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2021ファジアーノ岡山にファーカス1「10宮崎幾笑に期待したい5つのポイント」

1、 前書き

2021シーズン記念すべき第一回の記事は、のファジアーノ岡山の新戦力の10宮崎 幾笑にフォーカスを当てて行きたいと思います。期待したい点を挙げる前に、2020シーズンのファジアーノ岡山について足りなかった点について簡単に列挙したいと思います。詳細について述べる事も一興ですが、今回は、10宮崎 幾笑にフォーカスを当てているので、あくまでシンプルに5点あげたいと思います。

2020年ファジアーノ岡山に足りなかった5つのポイント

以上の5点だと思います。基本的には、献身的な選手が揃っており、良く走り良く守っていましたが、攻撃の部分で、良い意味で、「壊す」選手が少なかった。この「壊す」という表現は、言葉は悪いですが、解釈を膨らませると面白く深いワードだと思います。上の5点に置いて、深く掘り下げますが、「壊す」の解釈として、観戦者として観ていて、想像していたイメージを良い意味で「壊す」。つまり、ここはパスだろうという所で、突然シュートを打ったり、これでは逆転は難しいだろうという内容とスコアから逆転という結果に繋げたりする選手のプレーが少なかった事で、そういった良い意味で「壊す」事ができたゲームが少なかった。

そこで、2021シーズンは、ルーキー、レンタル、完全移籍での獲得の選手を見ると、良い意味で「壊す」事ができる選手を多く獲得に動き、実際に獲得出来たのではないかと感じます。毎年、シーズン開幕前にポジティブになる事が多かったですが、今季は特に若いと感じる選手が多かった印象です。その中でも個人的には、期限付き移籍での加入ながら10番を任された宮崎 幾笑選手にフォーカスを当てて記事を書いてみたいと思い、今回の記事に着手しました。

少し前置きが長くなってしましたが、少しでも多くの方に最後まで読んで頂けるように全身全霊で書き上げる事によって、10宮崎 幾笑への期待度の向上。そして、その先のファジアーノ岡山への期待度の向上に少しでも繋がると信じて、微力ながら書き上げました。それでは、よろしくお願いいたします。

2、 上のステージへ

まずは、足りないと感じた「①フレッシュさ」。2020シーズンは、安定していた反面、限界を感じたシーズンでもありました。過密日程の中で、良く戦っていましたが、若い選手が主軸を担う事が出来ていませんでした。ベテランや中堅の活躍が目立った一方で、若手は経験を積めたという評価で、留まっていました。

2021シーズンに加入した22歳。プロとして実績は金沢での2シーズンで9得点決めていますが、新潟やFC東京のトップチームでは、出場機会に恵まれませんでした。FC東京では、セカンドチームのU-23のJ3では、出場機会を重ねて結果こそ残せたましたが、「上のステージへ」の壁を破れず、苦しんでいる状況にあります。

岡山もここ数シーズンは、J2全体のレベルが上がって行く中で、取り残されており、年々苦しんでいます。チームとして、まだまだ若く、どう「上へのステージへ」と、昇るのか。そういった苦しみを感じています。J1昇格プレーオフでの戦いを含め、上に届きそうで届かなかった。10宮崎 幾笑もJ1のステージで、活躍する事がまだできず、J2やJ3を主戦場として、戦って来た。

岡山としても10宮崎 幾笑としても、J1という「上へのステージへ」と辿り着き結果を残すというのは悲願でもあります。10宮崎 幾笑が岡山で活躍すれば、岡山がJ1へと近づけますし、10宮崎 幾笑もJ1でプレー機会を多く掴む可能性が高まります。

10宮崎 幾笑のポテンシャルの高さは、同じJ2そして、同じ4-4-2システムで結果を残した金沢で証明しており、再び岡山でもゴールやアシストを重ねてくれる期待は、とてもあります。是非とも、岡山でも金沢での4ゴールと5ゴールという結果以上のゴールを決めて頂き、岡山を「上のステージへ」と、導いて欲しいです。

そうすれば、10宮崎 幾笑と岡山が一緒にJ1で戦う未来や、岡山をJ1というステージを置き土産に格上のチームで活躍という輝かしい未来へと近づけるでしょう。岡山サポとしては、岡山で活躍した選手には、岡山で活躍して欲しいという気持ちは強くありますが、他チームに移籍し、「上のステージへ」と、巣立って行っても、一緒に戦った同志であったという事実に変わりなく、応援を続けて行きたいと思っています。

岡山に来れば、成長できる。岡山でプレーしたい。そういったチームになって貰いたい。そのためにも10宮崎 幾笑の様な若い選手に岡山で活躍して貰いたいです。そういった有望で、「①フレッシュさ」を持った選手の多くが、岡山というチームを選んで、そこで活躍する。それは、岡山というチームが「上のステージへ」と、辿り着くためには必要な事であり、10宮崎 幾笑に限らず、若い選手の成長と奮起に期待したいです。

3、 幾笑ゾーン

次に「②ゴール前での積極性」が、足りなかった岡山。チームとして、バックパスに頼らず、ゴール前に運ぶことが出来ていた2020シーズン。しかし、得点は奪えなかった。そういった印象が強い。打てそうで打てない。巧く崩したけど、決めきれない。全てはそうではないですが、バイタルエリアでの決め手に欠けました。

やはり、攻める選手と守る選手が多くなり、密集するのがバイタルエリア。そこでのプレーまでの判断のスピードやフリーで持てるスペースや時間は、格段に狭く、短くなります。そこで、違いを出せなかったのが、2020シーズンの岡山でした。ここを打破できるピースであるのが、10宮崎 幾笑です。

【公式】ゴール動画:宮崎 幾笑(金沢)57分 ヴァンフォーレ甲府vsツエーゲン金沢 明治安田生命J2リーグ 第18節 2018/7/4


Jリーグ公式のゴール動画を見る限り、密集地帯であってもプレーの質を落とさないのが10宮崎 幾笑であると思います。狭い所でも細かいタッチで、打ちやすい状況をドリブルで創出し、正確にミートする事に優れたシュートテクニックを持っており、枠を捉える技術が高いです。

14上門 知樹は、遠距離と中距離に強いシューターですが、10宮崎 幾笑は、短距離と中距離に強いシューターです。この二人が、2列目の左右で、共存する事により、岡山の得点力は間違いなく上がるでしょう。例えば、バイタルエリアの外で14上門 知樹がシュートを狙う動きを見せれば、守備側のチームは厳しく寄せに行かないといかないですが、そこで出来たスペースに10宮崎 幾笑が受けて、残った選手や近い選手が寄せに来る前、もしくは、寄せに来た選手をいなして、シュートまで行く事ができる選手です。

バイタルエリア内での10宮崎 幾笑のプレーは、要注目であり、10宮崎 幾笑が得意とする「幾笑ゾーン」です。チームとして、苦手としていたプレーゾーンでの活躍が見込める選手であり、岡山の補強ポイントにマッチした良い補強であり、2021シーズンの岡山で、期待できるポイントの1つです。

4、 魔法の左足

次に岡山に足りなかった「③縦へのスピード」ですが、縦に速い攻撃というのは、単純に縦へと出せば良いという訳ではありません。精度の高いボールを前線に配給する事も大事ですが、収めるという事も大事です。多少ズレていてもしっかり収めて、次のプレーに移行するのが、速い必要があります。そして、速いだけではなく、その後の攻撃のスピードを落とさない必要もあります。

例えば、良い状況で前に出してもトラップがズレて、スピードが落ちてしまっても駄目ですし、トラップした後に、縦に行けなければ駄目。必ずしも縦に急ぐ必要はなく、時には上がりを待つ必要がありますが、一番良いのは、相手の守備が整う前に、そのまま最後のシュートというアクションに繋げる事です。

【クラブ公式】2017「イバのゴールで2度のリードを許すも、中美慶哉、宮崎幾笑、佐藤洸一のゴールで逆転勝利」第21節 ツエーゲン金沢 vs 横浜FC ハイライト
公式動画の68秒から


10宮崎 幾笑という選手は、この公式動画の1分8秒からの得点シーンの様に相手のミスを見逃さず、素早くシュートまで行きゴールを決める技術を持った選手です。縦に速く行った際の相手のミスや隙などを突いて、毀れ球に反応し、チャンスを演出、または得点に繋げる力がある選手が、前目にいる事は、チームとしての「縦へのスピード」を速くした際の強みになります。


【クラブ公式】2017「イバのゴールで2度のリードを許すも、中美慶哉、宮崎幾笑、佐藤洸一のゴールで逆転勝利」第21節 ツエーゲン金沢 vs 横浜FC ハイライト
同じ公式動画の92秒から


そして、同じ公式動画の得点の後のカウンターからPKを獲得したシーンでは、ほぼスピードを落とさず、自然にトラップし、そのままドリブルで、ペルティエリア内まで進み、PKを獲得しています。ボールを受けた選手が、しっかり収めて、そのまま効果的なカウンターを出来れば、後方の選手が前に出し易くなり、結果的にチームの「縦へのスピード」が速くなります。

【公式】ゴール動画:宮崎 幾笑(金沢)77分 大宮アルディージャvsツエーゲン金沢 明治安田生命J2リーグ 第4節 2018/3/17


この動画では、一本のミドルパスから一気にゴールまで行っています。10宮崎 幾笑としては、右のスペースへと行く選択肢もありましたが、迷いなく中を選び、シュートまで行き、得点を決めています。注目すべき点は、ゴールマウスしか見ていないという事です。出し手を探すのではなく、ボールを受けた時からシュートまで行く事しか考えていない様に見えます。

状況的には、左に選手がいて、右後方に味方選手がいます。2020年の岡山であれば、ここで落ち着いて、右の選手の上りを待つことが多く、もしくは、左の選手を使う事を考えている事が多かったです。この動画を見ての通り、「縦へのスピード」が速いパスを受けてからも「縦へのスピード」を落とさず、ゴールまで行っています。

そして、シュートを打つ前に足下しか見てないので、その時には、シュートを打つコースまで既に決めいていて、しっかりミートして、狙った所にシュート打つ事。対応している相手選手に、シュートブロックされない様に、相手選手の位置と、自分の位置の距離感に注視する事だけに、意識を集中している事も分かります。


この3シーンを見ても、パスを受ける左足の技術、ドリブルでボールを運ぶ左足の技術、ドリブル突破する左足の技術、シュートを打ち切る左足の技術、ドリブル後にシュートを打つ左足の技術。この5点を兼ね備えた「魔法の左足」を持つ選手という事が、分かると思います。

ここ数シーズンは、「縦へのスピード」が速かったですが、9李 勇載のフィジカル頼りの縦に速い攻撃が多かった様に感じます。有馬 賢二監督の体勢になってからは、繋ぐ事を意識したサッカーに移行しつつあり、シンプルな縦ポンは減り、フィジカルを活かした「縦へのスピード」の回数と成功は激減しました。その結果、9李 勇載のゴールも減りました。

2020シーズンも「縦へのスピード」のある展開や、「縦へのスピード」を意識したパスもありましたが、そこからの展開の発展が遅く、結果的に攻撃の停滞を生み、チームとして攻めているのに得点が伸びなかった原因の1つとなっていました。

その2020シーズンの停滞感を打破する事の出来る可能性を秘めているのが、10宮崎 幾笑である事は、ここまでで感じて頂けたと思います。

縦パスが出たと思ったけど、そこから先に運べない。縦パスが出たけど、トラップミスで、速攻ができない。速攻ができたけど、シュートまでいけない。シュートまで行けたけど、守備が追いつきブロックされる。シュートが打てたが、焦った事で精度を欠き外す。

この5つの負のスパイラルとも言える、速攻の五悪とは逆の五善の「魔法の左足」を持った10宮崎 幾笑であれば、岡山に新しい攻撃を生み出してくれると思います。

ボールを奪ったら10宮崎 幾笑。ボールを奪ったら10宮崎 幾笑と見せかけて、9李 勇載。その二人が無理なら14上門 知樹や41徳元 悠平を使って、遅攻から崩す。速攻が機能すれば、攻撃の幅が広がり、遅攻の有効性も上がります。何より10宮崎 幾笑には「幾笑ゾーン」とも言えるバイタルエリアでのクオリティの高さもあり、「魔法の左足」を持っています。

遅攻だけど「縦へのスピード」を速める前への意識、速攻を止めない「縦へのスピード」。この二つを持った10宮崎 幾笑「魔法の左足」は、期待できる3つ目のポイントです。

5、 ゴールを愛するドリブル

いよいよ大詰め。足りなかったポイントの「④ゴールへ向かうドリブル」。2020シーズンの岡山は、シーズン序盤こそシュート意識が高かったですが、徐々に前への意識とシュート意識が下がっていきました。ドリブルが繋ぐためのドリブルになっていました。誰がシュート打つのか。そう感じるシーンが多かった事で、本来シュートの多い14上門 知樹もなかなかシュートを打てなくなっていました。シュートが巧くても、マークが厳しければ、良い状況で、シュートを打てず、得点を決める事が難しくなります。

【公式】ゴール動画:宮崎 幾笑(金沢)65分 ロアッソ熊本vsツエーゲン金沢 明治安田生命J2リーグ 第41節 2017/11/11


この公式動画での10宮崎 幾笑のドリブルは、「ゴールへ向かうドリブル」であり、ゴールを意識したドリブルになっています。ドリブルは、仕掛ける所からでもトラップする所からでもなく、その前のフリーランから始まっています。10宮崎 幾笑のゴール動画の多くは、フリーランからゴールへ向かっており、外へではなく、内への選択が多く、走りながら受けている事が多いです。

90分通してプレーを見れば、外へのドリブルも、もしかすると、多いかもしれませんが、基本的には「ゴールへ向かうドリブル」からシュートを打つ事を意識しているプレーが多い選手ではないでしょうか。

恐らく、ゴールをどうやれば決める事が出来るのかを考えつつ、プレーをしている選手であると思います。よって、ドリブルの多くが狭くてもゴールへの最短ルートを意識しており、そこを突破する最初の方法として、フリーランという「ゴールへ向かうドリブル」で入り、実際にライン突破して決めたのが、この得点であり、最後のシュートもミートしているからこそ、GKが触られてもゴールに吸い込まれたのだと思います。

そして、抜け出してトラップしてからもスピードを落とすことなく、DFに防がれる追いつかれてしまう様なミスもなく、しっかりシュートまで行けている点も「ゴールへ向かうドリブル」であるこそ、迷いや焦りなくプレー出来ている証左であると思います。

【公式】ゴール動画:宮崎 幾笑(金沢)71分 ツエーゲン金沢vsレノファ山口FC 明治安田生命J2リーグ 第19節 2017/6/17


この動画での得点も、いわゆる裏への抜け出しから最後はGKをドリブルでかわして、無人のゴールへシュートを流し込んで決めたものです。ドリブルは、パスを受ける前から始まっていると前述しましたが、10宮崎 幾笑のドリブルが「ゴールへ向かうドリブル」であるからこそ、裏への抜け出しからのゴールが多い事に繋がっていると思います。

パスを受ける前からゴールへ走りだしているからこそ、パスを受ける前にフリーランで、相手DFの最終ラインをフリーランというドリブルで、かわしている。10宮崎 幾笑のドリブルは、「ゴールへ向かうドリブル」が多く、岡山に足りなかったドリブルからのゴールというシーンが増えるのではないでしょうか。

10宮崎 幾笑「ゴールへ向かうドリブル」は、「ゴールを愛するドリブル」であり、ゴールを愛しているからこそ、向かっていく。ゴールへ少しでも近づきたい。そうした切ない気持ちすら感じる。ゴールは確かに遠い。だからこそ少しでも近づきたい。ゴール決めるのが難しいからこそ、ゴールを愛する選手は多い。今季の岡山の選手の中で、10宮崎 幾笑は、岡山で一番、その「ゴールを愛するドリブル」ができる選手ではないかと期待しています。

2021シーズンでは、「ゴールを愛するシュート」ができる14上門 知樹との左右の2列目での「ゴール」を巡る戦いは非常に楽しみです。10宮崎 幾笑に期待する4つ目のポイントは、「ゴールを愛するドリブル」

6、俺たち私たちの10番

最後の5つ目の足りないポイントである「⑤シンプルに凄いプレー」。サッカーの醍醐味と言えば、やはりゴールです。そもそも何故ゴールが、選手や、観戦者の心を惹きつけるのか。それはやはり、ゴールを決めるのが難しいからです。難しいという事は、ゴールは、凄いプレーが必然的に多くなる。ゴールが少ないという事は、「シンプルに凄いプレー」が少ないという事を意味します。

2020シーズンの岡山は、守備は非常に安定していましたが、この「シンプルに凄いプレー」が少ないという状態に陥っていました。やはり、サッカーにとって10番は、重要であると思います。私の中で、JFL参戦後の10番で良かった歴代選手は、川原 周剛、矢島 慎也の二人です。

川原 周剛は、まだまだ歴史が浅かった岡山において、違いを魅せる事ができた数少ない選手です。運動量こそあまり多くなかったですが、ミドルシュートを決める事ができる華がある選手でした。テクニックもあり、ドリブルやパスでのチャンスメークも可能で非常にバランスがとれた選手で、今思い返しても基礎がしっかりしていて「シンプルに凄いプレー」ができる10番らしい選手であったと思います。

そして、記憶に新しいのが矢島 慎也。唯一無比の右足を持った選手でした。縦パス、スルーパスでのアシスト、ミドルシュートでのゴール。ミドルシュートでのゴールやスルーパスでのアシストの様に、得点に絡んだプレーはともかく、縦パスすら凄かったのが、矢島 慎也。それだけ「シンプルに凄いプレー」を右足の正確さで、「シンプルに凄いプレー」を視野の広さで、体現していた選手でした。

サッカーというスポーツは、ゴールの数を競う形で、勝敗を決している様に、サッカーが一番大事なものです。だから、得点を決める選手、得点を演出した選手、得点に繋げた選手が評価される様に、失点を防いだ選手も評価されます。

ゴールが少なかった2020シーズンの岡山は、必然的に「シンプルに凄いプレー」が少なかったシーズンとなってしまいます。その一番の原因はやはり、10番をシーズン途中で欠いてしまった事にあるでしょう。怪我が多く、本来の実力を発揮できなかった事もあると思いますが、10番の選手に一番求められるプレーは、「シンプルに凄いプレー」であり、それを欠くというのは、チームとして方向性すら失う事を意味するでしょう。

その10番ですが、歴代の10番の特徴として、基礎技術がしっかりしている選手が多いという事です。基礎技術に優れる選手の多くは、やはり得点に絡む選手が多く、年俸が必然的に高い選手が多くなります。そうなると、資金力で劣る事の多い岡山が獲得できるそういった選手は、限定されます。

基礎技術を中心に、実績・得点力・総合力といった武器のどれかを重視して獲得しています。私が観戦を始めたJFL以降の10番について簡単にまとめていきたいと思います。

歴代の10番評価まとめ

以上になりますが、客観性を意識しましたが、あくまで私の個人的に見解です。

上を参照すると、やはり怪我の多い選手は、基礎技術に優れていても結果を残すのが、難しいという事になります。その点で、唯一チアゴは、得点力に優れた選手という事もあり、怪我で限られた出場機会でも一定の結果を残す事が出来ていました。しかし、大竹 洋平とレオ・ミネイロは、怪我で出場機会が限られた事で、トップパフォーマンスのプレーを魅せる事ができず、思う様な結果を残せませんでした。

千明 聖典は、結果こそ残せませんでしたが、多くの出場機会の中で、基礎技術の高さ活かしたプレーで、違いを魅せる事が出来ていました。川原 周剛は、実績こそなかったですが、当時はまだ、プロチームが少なかった影響もあり、プロとしてのスタートこそ遅かったですが、当時のJ2での岡山において違い魅せる事ができた数少ない選手でした。

そして、一番の成功と言えたのが、唯一の一年のみの10番であった矢島 慎也です。当時J1で燻ぶっており、実績に乏しい選手でした。乏しいと言っても、J1での出場機会を少しずつ重ねており、いつブレークしても不思議ではない選手でした。つまり、J1での実績がほぼなくても、J2でも中位を前後していた岡山にとっては、ずば抜けた実力を持った選手であり、実際に在籍した2シーズンでほぼ怪我もなく、主軸として遺憾なく実力を発揮してくれました。その後、J1に戻って苦しんだシーズンもありましたが、今ではあのG大阪で主軸として活躍しています。

ここまで、JFL以降の10番の系譜の特徴を振り返ってきましたが、2021シーズンの10番である宮崎 幾笑。岡山で一番ブレークした矢島 慎也に似ているとは思いませんか?J1チームで、プロキャリアをスタートさせるも出場機会に恵まれず、燻ぶっていた点。しかも今回は、その実力をJ2の金沢、J3のFC東京U-23で、証明済みです。

矢島 慎也同様に、J1チームでの出所機会に恵まれず、期限付き移籍先のJ2金沢で10番を背負いブレーク。再びJ1のチームに移籍も再び出場機会に恵まれず苦しむ。矢島 慎也と違いJ1の主軸こそなれなかったものの岡山で、10番を任されたのは22歳の時。そう宮崎 幾笑とほぼ一緒です。宮崎 幾笑という選手は、これからの選手で、矢島 慎也にも負けない可能性を秘めた選手であると思います。

10宮崎 幾笑に期待したい5つのポイントの内の4つ。「上のステージへ」・「幾笑ゾーン」・「魔法の左足」・「ゴールを愛するドリブル」を備えた5つ目「俺たち私たちの10番」に相応しい選手であると思います。

ここで、「俺たち私たちの10番」に期待したくなる「シンプルに凄いプレー」と、感じる公式動画をご覧下さい。

【公式】ゴール動画:宮崎 幾笑(金沢)13分 ジェフユナイテッド千葉vsツエーゲン金沢 明治安田生命J2リーグ 第23節 2018/7/15


この動画ポイント。まず、動画の最初にボールを持った選手が、サイドをフリーで駆け上がっている点。その前のプレーを確認した訳ではないですが、「③縦へのスピード」が求められる流れで、そのサイドを駆け上がる選手から出されたクロスを「②ゴール前での積極性」が、求められる「幾笑ゾーン」で受けた選手から、「幾笑ゾーン」でのトラップの技術が求められる難しい近い距離でのパスを「魔法の左足」での完璧なトラップで収めます。

そして、「④ゴールへ向かうドリブル」であるパスを受ける前のフリーランの進行方向を変えず、真っすぐ「ゴールを愛するドリブル」を仕掛けると、最後は、倒れながら利き足とは、逆の右足でゴールへ気持ちで押し込むという10宮崎 幾笑に期待するポイントが濃縮された素晴らしいゴールでした。

加えて、このゴールの凄い点。倒れながらシュートを打った10宮崎 幾笑だけではなく、対応したDF3選手と、GKの計4選手が倒れている点。凄い選手は、対応した周りの選手が倒れるという話を聞いた事があります。つまり、見ているサポーターだけではなく、対応した4選手も恐らく「⑤シンプルに凄いプレー」と、体感したゴールシーンであると思います。

これが、2021シーズンの「俺たち私たちの10番」です。

まだまだ若く「①フレッシュさ」を武器に、ファジアーノ岡山をJ1という「上へのステージへ」と、導いてくれると期待したい。

J1に最も近づいた時の「俺たち私たちの10番」である矢島 慎也の時に、果たせなかったJ1昇格。
プレーオフで敗れた結果、「俺たち私たちの10番」であった矢島 慎也は、先にJ1チーム浦和に帰っていった。
今度こそは、「俺たち私たちの10番」と、一緒にJ1昇格したい。

これが、5つ目の期待のポイント「俺たち私たちの10番」

7、 後書き

最後に冒頭で、述べた攻撃時に良い意味で「壊す」という事。その一翼を担うであろう10宮崎 幾笑「壊す」プレーの公式動画をご覧下さい。

【公式】Pick upプレー動画:FKから短いリスタートでボールを持った宮崎 幾笑(金沢)が強烈なミドルシュート!鋭い弾道のボールはクロスバーを直撃!


「③縦へのスピード」が求められない「プレーが止まったセットプレー」のシーンで、「②ゴール前での積極性」ではなく、「バイタルエリア外での積極性」を発揮し、「④ゴールへ向かうドリブル」ではなく「ゴールへ向かうミドルシュート」を放ち、「①フレッシュさ」より「歴戦錬磨」の選手様なに隙を見逃さないミドルシュートを放ち、クロスバーに当てた「⑤シンプルに凄いプレー」ではなく、「派手だけど惜しいプレー」という期待したい5つのポイントを良い意味で「壊す」当時の「金沢の10番」

今季は、ファジアーノ岡山の「俺たち私たちの10番」でもあり、宮崎 幾笑が、所属した「ザスパクサツ群馬」・「アルビレックス新潟」・「ツエーゲン金沢」・「FC東京」のサポーターや、選手、監督、スタッフといったサッカーファミリー。そして、宮崎 幾笑に関係する全てのファミリーの10番でもある。

その全てのサッカーファミリーという思いを背負って戦う10番である宮崎 幾笑選手に、J1昇格できなかった岡山の越えられなかった壁を「壊す」という偉業達成に繋がる活躍に期待したい。

例え、最終的にJ1昇格が出来なかったとしても、シーズン開幕前は、客観的にJ1昇格が無理だと思われても、それを信じて、期待して、開幕を迎え、応援し、一緒に勝敗に一喜一憂できるのがサッカーであり、一年を一緒に走りぬくのがサッカー。

この公式動画の様に「上へのステージへ」「幾笑ゾーン」「魔法の左足」「ゴールを愛するドリブル」「俺たち私たちの10番」の期待する5つのポイントとは逆の内容によって、良い意味で「壊す」プレー。

私の主張とは、矛盾するが、それが「シンプルに凄いプレー」でもある。

最後に紹介した公式動画で決められなかったセットプレーの流れからのミドルシュートの様な想像したプレーの遥か上を行くプレーで、J1昇格を決めるゴールを10番である宮崎 幾笑選手が、決めてくれると信じて、今季もファジアーノ岡山を、そして、10宮崎 幾笑に期待して応援していきます。

どんな選手でも、岡山で10番を任された初年度に、10番のユニフォームを購入する様になった私。
2021シーズンは、2と2の間に挟まれた0。J2での0。それを最後に1にかえる。つまりJ1昇格を決めるシーズンになって欲しい。
背番号は、0が先行しているが、後で1が追いつく10番の宮崎 幾笑選手の活躍でのJ1昇格達成に期待して、応援したいと思います。

今季も、もちろん10番のユニフォームを購入です。個人的に、歴代ユニフォームで一番カッコいい感じた、2021シーズンのユニフォームでのJ1昇格に期待したい。

2021シーズンの最初の記事は、新10番「宮崎 幾笑」選手にフォーカスを書かせて頂きました。


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新10番「宮崎 幾笑」選手を。
そして、「ファジアーノ岡山」というチームを。
更には、「ザスパクサツ群馬」、アルビレックス新潟」、「ツエーゲン金沢」、「FC東京」というチームを。
もっと言うと、「Jリーグ」を。
究極になりますが、「サッカーを愛するサッカーファミリー」を。

応援して頂けると幸いです。


コロナに負けず、コロナ前のサッカーのある日常が戻って来る日を信じて、今季も一緒に戦っていきましょう。
最後まで、読んで頂き有難うございました。

不定期になりますが、今後とも、一点にフォーカスを当てて、記事を書いていきたいと思いますので、今後とも、よろしくお願いいたします。
重ね重ねになりますが、最後まで読んで頂き、有難うございました。

文章・図版=杉野 雅昭
text・plate=Masaaki Sugino

自分の感じた事を大事にしつつ、サッカーを中心に記事を投稿しています。今後とも、よろしくお願いいたします。