1、クラブ名鑑~ブラウブリッツ秋田~
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2、ランキングデータ&注目選手
今回もJリーグのデータサイトであるFootball LABさんのランキングを一部引用。
・データでの注目選手
FW:29番 佐藤 大樹 選手(左SH)
推進力とパンチ力、そして思い切りの良さを兼ね備えた秋田のサッカーを体現する上で欠かせないエネルギーを持った選手であると感じました。
FW:8番 畑 潤基 選手(右SH)
流れで綺麗に受けるというよりは、アバウトなボールに反応して、そのボールの勢いに対応して、そのまま運んで行けるようなドリブラーという印象です。1人少ない中でも、どちらのボールになるかという所での攻防が凄かったという印象を持ちました。
MF:6番 諸岡 裕人 選手(CH)
1人少なくなったことで、じっくりプレーを観ることができなかったですが、1人少なくなったことで早めに交代したことと攻撃でスタッツが高いことからも、中盤の中で、前にベクトルを向ける上で、安定感が比較的ある選手であると感じました。そして、秋田の選手らしくしっかりボールを奪って、マイボールにできるボランチらしい選手ではないでしょうか。
DF:5番 河野 貴志 選手(CB)
大分戦ではビックプレーが有ったわけではないんですが、やはり出場機会を考えた時に、中央の壁を構築して、ラインコントロールする上で、欠かせない選手であると感じましたね。
FW:10番 小松 蓮 選手(CF)
先日岡山に対して、強烈なミドルシュートを決めた10番 松田 力 選手みたいな感じの選手かなと感じました。やるべきことをしっかりやり続ける。しっかり秋田の選手に染まりつつあるなと感じます。まだまだハードワークする中での消耗した中での決定力こそ課題ですが、吉田 謙 監督の「小松決めろ!」という言葉通り、後はそこができるかどうかの選手だと感じましたし、脅威になりそうです。
・データ以外での注目選手
DF:4番 蜂須賀 孝治 選手(左SB)&DF:16番 村松 航太 選手(右SB)
フィジカルをベースとした岡山のような体を投げ出す守備と簡単に突破を許さない対人守備がしっかりできる選手。両選手ともロングスローができるので、出せるものを攻守で全て出すという攻守一体というか秋田一体+をSBの選手までしっかり体現できていた。
3、プレビュー~問われる1対1の強さと心身の持続力~
秋田のサッカーは、シンプルにフィジカル勝負をベースとした1対1の繰り返しになる。2列目の左右のSHの選手にもFW登録の選手を起用している秋田の前線の選手は、1人で運べる力を持った選手ばかりで、それこそ1人で完結できる選手が多い。
それでも当然ながら、完結できる力を秘めていても守備する選手も複数人で対応してきますし、1対1では負けない。高さでは負けない。速さでは負けないと武器を持ったDFが対峙する。だから、秋田の選手は、その選手をリスペクトする意味で、攻撃のチャンスを作るために、攻撃の活路を探すために、次から次へと秋田の選手が攻撃に参加してくる。
かと言って、守備をサボるわけではなく、ありえない走力の下で、攻守の切り替えの激しいサッカーを90分間やり続ける。選手の顔に流れる汗を見ても、相当しんどい筈だが、目は気力に満ち溢れていて、今できることを全力でやる精神力が、体力を支えている。
秋田一体→超秋田一体→シン秋田一体→秋田一体+の流れを考えても微妙に変わったスローガンはまさに選手の入れ替わったチームのようだが、それでもベースはブレない。そういった秋田そのものを100%体現したスローガンのように感じた。
サッカーは、ミスのスポーツと言われるが、秋田では技術のミスがあっても心身が理由であるミスは非常に少ない。サッカーは、同時にメンタルスポーツであるとも言われるが、そういった意味での死角も少ない。
「技」のミスの中に、平常心失ったことや正確な判断ができなかったことでの「心」が絡んだミスがあるし、体力が消耗する中での正確性を失うことや強烈なボールに対して正確にプレーできないことでの「体」が絡んだミスも生じることもある。
お互いにそれぞれのスタイルのもとで、違う土俵で戦っているが、実は密接に関係している。サッカーは、「ミス」をしなければ負けにくい。実際にサッカーが勝敗を決する理由の多くは、ミスが絡んだプレーの方が多く、凄いプレーよりも実は、ミスを誘発させていくサッカーの方が、一見総合力が高く見えるチームに対しての最大の勝ち筋と言えるかもしれない。
よく考えてみれば、大分の1失点目と3失点目もまさにそういった「心身」の一瞬の隙を突かれたもので、そう考えると大分のミスではなく、秋田の狙いが実を結んだ。ラッキーで偶発的な得点ではなく、ある意味必然と言える得点であったかもしれない。
秋田に対して、90分間、プレスから始まる守備は、周りとの連動に始まり、そこを回避する人へのロングボールやスペースへのロングボールに対応できる後方のポジショニングと、そういった守りをし易い前からの追い込み方まで、秋田との試合では問われることとなる。
1つ1つの判断と連動を正しくしていけば、「技」で上回れる岡山も負けること可能性も低くできるが、一度1つのミスをしてしまえば、強力な「心身」を極めた攻撃が岡山に襲い掛かってくる。
岡山は、ホームで今は岡山の選手である29番 斎藤 恵太 選手に、まさにそういった得点を決められているが、今季も29番 斎藤 恵太 選手に代わる、チームスタイルにマッチした多くの選手を獲得していて、今季もブレることなく強い秋田が、岡山を迎え撃つ。
岡山にも何名か離脱者がでているが、秋田にも何名か離脱者が出ている。その点は、お互い様であり、双方がどれだけ持っているものを100%のプレーをやり続けられるか。繰り返しになるが、そこが問われる。
まさにそれは、自分の力を出せるかどうかの戦いであり、鏡に映る自分との戦いのようにも感じる。鏡に映る第10節の岡山は、秋田に対しての勝者に相応しいか。まさに今問われようとしている。
2024 J2 第10節 ブラブリッツ秋田 vs ファジアーノ岡山
2024年4月14日(日)14:00KO ソユーススタジアム
文章=杉野 雅昭
text=Masaaki Sugino
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4、アディショナルタイム(ファジ造語24)