『 通算対戦成績(岡山視点) 』
H & A(ホーム & アウェイ)
3勝1分2敗(5得点5失点)
H(ホーム)
0勝1分2敗(2得点5失点)
A(アウェイ)
3勝0分0敗(3得点0失点)

『 スギさん的重視比率(イメージ) 』
岡山重視比率
個人 7 : 3 組織
秋田重視比率
個人 5 : 5 組織

 秋田のサッカーは、シンプルにフィジカル勝負をベースとした1対1の繰り返しになる。2列目の左右のSHの選手にもFW登録の選手を起用している秋田の前線の選手は、1人で運べる力を持った選手ばかりで、それこそ1人で完結できる選手が多い。

 それでも当然ながら、完結できる力を秘めていても守備する選手も複数人で対応してきますし、1対1では負けない。高さでは負けない。速さでは負けないと武器を持ったDFが対峙する。だから、秋田の選手は、その選手をリスペクトする意味で、攻撃のチャンスを作るために、攻撃の活路を探すために、次から次へと秋田の選手が攻撃に参加してくる。

 かと言って、守備をサボるわけではなく、ありえない走力の下で、攻守の切り替えの激しいサッカーを90分間やり続ける。選手の顔に流れる汗を見ても、相当しんどい筈だが、目は気力に満ち溢れていて、今できることを全力でやる精神力が、体力を支えている。

 秋田一体→超秋田一体→シン秋田一体→秋田一体+の流れを考えても微妙に変わったスローガンはまさに選手の入れ替わったチームのようだが、それでもベースはブレない。そういった秋田そのものを100%体現したスローガンのように感じた。

 サッカーは、ミスのスポーツと言われるが、秋田では技術のミスがあっても心身が理由であるミスは非常に少ない。サッカーは、同時にメンタルスポーツであるとも言われるが、そういった意味での死角も少ない。

 「技」のミスの中に、平常心失ったことや正確な判断ができなかったことでの「心」が絡んだミスがあるし、体力が消耗する中での正確性を失うことや強烈なボールに対して正確にプレーできないことでの「体」が絡んだミスも生じることもある。

 お互いにそれぞれのスタイルのもとで、違う土俵で戦っているが、実は密接に関係している。サッカーは、「ミス」をしなければ負けにくい。実際にサッカーが勝敗を決する理由の多くは、ミスが絡んだプレーの方が多く、凄いプレーよりも実は、ミスを誘発させていくサッカーの方が、一見総合力が高く見えるチームに対しての最大の勝ち筋と言えるかもしれない。

 よく考えてみれば、大分の1失点目と3失点目もまさにそういった「心身」の一瞬の隙を突かれたもので、そう考えると大分のミスではなく、秋田の狙いが実を結んだ。ラッキーで偶発的な得点ではなく、ある意味必然と言える得点であったかもしれない。

 秋田に対して、90分間、プレスから始まる守備は、周りとの連動に始まり、そこを回避する人へのロングボールやスペースへのロングボールに対応できる後方のポジショニングと、そういった守りをし易い前からの追い込み方まで、秋田との試合では問われることとなる。

 1つ1つの判断と連動を正しくしていけば、「技」で上回れる岡山も負けること可能性も低くできるが、一度1つのミスをしてしまえば、強力な「心身」を極めた攻撃が岡山に襲い掛かってくる。

 岡山は、ホームで今は岡山の選手である29番 斎藤 恵太 選手に、まさにそういった得点を決められているが、今季も29番 斎藤 恵太 選手に代わる、チームスタイルにマッチした多くの選手を獲得していて、今季もブレることなく強い秋田が、岡山を迎え撃つ。

 岡山にも何名か離脱者がでているが、秋田にも何名か離脱者が出ている。その点は、お互い様であり、双方がどれだけ持っているものを100%のプレーをやり続けられるか。繰り返しになるが、そこが問われる。

 まさにそれは、自分の力を出せるかどうかの戦いであり、鏡に映る自分との戦いのようにも感じる。鏡に映る第10節の岡山は、秋田に対しての勝者に相応しいか。まさに今問われようとしている。

2024 J2 第10節 ブラブリッツ秋田 vs ファジアーノ岡山
2024年4月14日(日)14:00KO ソユーススタジアム

文章=杉野 雅昭
text=Masaaki Sugino

 前節の秋田を知りたい方は、こちらも是非!



筆者紹介
 冷静さと熱さを両立した上で、自分の感じた事を自分の言葉で表現することを大事にしている。ハイライトやテキスト速報をレビューを書くために確認するが、極力SNSは、情報を遮断して、レビューを執筆している。流石に通知なので、軽く目にすることこそあるが、綿密に分析するというよりは、サッカーというスポーツの魅力を発信することを一番大事にしており、ファジアーノ岡山だけではなく、対戦クラブにも最大限のリスペクトの気持ちで、サポーターとの交流や魅力を語り合うことが好きで、レビューを書き始めて、中断期間や書けなかった試合もあるが、10年以上、ファジアーノ岡山を中心にサッカーのある生活をエンジョイしつつ、応援してきた。


4、アディショナルタイム(ファジ造語24)


2024ファジ造語No.1
『 ≫≫力を出し切る三原則≪≪ 』

「決め切る・勝ち切る・逃げ切る」という課題と語ったGMの服部 健二 氏の言葉から想起した「力を出し切る三原則」という2024シーズン第一弾のファジ造語とさせていただいた。来季を観て行く上で、勝利するために、チームがどう強くなったのか、是非、結果から「力を出し切る三原則」をクリアできているか注目したいですね。

2024ファジ造語No.2
『 ≫≫虹色の右足≪≪ 』

24シーズンがルーキーイヤーとなる24番吉尾 虹樹 選手の右足から放たれるパスやクロス、シュート、プレースキックの全てが、高精度であることをより魅力的に伝えるファジ造語。24吉尾選手の名前の「虹樹」の「虹」があり、「虹色の右足」に相応しい選手であると思います。プロとして経験を積む中で、「虹色の右足」は、大樹のようにチームを支えることができる可能性を秘めていることも間違いないでしょう。

2024ファジ造語No.3
『 ≫≫木山マジック≪≪ 』

固定概念を作らない木山 隆之 監督の自由で大胆な決断により、チームを勝利に導くことができる試合采配や選手起用を指すファジ造語。誰にも思いつかない自由な発想と大体な一手で勝利を手繰り寄せてきた将棋で一時代を築いた羽生 善治先生の一手が「羽生マジック」と呼ばれていたが、そこに由来して、「木山マジック」と命名した。22シーズンは、サポーター間でも浸透した。24シーズンでも聞きたいワードですよね。

2024ファジ造語No.4
『 ≫≫剛よく剛を制す≪≪ 』

「サッカーにおいても剛強なものが、剛強な力によって、無慈悲にも剛強なものを押さえつけてしまうという弱肉強食の世界である」という意味の造語」本来は「柔よく剛を制す=柔軟性のあるものが、そのしなやかさによって、かえって剛強なものを押さえつけることができる」という意味の造語だが、99ルカオ選手のフィジカルが、あまりに凄すぎるので、諺(ことわざ)を弄ることでその強さを表現したファジ造語。

2024ファジ造語No.5
『 ≫≫木山曲線≪≪ 』

将棋の藤井八冠が、AI評価値で、一度リードしたらそのまま最後まで右肩上がりで完勝してしまう強さを表現して「藤井曲線」と言われていました。まさしく、開幕戦の木山ファジの勝ち方のようで、そこを可能にした選手起用やチーム作り、ゲームプランから木山マジックの進化系であり、90分間でほぼ圧倒して勝った時の勝利を表現するファジ造語。

2024ファジ造語No.6
『 ≫≫三本の矢24ver≪≪ 』

以前、ファジ造語として紹介していたが、24シーズンでの三本の矢は、11人で繰り出される隙が無い攻撃(途切れずらい攻撃)の事を指す。木山ファジの特色である選手の個性を引き出すサッカーの下で、3Dアタック×3=「縦×横×高さ」×「速さ・強さ・巧さ」×「パス×ドリブル×シュート」が、その方程式の下で、異次元の破壊力を生み出させる攻撃。まさしく、三本の矢に相応しい攻撃を表現したファジ造語。

2024ファジ造語No.7
『 ≫≫虹色の戦術(レインボータクティクス)≪≪ 』

 個性豊かな選手を適材適所で起用して、個性×個性の攻守のプレーの幅や深さで、対戦クラブの戦術の多くへの対応して戦えるだけでなく、試合毎に相性の良い選手が、持ち味を発揮して、攻守で安定した戦い方をすることができる。その個性の戦術の色の可能性はまさに虹そのもので、虹色のように個性が耀き、雨の後の晴れのような勝利に繋げることができるファジの戦術の事を指すファジ造語。

2024ファジ造語No.8
『 ≫≫田段陣地≪≪ 』

 「多段構え」の防壁と、隙を少なくする戦術的な「防御陣形」に、18田上 大地 選手の名前から、「田上=田んぼの上」では水があることで、自由に動けない。そして、「大地=広大な土地」であることで、広範囲にその守備の連動が及びという意味、そして地に足が付いた意味を全て込めることで、18田上 大地 選手の守備が、複数の守備戦術と強固な壁を構築された上で、隙の少ない堅守で、統率された守備ができる事を示すファジ造語2024です。

2024ファジ造語No.9
『 ≫≫グレイZone≪≪ 』

 岡山の最前線のDFラインと中盤の間のエリアで、9グレイソン選手がプレーするエリア。ここで、攻撃で起点を作ることができて、守備では、対戦チームの前進を阻んだり遅らせることができる。9グレイソン 選手のこうしたプレースタイルとプレーエリアは唯一無二で、岡山の堅守を支えるだけではなく、岡山の流れの切れない攻撃を可能とする。まさにその様子は、難攻不落の前線基地のエリアで、本来は対戦チームが有利なエリアだが、五分五分に持ち込める本来の意味も含めた効果を比喩して創ったファジ造語。

2024ファジ造語No.10
『 ≫≫岡山式三段撃ち≪≪ 』

 GKの守る最後の砦である本陣の前を「DF:空中戦、クリア」・「MF:パスカット、セカンドボール回収、サイドの主導権」・「FW:プレス、プレスバック」の「三段撃ち」で陣地を押し返して、気が付いたら岡山が守備から攻撃まで陣地回復できる強靭な守備。また、仮に敗れてもゴールに体を投げ出して守る守備ブロックと某ゲームのゴーレムのように、ゴールに蓋をする守護神が備えている堅守である岡山の守り方の説明を一言で表現したファジ造語。

2024ファジ造語No.11
『 ≫≫動かざるごと岡山の如し≪≪ 』

 対戦相手やどういった状況でも、岡山は無理に攻めることなく、好機をじっくり待ち、やることを徹底して、最後まで可能性を信じて戦える自信と謙虚のバランスの取れたメンタルの強さ。そして、個の力や組織力のどちらでも向かってくる対戦クラブをしっかり受け止めるチームとしての体幹の強さで、横綱相撲のように攻守で着実に前進して、そのまま押し切れるチームの総合力の高さ。ここを戦国大名の武田 信玄の「風林火山」の「山」の「不動如岡山」の「動かざるごと山の如し」の「山」に「岡」を加えて「動かざるごと岡山の如し」に変えて、岡山の攻守の安定感を強調したファジ造語。

2024ファジ造語No.12
『 ≫≫キヤマアイ≪≪ 』

 木山 隆之 監督の勝利に逆算した勝負勘が優れた決断力に裏打ちされた本質を見極める「着眼大局」の眼を例えたファジ造語。木山 隆之 監督は、勝利のために必要なことを見極めて、情に左右されることなく、冷静に決断を下すことができる。無謀ではなく、挑戦を選択できる木山 隆之 監督が、勝負術に優れる勝負師の監督でもあることも示す。

2024ファジ造語No.13
『 ≫≫仙波クルゴール≪≪ 』

 他のファジサポさんが命名された仙波クルクルにインスパイアを受けて、そこを少し加えて、仙波クルゴールと表現しました。これは、バイシクルみたいな響きの良さを仙波クルクルから残して、そこにシンプルにゴールを加えた。イメージ的には、仙波クルクルのように相手のベクトルを利用して、守備を無効として、決めるシュートのことを指したファジ造語です。

2024ファジ造語No.14
『 ≫≫∞GX FIELD∞≪≪ 』

 ハーフウェーラインより前のどこからでも決定的な仕事ができる8番 ガブリエル・シャビエル 選手の得意なプレー範囲の広さを表現したファジ造語。クロスでのチャンスメークやスルーパスでの決定機を作り出せる。そして、自身もゴール前でパスを受けることで、得点を決めることもできる。

2024ファジ造語No.15
『≫≫守備一冠(首尾一貫)≪≪』

今季の岡山スタイルを表現したファジ造語。守備でタイトルが取れるだけの堅守こそ岡山の武器であり、岡山が、どういった状況でも守備への考え方や高い守備意識はぶれることなく、ファジアーノ岡山クラブは、献身性とハードワークで構築してきた「堅守」。これこそがまさしく「首尾一貫」してきたスタイルであり、一冠を取ることで「守備一冠」のファジスタイルとして、内外に示せるシーズンとなって欲しいという願いも込めたファジ造語。


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