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2021ファジアーノ岡山にフォーカス46 J2:第42節:ファジアーノ岡山 vs ジェフユナイテッド千葉 「有難う有馬さん、有難う椎名さん、有難うファジ」

 運命のキックオフ。スタートと同時に岡山のイレブンは、ボールに凄い勢いで、食らいついていく。デュエル(ボール保持を狙った接触プレー)では、なかなか勝てていなかった。それでも、人数と運動量で、ボールを絡めとる。そして、奪ってゴールに迫る。冷静に試合に進めるファジが、守備のリスクとか、バランスの気にしないかのように、ボールを奪って、ゴールを狙って行く。でも、これは明らかなオーバーペース。先制点を決めることができなければ、苦しくなる。サッカーを愛し、ファジを愛する。戦術や分析とかをしている方は、そう感じていた方も多いのではないだろうか?

 しかし、だからこそサッカーの戦術に詳しい、この選手を良く知っている。このチームを良く知っている。そういった枠を超えて、サッカーというのは、こういうスポーツであると伝える選手達。時には、気持ちで戦う。気持ちを伝える。そういったことができるスポーツであるということが犇々(ヒシヒシ)と伝わって来た。しかし、現実は甘くなかった。

 主審の三上さん。レフリング(判定の安定感)が良くない方らしく、J1で吹くことが難しくなっている審判の方らしい。勝負どころのデュークが倒されたシーン、ボールに行った後に石毛の足に突き刺さった足、倒れたパウリーニョ。微妙な判定ではあったが、どれも吹かれる事がなかった。目の前で、コーチが、グローブを投げて、悔しがる。それだけのシーンであり、勝負を分けたプレーと言って差し支えない。

 気持ちが切れた訳ではないが、ここからファジは徐々に失速していく。気持ちではない。体が早くも疲れてきているのだ。ペース配分、バランス、ボールを落ち着かせる。それでも、そこにシフトしない岡山。この試合に勝利したい。でも、その先に昇格や残留があるわけではない。監督に気持ちを届けるために、勝利を届ける。そのために、冷静なプレー、いや我慢して抑えるプレーではなく、100%を超える200%のプレーで、千葉に勝つ。頭を使って、勝利することは、有馬さんが、ここまでチームに植え付けてきた部分である。その方法を90分でなく、一瞬の一瞬で出し切ることに注力する。そこに、一切の躊躇(ちゅうちょ)や迷いはなく、戦術やチームプレーで、自分達の悪い所を隠して、良い所だけを前面に出すのではなく、悪い所も良い所も出して、有馬さんに成長した自分、チームの姿をみせて、勝つのだという想いが溢れていた。

 ただ、千葉もここまで、12試合負けなし。そして、来季も監督の尹 晶煥監督は、来季も続投。10船山 貴之も退団が決まっている。千葉は、絶対勝ちたい。鬼気迫る岡山と、冷静で、勝負に徹する千葉。ここまで、違うのは、この試合への想いと背景からの違いである。どちらの気持ちが、正しいとか、大きいとか、そういった問題ではない。自分は、何を目標にサッカーをしているのか。そのサッカーで、何を伝えるのか。どういった内容のサッカーにしたいとか。どういった結果にしたいのか。プレーに集中しているが、心の奥にある魂が、そのプレーを選ばせる。試合後に上門も語っている。「攻撃が単発になった。いつもなら~○○なプレーをしていた。」勝つためにすべきこと、自分達のスタイルは分かっていたが。でも、そうしなかった。ファジらしいプレーと、言葉を口にした上門。

 そういった岡山の想いとは逆に、今季無失点であったセットプレーで、失点することとなった。一瞬落ち込むイレブン。しかし、すぐに切り替わる。想いが強ければ、切り替えは難しくなるが、そこでもう1つエンジンがかかる。そこで攻勢にでるが、ゴールを破れず前半終了。


 0-1のハーフタイムに私は、こう呟いた。いつもは、試合を見ながら合間を見て呟いていたが、この試合は、90分間集中してみると決めていた。そして、最後に勝つではなく、気持ちで負けないと呟いていたのは、冷静に見ると、これからの展開は、予測できるものがあったからだ。普段の試合やレビューであれば、そこについて問題点として、指摘していくが、この試合であれば、負けていても90分間これを続けて欲しいと思って、ハーフタイムにこう呟いた。そして、それがファジらしいと思っていた。

 それでも勝利を願っていて、信じて、後半を待った。勝負に徹するなら徳元を頭から変えてヨンジェを投入すべきであったほど、千葉は強敵であったが、ヨンジェを頭から出していく事はなかった。熱いけど、冷静であった有馬さんが、判断が遅れた。想像にはなるが、ハーフタイムに、選手に何を語るのか、試合前にから色々と考えて、スコアに応じて頭でシミュレーションしていたと思うが、恐らく有馬さんも勝利するということも大事と考えていたが、最後まで監督として、選手が成長できるためにどういった言葉が良いか。今後の選手の事を考えて、残る選手もいれば、残りたくても残れない選手もいる。残れるが、限られたサッカー人生、情ではなくプロであり続ける選手、引退する選手もいるかもしれない。そういった選手1人に、少しでも気持ちを伝えたい。そう考えて、判断が遅れたのであれば、有馬さんらしい。勝手な私の想像に過ぎないが、ロッカールームで指示を聞く選手達。考えると、今のメンバーで、有馬監督の話を聞くのも選手によっては、最後。もしかすると、泣きそうになっていた選手もいたかもしれない。何かを伝えたいという気持ちが強いと逆に、思い通りにいかないこともある。思い通りいかない悔しさというよりは、残り45分しかないと感じていた選手もいるかもしれない。感謝の気持ちを伝えるために勝利したい。その想いは、1つ1つのプレー重ねる毎に、一言交えるごとに、想いは深く、複雑になっていく。そして、それは、判断を鈍らせることとなる。

 そんな想いの後半戦。勝つために、冷静な千葉が襲い掛かって来る。体を投げ出して、クロスバーも体を張ってくれる。そこを超えてくる40櫻川 ソロモン。本当に、こういったチームには、細かい予測が大事で、次にどういったプレーをするかギリギリの対応が求められる。今までの岡山は、この部分が非常に優れていた。凄い集中力の根幹は、気持ちではあり、突き動かす原動力ともなる。詰めるべき所に詰める、埋めるべき所を埋める、これは普段であれば出来ていたが、今日は、より1対1を重視した。フィジカルの強い千葉に、次と次の勝負を仕掛ける超積極的な守備。どんどん突破される守備網。でも次の選手が、次の選手が対応する。いつもの岡山なら遅らせるプレーや、もしくは、動きを止めてさせてしまうプレーや、ミスをさせるプレーを選択することもある。何度も言って来たが、今日は、そういったプレーをしない。いや、しないじゃない。頭より体が動いている。足が止まっているように遅くなっていても、一方がなかなか出なくなっても、体が動く。0-2になっても不思議と動く。同点に追いついて、これから逆転するように動く。千葉に流れを握られていて苦しいけど、動く。ボールを奪いにチャレンジしたい。だからこそ、いつもと違うと感じるし、選手の成長もまた感じた。

 そして、ゲーム的には決定的な3失点目を喫した。普段なら頭で理解していても最後までやり切る。いや、理解しているからこそ、最後までやり抜く。そういったプレーをずっと続けてきたファジ。でも今日は違った。0-3になっても頭で理解するという感覚ではなく、今の自分達の力で、1点、2点、3点、4点と決めて、逆転できると本気で思ってプレーしている。この時になると、この岡山の気持ちは、対戦相手である千葉の選手や監督、サポーターにも伝わりつつあった。そして、審判のジャッジが不安定であるという評価を受けていた三上さんのジャッジにも変化が生まれた。正しいジャッジをするためには、間違わないようにする、難しい判定もしっかりする。この強い意識から気負うジャッジもあったように感じた部分もあったが、変化が生まれた。

 千葉のイレブンも0-3で、大差が開いて客観的に見て、勝負を決した状況であったかもしれないが、時間稼ぎや荒々しいプレーが、心なしか減って来たように思う。これは、私の主観で、千葉の選手のプレーに変化はなかったかもしれないが、私には、同じサッカー選手として、絶対感じる所はあった筈である。気持ちのぶつかり合い。それが勝負であるが、途中から気持ちを前面に出して、プレーでぶつかることが、プレーを通じて、心の交流になっていた。野球が、心のやり取りの例えに、キャッチボールの話題がでるが、この試合に限ると、1つ1つのプレーが、全て心のキャッチボールであった。本気には、本気で応える。想いの違いから内容や結果は、対称的な展開となっていたが、最後までこれは続けられる。

 そして、主審の三上さん。正しいジャッジをするという意識から、この時間を、1つのプレーを、1つの想いを大事にする。選手1人のプレーへのリスペストの気持ちへと変わっていた。審判の方も人間です。良い選手がいる一方で、出場機会を得ることができない選手もいるように、審判にも正確なジャッジがなかなか思うようにできない方もいる。その中で、誤審が、どうしても生まれてしまう。場合によっては、荒れてしまう試合も出てくる。サポーターや選手の言動などで、感情的になって、より判定が乱れる試合もあるかもしれない。でも、この試合は違った。三上さんにできる最高のジャッジを試合終盤にしてくれた。本当に感謝しかない。そして、そういったジャッジが出来たのも千葉の選手が、岡山の選手の気持ちに応えて、サッカーの本質の部分のプレーをしてくれたからだと思う。人間だから、勝ちたいとか、正しいジャッジしたいとか、そういったプレーは、試合終盤にも確かにあった。それでも最初よりは、驚くほど少なくなった。本当に感謝の気持ちしかしかない。

 そして、その時は、やってきた。勝負に徹する有馬さんが、情の起用と言われても仕方ない交代を見せる。ここまで、歴代ナンバー1とも言える安定感のある守護神梅田に代えて、来季の契約を勝ち取ることができず、ファジ一筋である椎名選手が、ピッチに送り出された。しかし、これは誰もが望んでいたことであった。そして、彼が投入される意味と、その影響力は、サポーターだけではなく、選手の共通理解であり、監督も最後だからではなく、0-3というスコアだからこそ、前に行く気持ちを奮い立たせるために、ピッチに送り出したと語っている。しかし、これは、誰もが思っていた。椎名が入る事で、1点を決めて、有馬さんに、勝利をプレゼントできるかもしれない。準備する姿を見て、誰もがそう願った。いや、そう信じていた。

 それだけではない。交代する時に、通常の試合であれば、悔しがっても不思議ではないGKの交代。しかし、最終節でのこのタイミングでの交代の意味、想いは、梅田は理解しており、梅田も交代を望んでいたとすら感じた瞬間が訪れる。それは、梅田と椎名が入れ替わる時である。それはまるで、秋田戦で、劇的同点打の後で、試合後にそのチームメートとして、お互いの健闘を称えあったデュークとヨンジェの厚い抱擁のようで、想いを椎名に梅田は託した。いや、椎名からGKとしての気持ちを託したのかもしれない。梅田が、この気持ちを岡山でもう少し続けてくれるかもしれないし、この熱い気持ちを清水に持ち帰り、サッカーをより魅力的なものにしてくれるかもしれない。この本当に数秒の抱擁であったが、この時の椎名と梅田との間に、加入時から一緒に岡山でプレーしてきたような気持ちが、そこにはあったように映った。

 ここからの岡山は、息を吹き返したかのようなにゴールに向かって行く。椎名の声が、足が止まっても不思議ではないイレブンを更に走らせる。ハードワークできる上門でも下を向く試合もあったが、この試合は、それ以上に走っている筈なのに、足を止める選手は1人もいない。開始して、すぐのような速さではない。運動量も恐らく落ちている。でもプレーしている選手、監督、サポーターには、まるで、試合が始まったかのように走れていた。千葉の選手もそのプレーに応えてくれる。気持ちでサッカーをしてくれる。小さいファールやこの時間帯でのミスはあるが、ゲームが止まる時間は少ない。しかし、逆に一緒にプレーする選手達を見る時間も少なくなっていく。

 そんな時に、その瞬間がやってきた。ヨンジェのゴールである。本当に90分間通して、欲しかったゴールであった。本当に、ヨンジェにとってもチームにとっても苦しい一年であった。ヨンジェがいればと、ずっと思っていた。ここまで1ゴールしか、見ることができてなかったヨンジェのゴール。でも、本当にそういった現実を超越する何かが、そこにあった。プレーオフでの松本戦の赤嶺とは違ったものがあった。意味が全く違い比べるものではない。それどころが、岡山が決めてきたゴールが全て集まって、生まれた岡山での初ゴールであるかのようなゴールであった。記録上は、ゴールは、増えて行き、色々なゴールがあった。泥臭いゴールや、凄いゴール、疑惑のゴールもあったかもしれない。本当に色々なゴールがあった。そして、そういったゴールが決まる度に、想いが加算されて行き、ファジの中の初ゴールとして、続いていく。試合と想いが、どんどん募っていく重みが、どんどん増していく。このゴールは、ファジの歴史。ファジの想い。ファジのDNAだ。ここまでこの初ゴールと主張してきたが、この試合を見た誰もが忘れる事ができないゴールとなった。ヨンジェのゴールだが、得点者は、有馬ファジ。いや、ファジアーノ岡山である。クラブで決めたゴール。結果的には、勝敗を超越したゴールとなった。この後の岡山には、同点から逆転に追いつく実力も時間も残されていなかった。

 悔しいがこれが現実。でも、これがサッカーだ。京都戦で、ファジ史上最もエキサイティングなスコアレスドローと表現したが、ファジ史上最もサッカーの神様に愛された完敗である。終盤戦に、上位相手に、互角以上の内容と結果を残し続けてきた中での有馬監督の退任。最初は何かの嘘かと思った。いや、まじで?この内容で、最近のこの結果で?もちろん、その背景や、三年間の結果や最終的な順位や、3年間という他クラブでは考えられない十分過ぎる期間。一年で解任されることや、シーズン途中で解任される監督の方が多い中で、岡山は、長い期間監督を任されている。岡山サポだと、なんで?と思うけど、他サポから見れば、もしかすると、この成績で、何故3年も監督できるのと不思議に思っている方もいるかもしれない。しかし、それがファジです。ファジに関わる全ての人が知っている。1人の想いを本当に大事にする。そういった気持ちが、ファジの粘りを支え、有馬さんを岡山に連れて来てくれた。ファジに関わった今までの全ての方の想いがあるから、今の有馬ファジが生まれた。いや~だって、そうでしょ?12試合負けなしで来て、ファジのリーグ戦での最小失点がかかっていて、勝てばホーム通算で100勝。有馬さんを監督として、記憶だけではなく、記録としても残せるチャンスがあった試合。普通に考えれば、全て達成、更新した方が良いでしょう?でも、この試合は、そうでなかった。0-3になったからこそ、千葉にも岡山の想いは伝わった部分もあったし、三上さんのジャッジも良くなった。そして、椎名がピッチにでることの意味も強く感じた。0-3という流れからの1-3にしか結果ではできなかったゴールだけど、まるで、試合が終わった後に、勝ったんじゃないかと思うぐらい、嬉しくて、決まって良かったと心より思っていたし、シーズンのほとんど怪我に苦しんでいたエースのヨンジェが決めた。本当にスコアで負けていて苦しい時も、怪我で試合に出ることができなくて、苦しんでいる選手や、試合に出ることができなくて悩んで苦しんでいる選手、結果を残す事で感謝を伝えたい選手、本当にいろんな人に夢と希望を与えてくれたゴールであったと思う。試合になる前は、勝って欲しいと思っていたけど、勝つために頑張っていた選手や監督、後押しして応援していたサポーター、またこの試合を支える全ての人に申し訳ないけど、私は、この内容と、この結果以外は考えられない。対戦相手も千葉が良い。審判も三上さんが良い。本当に感謝しかない。気が付いていたら視界が濁っていた。なんかしょっぱい味がした。マスクも湿っている気がする。なんでだろう。

 気が付いたら試合は終わっていて、ついにその時はやってきた。椎名選手の挨拶であった。内容は、もう最高過ぎた。また、不思議なことが顔で起こっていた。しかし、私は、椎名が、こんにも響く挨拶ができて、感動させてくれる選手だとは思っていなかった。申し訳ないけど、叫んでいるだけみたいなイメージすらもっていた。ただ、シーズンを重ねて、自分も歳と重ねて行く中で、声を出す事の難しさや、練習での椎名選手の存在の意味が少しずつ分かりつつあった。そこを伝えてくれるメディアの存在もあって、少しずつ浸透しつつあった。普段は、冷静に、素人なりに、ファジを戦術や組織とか、凄いプレーとか、なんか捻りだして、ファジの魅力や面白さを誰かと共有したくて、色々と書いてきたけど、この試合では、そこを超越したサッカーは、凄いスポーツだと知る事ができた。そして、私がサッカーに対して、ファジに対して知っていることは、ほんの断片に過ぎないことなのだと思った。JFLの時からファジを見てきたけど、椎名選手のことを全然理解できていなかった。飾らない椎名選手の挨拶。本当に心に響いた。これが、同じチームで13年間やってきた想いの重さだと感じた。同時に、その期間の中に、別れという辛い事もあっただろうし、試合に出ることができない苦しみ、そして、シティライトスタジアムでプレーできた時の喜びが至福の時であったのだと。そして、この試合で最後にピッチに立てて、最後の決定機では、クロスバーに当たって決まらなかった。いや違う、この後ボールは、競り合って倒れていた椎名に当たって、相手GKの1新井 章太にがっちりキャッチされて、ボールを蹴られることなく試合は終わった。まるで相手GKの1新井 章太にも想いを守って貰えているように終わった。これは、決定機逸機じゃないサッカーの神様が、椎名への送ったエールである。サッカーの神様が、倒れる椎名にボールを当てて、肩を叩いた。観る人は見てくれている。だから、苦しくても頑張っていれば、望む結果が出なくても報われる。成功だけじゃない。失敗しても見てくれている人がいる。椎名は、レギュラー争いに勝つという本質の勝負では孤独で、本当の気持ちを隠して、プロとして戦って来た。だからこそ響いた。本当に良かった。ありがとう椎名。次なるステージでの活躍を心より祈っています。

 有馬さんの挨拶、ごめん椎名選手の挨拶が良過ぎた。それもその筈、椎名は13年、有馬さんは、3年。比べちゃだめとか言って来たけど、積み重ねてきたものはやっぱり違う。でも、有馬監督だから、この試合が、感動的になったし、椎名の挨拶がより響いた。椎名が、ファジで頑張ってきたから、有馬さんに出会えた。ファジに関わる人に会えた1つ1つが奇跡。椎名の事を選手としてだけではなく、人として知れた。恐らく、今後も選手は、プロとして、人である事を隠し続ける。それがプロ。でも人である。このレビューで、選手を呼び捨てしているけど、後には「選手」(「さん」など)が、心の中ではしっかりついている。本当にリスペクトしかない。この試合の最後には、スタジアムにある全ての人が、全ての人にリスペクトの念を抱き、プレーや言葉、仕草を尊重していた。本当にサッカーを通じて、選手の想いは、有馬さんだけではなく、サポーターやこの試合をみた人に伝わった。この想いは、どんどん広がっていき、繋がっていく。それが縁である。

 そして、終わりの時はやってきた。選手の写真撮影。凄く長く感じた。毎年、表情を電光掲示板の画面に映していたかな?こんなに長かったかな?もしかしたら、例年通りであったかもしれない。しかし、この記念撮影の表情を見ていて思った。最高の写真にするために選手は笑顔にする。最高の思い出にするために笑顔にする。有馬さんを笑顔で送り出したい。本当に色々な気持ちがあると思う。でも、私は思った。これは色々な感情を抑えてのものかもしれないし、作った笑顔かもしれないが、これは、この試合で全てを出し切って、伝え切れたからこそ、感情をも超越して、その心の奥底にある感謝の気持ちが、負けた悔しさや、昇格できなかった悔しさや、別れの辛さ、有馬ファジが終わる悲しさ、こういったことを意味する試合終了であったけど、有馬監督の過ごした3年間、もしかすると、一日、いや1時間、いやいや1秒。そんな時間の短い長い関係なしに、本当にスクリーンに映し出された時間の間、笑顔を崩される事はなかった。本当にゴールを決めた瞬間を抜き出してかのように嬉しそうな笑顔、作り物ではこんな笑顔はできない。人がこんなに笑顔を持続することはできないから、作り物であることに違いない。分かっていても、そこに笑っている選手達や監督、サポーターの姿があった。自分に嘘をついているかもしれない。笑って別れたいとか良く聞くけど、こういうことなのだと思った。なんか最後の最後に巧く表現できないけど、そう思った。集合写真をとる選手と監督の笑顔の表情が見ることができた。有馬ファジが終わることの凄く悲しい気持ちから救われたし、ファジを応援してきて良かったと思った。1週間後にレビューを書いたりして、昨日投稿したレビューで書いた最後の一文。

 そして、皆さんが、色々な形で、有馬監督や退団するGKのレジェンド1椎名 一馬選手への感謝の気持ちを伝えて行くと思うが、そこにどういったドラマがあり、感動的なものになるのか、正直予想がつかない。しかし、この日は、来季に向けて大事な一日になる。そして、ファジをより好きになる日になりそうな気がしてならない。

 ファジだけじゃなくて、ファジに関わる全ての人をより好きになれた一日でした。ファジを応援していて、良かった。サッカーが好きでよかった。これは、有馬さんが、凄く素敵な監督であったのも事実だけど、ファジが継承してきた想いがあるからこそ、この感動が生まれた。その時々の想いの相違やこの試合は、記録には1-3で敗れて、11位に終わって、記録的には、大きな意味をもたない。しかし、記録を超越した記憶の歴史として、後世に語り継がれていく。試合前のTwitterでの呟きで、記録にこだわっていたけど、この記憶は、他では得る事ができない特別な感動、感情で、幸せなひと時でした。

 こんな素敵なファジには、今後も色々な出会いや別れがある。その時々に色々ある。その出来事に対して、歓喜することもあれば、憤怒することもあるかもしれない。もしくは、哀愁に包まれるかもしれない。でもそこに相手を敬う気持ちを持ち続ければ、辛い時もちょっと楽しいという気持ちを抱けるかもしれない。有馬監督は、唯一、悔いに残ったことは、サポーターの交流ができなかったことや、スタジアムで、直に応援を受けることができなかった期間が長かったことであると語ってくれた。サポの1人として嬉しい。私は、声を出して応援するタイプではなくて、手拍子はするけど、サッカーを目で、しっかり見て楽しみたいと思って、スタジアムに足を運んでいる。だから、私からできることは、いつもと変わらない。でも、色々なサポーターがいて、色々な応援スタイルがある。恐らく今後も色々なことがある。それのどれが良くて、悪いとか、色々な意見や想いがあると思う。私も色々とここまで、書いてきたけど、SNSで問題となっている誹謗中傷に近い感じで、傷つけたことがあったかもしれない。もしくは、トラブルに近い事があったかもしれない。これは、ネット以外でなくても、直接あっても同じである。でも今は、その時と違って、考えが違って不満に思う事は正直あるけど、相手のことを理解したいという気持ちは強くもっている。そう思えるようになったのもファジだけではなく、今まであった1つ1つの出来事が出合いや別れが、今の自分を構成するようになったのだと思う。サポとチームとの交流や応援には、多くの制約が生まれ、サッカー以外の公私の至る所で、我慢を強いられている。こんな苦しい時でも頑張れば良い事がある。そう感じた試合となった。だから、有馬さんには、確かに悔いの残ったことかもしれないけど、その制約の中で、どうお互いに気持ちを伝えるのか。色々と考えて、声は出せなかったけど、サポーターとチームがお互いに支えあい、それは、サポーターとサポーター、選手と選手、監督と選手など、細かく見ていくと、色々とある。だから、私はだけど、こういった時期だからこそ、ベストではないけど、良かった事もあった。辛い事もあった。サポーターの声も選手に届けることができなかった。その分監督の声は、選手によりはっきりと届いていたし、サポーターにも色々と届いていた。審判に抗議する有馬さん。選手に冷静にコーチングする有馬さん、選手を熱く鼓舞する有馬さん。最後に深くゆっくりと頭を下げて、挨拶してくれた有馬さん。多くのサポーターに向けての挨拶だけど、サポーターの誰もが自分だけに向けてくれたのではないかと思うぐらい熱く静かで丁寧なものであった。それは、有馬ファジのサッカーそのものであるし、もしかしたら、こういった時だからこそ、そういった関係になれたのかもしれない。声が出して伝えることができないからこそ、お互いに知りたいと思う。お互いに伝えたいと思う。苦しかったからこそ、これだけの絆が出来た。有馬さんも素敵であったけど、こういった状況だからこそ、分かった部分もある。有馬さんは、直に応援や声や、交流できなかったかもしれない。でも、それによって失ったものもあれば、得たものもある。周って行く中で、その一歩一歩を噛みしめつつ、サポーターの1人の1人の表情から声を聴くように回っていた有馬さんには、本当に感謝の気持ちで、別れを惜しむ気持ちで、自然と溢れ出す涙の声。本当は、声ではなくて、涙をすする音なのだけど、声が出せて、ざわついている時には、絶対聞こえない小さい音だけど、その瞬間を最後まで全力で、礼を尽くし感じていた有馬さんには、聞こえていたかもしれない。それを聞いて悲しくなって、涙することなく、笑顔のような表情で歩いていた有馬さん。きっと、私達の心の声は、有馬さんに届いていたのだと思う、もしかしたら、有馬さんには、ファジアーノコールが聞こえていたのかもしれない。そう信じたい。最後に、円陣と、有馬監督を胴上げされる有馬さん。本当に監督して、最後までファジのために全身全霊で、戦ってくれて有馬さん、感謝しかありません。本当に有難う。

 そして、椎名選手。本当に、プロとして出場できない苦しい気持ちや、出場できた時の喜び、サポーターの声援や気持ちが、力になってくれていると、言ってくれた感謝の気持ち。そして、素直に自分達の弱さを認めて、一緒に戦って欲しい。助けて欲しい。飾ることなく、ストレートに言えるそのサッカーへの情熱と、ファジへの愛。本当に、ファジを愛する1人として、感謝の言葉しかありません。本当に有難う。

 そして、椎名選手と一緒に岡山をさることになった田中選手、増谷選手、山本選手、ブレネー選手、本当にファジのために最後まで一緒に戦ってくれてありがとう。

 そして、これから、発表が出てくると思うので、先に伝えたい。今までファジに尽くしてくれて、本当にありがとう。

 そして、来季も一緒に戦ってくれる選手、監督、サポーターの方々、今年も有難うございました。来年こそは、J1に向けて、一緒に戦っていきましょう。よろしく願いします。

 最後まで、読んで下さり有難うございした。




 余談ながら、SNSで交流のあった千葉サポの方と話をする機会がありました。偶然にも歳が近く、とても優しい雰囲気で、話し易い方でとても話は、盛り上がりました。1時間以上話をしたかもしれません。私は、小さい頃は、どちらかと言えば野球派でした。ただ、Twitterにも書いていますが、ゲームも好きでした。そんな中で、某サッカーゲーム。クラブ経営のゲームです。ご存知の方は、知っていると思います。そこから、サッカーを好きになりました。代表に興味を持つようになって行く中で、見て行く試合も増えて行きます。本当にきっかけは、人それぞれです。今でこそ、サッカーは、岡山では、主流になりつつありますが、昔は、なかなかそうでなかったと思います。その中で、身近に夢として考えて、ユースに入ってくれる子供たちがいます。中には、途中で挫折する子もいるかもしれません。でも、それも貴重な経験です。選択肢にファジの選手になる。という選択肢があることは、とても幸せな事だと思います。椎名選手がいっていたこのスタジアムでプレーしたい。そう思えるクラブのスタジアムに足を運べる、もしくは、目指せる環境があることは、とても幸せなことです。その結果、実現できなくても、プロになるという結果を得ることができなかったとしても、サッカーを通じて、出会って来た指導者であったり、仲間であったり、ライバルチームの選手であったり、それは、きっと財産になるでしょう。だから、若い子には、そういったことが、幸せなんのだよということにサッカーに限らず、何かを通じて、感じることができるようになって欲しい。それが、50歳でも良いと思います、100歳で良いと思います。ファジのJ2に来てからの歴史は、J1に昇格できていないという事実だけ見ると、近年は、失敗かもしれません。でも、どうですか?それは、辛いだけの日々だけでしたか?そうではないですよね?子供と書いているから、若い子に向けて、いえ、良く言うじゃないですか。親からすると、子供は、何歳になっても子供だって。まぁ、なんと言うか結局は、気持ちは何歳になっても変化をしても一緒。本当に何があるか分からないのが、人生ですよね。

 ちょっと、かなり脱線してしまいましたが、ゲームの流れで、代表とかに興味を持って、そこからアベッカム(阿部勇樹)を好きになって、オシムさんの千葉を好きになりました。オシムさんの言葉は、とても魅力的で、サッカー以上のものを、その言葉から感じる事ができました。そこから、色々と間違い続けて中でも、この有馬ファジに心から感謝できて、楽しめたのも、オシムさんの言葉の影響も大きいですし、阿部勇樹のように、まるで、岡山の選手のような慈愛に満ちた熱さと優しさ。そういった魅力的な選手や監督からサッカーに入れたから、今のサッカー観に辿り着けたのだと思います。奇しくも千葉サポの方は、親に連れられて、応援し始めたらしく、実際は違うかもしれませんが、応援し始めた時期は近いそうです。その千葉サポの方が、現地で、がっつり応援されていた時に、私は、TV中継される代表の試合が楽しみで、ジェフの方は、TVで放送された時もあれば、一度ですが電気屋で、たまたま放送されていた有料放送?もしかすると、ただの地上波かもしれませんが、1時間ほど、立って見ていた迷惑な客になったこともありました。電気屋は、広いので、そこに立っていてもTVをチェックの邪魔をしなければ、店員も何も言えないのかもしれませんが、一度だけとはいえ、すいませんでした。

 それでも、あの伝説のカップ戦の決勝はしっかりTVで見ましたよ。当時の遠藤は、コロコロPKという神業的なPK職人でした。コロコロPKを知らない方がいるかもしれませんが、もしそうであれば、検索して見て頂きたいです。そのPKを二度止めた男が千葉の守護神、立石智紀です。いや、この試合が千葉を応援していた時の最大の喜びでした。その後に、オシムさんは、代表の監督に引き抜かれて、千葉は、そこから停滞していくこととなります。停滞の理由には、色々ありますが、その中で、少し距離をおくようになっていたのか、応援していたのか、ちょっと覚えていないのですが、少なくとも代表で見るオシムさんの言葉やサッカーでも、色々と込み上げてくるものがありました。しかし、運命とは残酷で志半ばで、病魔に襲われます。オシムジャパンは、解体し、後任にあの岡ちゃんが就任します。その時は、心は広くなかったので、不敬にもあの岡ちゃんにも不満を募らせていたというよりは、オシムのサッカーが見ることができなくなった失望感に襲われていました。しかし、岡ちゃんは、苦しい中でも、チームをまとめあげて、難しい大役をやってのけて、W杯出場権を掴みました。

 そんな、サッカー好きからファジ好きに変わったのは、2009のJFLの時からです。開幕からではないですが、知人に誘われて、一度見てからは、徐々に足を運ぶようになっていきました。J2に上がってから、2年目にして、シーズンパスデビュー。当時からサッカーを見易い所でみるスタイルでした。当時は、自由席であったので、なかなか座りたい席をとることができなかったり、日に焼けまくったり、雨に苦しめられたり、色々とありましたね。その時の楽しみは、知らないサポとの交流です。当時は、今ほどサポーターも多いわけではなかったので、比較的周りは空席の時も多かったです。なので、何度か話をするときとかもありました。ファジを一年しか見てないのに、サッカーを語ったりしてましね。うん、ただの馬鹿ですね。でもなんというかその情熱があれば、結構気持ちは伝わるもので、サッカーを楽しみとか、1つ1つのプレーに一喜一憂するということには、変わりはありません。そういった交流の中で、忘れられない想い出は2つあります。

 1つ目のエピソードは、岡山のJ2初勝利の時です。広島サポの方が来られていて、全く知らない人なのですが、一緒に見ようということで、定位置に誘いました。全く知らない人で、岡山サポですらないのですが、隣県のファジアーノ岡山の存在が気になって足を伸ばしたようです。プライドオブ中四国という取り組みで、中四国のサッカーを盛り上げようとのが、何処かのタイミングで始まったのですが、広島は、そこに唯一入らないのですよね。なんというか、強さと歴史で、プライドオブ中四国を盛り上げてくれている気もします。そこに加入しなくても、サポとしては、ファジを気にされている方もいた。これも、今のJリーグとは変わらないですね。まぁ、プライドオブ中四国が、J2で一番盛り上がったのは、岡山、徳島、愛媛、鳥取で4チームであった時と、岡山、徳島、愛媛、讃岐の4チームであった時かな?最近の記録や記憶が曖昧なので、5チームも有った気がしますが、来季は、岡山と、山口、徳島の3チームですかね?中四国のクラブ数の総数は増えているのに、J2のクラブチームが減っている。どのカテゴリーでも楽しめるようになった点だけは、良いかもしれませんが、できれば、J1という最高峰のリーグに、全てが中四国のクラブが集結するのが、理想ですが、難しいでしょう。近場のアウェーが減るよりも、お互いにプライドをかけて戦って気持ちをかけて、戦えるダービーと言えるチームが、同じカテゴリーから降格する(減る)事は、マイナスはあってもプラスはほぼはない。本当に負けたくないチームの1つでもありましたが、愛媛の降格は、ショックでした。愛媛にも交流のあったサポの方がいらっしゃったので、本当に辛いです。また、J2以上のカテゴリーで戦える日が来ると信じて、岡山サポですが、来季の愛媛。同じ中四国の鳥取、讃岐を応援したいと思っています。J2に同時昇格の富山も応援したい気持ちもあります。理由は、その気になれば、何処からでも出てくる気がします。本当にJリーグクラブが、多くの都道府県にできて、その中の頂点を目指す素敵なリーグだなと思いますし、今後もより増えて、もっと良いリーグになって欲しい心より思うばかりです。岡山に来て下さった広島サポの方のように、サポとの交流は、自然と広がっていく。その広島サポと話していましたが、その人はとても幸運でした。確かあの喜山選手が、ゴールを決めて、J2初勝利を決めた試合だったと記憶しています。広島サポの方も岡山サポのように喜んで下さりましたし、とても良かった出会いの1つです。

 2つ目のエピソードは、そうですね。これは、自分でも自分らしくないですが、サッカーをついつい考えて見てしまう私が、サッカーを全く分からないおじさんと、なんとなく会話していたというか、話かけたというよりは、偶然横だったみたいな感じなのですが、何を話したか覚えてないですが、試合後になんか、気が良くなったのか、本当に要らなかったのか、試合後に、甚平が来て来場したら手ぬぐいが貰えるという試合でしたが、いらないから上げるよと言われました。形式上は、私も「いえいえなんか悪いです」と、遠慮する返答をする。おじさんは、「いらんから」と、ごり押しではないですが、渡されました。口では、遠慮していても内心欲しくて貰えるものは貰うというスタイルだったかもしれませんが、戴きました。しかし、思わぬ副産物もついていました。「最後に汗臭いけど」と言って渡されました。少なくとも、私にはそういった趣向はないので、匂いは嗅いでいないと思います。なんか、どこでもありそうな話ですが、覚えている数少ないエピソードの1つです。

 ファジを応援していく中で、本当に色々とあったこれまでです。凄く濃いように感じてくれた方もいると思いますが、もっと上には上がいると思います。そうですね。JFL以前からのサポーターですね。色々な人と話しているようで、一部の人しか話さない人見知りでもあったので、そんなに交流は、広くないです。どちらかと言えば、狭く深く希望しています。だから、詳しくは一度も聞いたことが無くて、メディアやクラブを通じて、少し知っている程度です。今でこそ、昇格ができなくても次のシーズンはありますが、当時は昇格できなければ、クラブ自体が、消滅する可能性があるだけに、本当に選手と監督と一緒に、泣いて喜んだ、それこそ、そこに選手とサポーターの境界線がなかったのではないかと、色々と聞いていると感じますね。本当に、貴重な経験でしょうね。そして、人によって、岡山にあった現ヴィッセル神戸ですね。スタジアムなどがあれば、岡山で、プロクラブとなっていただけに、そこからプロ不毛の地とまで言われた岡山。長かったでしょう。今しか知らない方にとって、ファジがない生活は、信じられないでしょうし、岡山でプロクラブになる筈のチームが、岡山を去る衝撃、負ければ消滅するかもしれない恐怖。こういった部分は、多分そうだと思うという記憶頼りに書き綴っていますが、そういった想いなどもあり、今のファジがあるのだとも感じます。

 そこからプレーオフや、選手の入れ替わりや、監督の交代など色々とありましたが、今日は私が最初に応援していた千葉のサポの方と話できた日であり、有馬さんが、退任する試合。阿部勇樹も引退したシーズン。そして、まさかの両チーム負けなしが同じ12試合。見木と上門が13得点同士。両チームとも長くクラブに所属した選手が、満了となっている。岡山が、無失点で終えれば、ファジの最少失点の更新。勝てばホームで通算100勝。結果は、レビューで書いた通りですね。負けなしは途切れて、見木にも得点を上積みされて、失点も無失点どころか3失点もしてしまった。ホーム通算100勝もならなかった。退任する監督やチームを去る選手に勝利をプレゼントできなかった岡山。千葉の長くいた選手は船山選手。試合終了後に満面の笑みを浮かべていました。しかし、千葉サポの方の話だと、その後のサポーターへの挨拶で、船山は泣いていたようです。一方で、岡山で13年もいた椎名選手は、自身も泣くと思っていたとコメントを残していたが、逆に気持ちが高まって、最後までやりきったという笑顔でした。3試合+この試合の4試合。椎名とファジの不思議な関係、話を聞いていると、椎名選手が、ファジで出場したのは4試合ですが、13年間全試合出場したという同じモチベーションで、苦しい時も声を出してきたからこそ、本当に全試合出てきた選手が出てきたのと、同じ重みがある4試合であるし、試合にでることができなかった選手も、試合に出ていた選手も、チームである時は、同じ夢を抱き、同じ目標を持って戦えて来た証であるし、それが、ファジだと思いますし、ファジの良さであり、ずっと残したい、壊したくない、変えたくない、守りたい。そういったファジの宝だと思う。ファジに関わる全ての人にリスペクトの心を持って、これからも、ファジを通じてサッカーを楽しみたいと思っている。

 ブログを書かなかった時期もあったり、SNSでの距離感を間違えたり、変なエゴで、対立することもあったり、戦術やサッカー観で、自分との相違がある人に正直イラついたこともあったりした時期もあったけど、そういった未熟であった私が、リスペクトする心が持てるようになったのもサッカーも大きいですし、公私を含めて、全てでの出会いと出来事に感謝しつつ、この気持ちを大事にしつつ、多くの人と、サッカーのある日常の喜びを共有して、楽しみたいと思っています。本当に何があるか分からないので、サッカー好きでもサッカーを見ることができなくなるかもしれないけど、サッカーはずっと好きであることは、不変であると断言できる。こんな私ですが、もし何か交流する機会がありましたら、今後ともよろしくお願いいたします。

 本当に最後に色々とあったけど、今日はなんだろう。一番うれしかった。いや一番とも言えないかもしれないけど、とにかく嬉しかったのは、今日あった千葉サポの方の何気ない一言がとても嬉しかった。それは、お世辞だったかもしれないけど、ファジサポなら誰でも嬉しいと思う。

「ファジサポになりたいと思った」

 本当に、凄く嬉しかった。泣くほど嬉しいとか。そういったのは違うけど、感動して泣く人も多かった、椎名選手の最後の挨拶の想いは、初めて、岡山の地に来たSNSで、ちょっとだけ交流した程度の認識で、この試合も千葉の選手がゴールを決めて、こっそりアクションを起こして喜んでいたぐらいの千葉サポだが、その方が、ヨンジェがゴールを決めて喜ぶ周りのファジサポの多かった事に驚いて、初めて周りに千葉サポ以外が多くにいたことに気づいた方であったが、セレモニーを終えた後に、上の一言が出てきた。これは、本当にファジの創設時から尽力してくれた関係者や、ファジに関係した選手達、ファジのサポーター達が、聞いて一番嬉しい言葉だと思う。

 私が、レビューを書く中で、相手チームのことやサッカーについて、触れる事があるのは、当然読み手には色々な方がいるという前提の下、ファジサポだけではなく、相手チームのサポの方、そして、両チーム以外のサポの方、サッカー好きの方、そういった人達に少しでもサッカーの良さを伝えたい、ファジの良さを伝えたい、そして、対戦チームと戦って良いと思ったことを伝えたい。人間なので、間違う事もある。ここまで、書いてきた中で、誤字脱字や、正しいと思っていても間違っているかもしれないこと、そもそも日本語間違えて覚えて、そのままインプットしているかもしれないこと。そういった表面的なものではなく、主張自体が、的外れや失礼であることもあるかもしれない。そういったことを発信して、色々なレスポンスがある中で、考えが深く、想いを深くなっていく。その中で、最近は、Twitterがメインとなるが、「ファジサポになりたいと思った」といった感じの事をいっていただけると、嬉しいという事は、この一言を聞く以前から、少しずつではあるが理解できるようになってきてはいた。

 時には、厳しい事や、耳が痛い事も主張することや、言わなくて言いことに感じてしまうことを言ってしまう事があるかもしれない。でも、自分の感じた事を、どう立場が違う私が、当事者に伝える事ができるのか。リスペクトの気持ちを大事にする。これは、今日ファジから最も感じた部分であるが、そこに立ち返って。相手の気持ちを少しでも理解しようと、少しでも良い表現で、そういった気持ちで、発信してきた。その中で、今季であれば、Twitter上ではあるが、磐田サポの方と、DMでやり取りするなど、SNS上ではあるが、交流できた。人見知りなので、通話や対話は怖いが、文章なら言葉を吟味して、やりとりできる。この辺りは、人それぞれだと思うけど、そこで、出来たことで、心より磐田の拍手とサッカーのリズムのシンクロ率が、凄いと感じたのも嘘偽りはない。そして、磐田サポの方に、そのツイートには、多くの反響があった。そして、やっぱり、磐田は、格式と伝統のあるクラブで、多くのサポーターに愛されていて、こんなに多くのサポーターがTwitterでもやりとりしているのかと思った。正直羨ましいと思ったし、J1にまた戻っていくし、あの遠藤もいる。遠藤以外にも凄い選手がいる。本当に、壁とか先入観とか、意識次第で、見え方は多分全然違って来る。それがサッカーだと思う。ぎすぎすしている部分や、嫌な部分がニュースになることもあるが、多分、こういった気持ちがないんじゃなくて、知らないだけだと思う。それはそれで、自由みたいな言葉のように良く感じる部分もある。安易に考え方を変えた方がとか良いよとかは、私はいわない。でも、相手を傷つけたり、ルールーを破ったり、そういった問題だけは、起こさないで欲しい。ここが、最低限守れている方は、心奥では、きっと相手のことも無意識に思いやりの心をもって、リスペクトしている部分はきっとあると思う。良くいるでしょう。口は悪いけど、めっちゃいい人とか。怒るけど、凄く優しい人とか。まぁ、でも中には、そりが合わない人がいると思う。だって、人間だから。そういう時は、距離をおこう。それも大事なことであるし、それができるのも勇気。1つ1つでの言葉、1つ1つの行動で、印象は大きく変わる。逆を言えば、一度ついた固定概念を変える事も大変だと思う。色々と、こういった部分に思う事もあるし、人がいるだけ、色々な人がいると思うし、感じ方も違うと思う。だからこそ、SNSを正しく利用して、素晴らしいツールとして、今後も使って欲しいと思う。

 石毛、梅田、リヨ、デュークの4選手を観て、清水を応援したいと思ったし、多分こんな感じに全部のクラブの良い所を知ってしまうと、全クラブを応援すると思うけど、そこは、Jリーグを応援するという気持ちになるし、代表を応援したいという気持ちにも繋がっている。

 そんな私でも、今の日本代表は、残念ながら私に限ると、心から応援するという気持ちになれない。そう感じる部分もあるのも事実だが、サッカーを好きな人がこの状況を変えてくれると信じて、厳しいことを言ってしまうかもしれないが、心の奥、日本サッカーの発展と成長を祈りつつ、私の想いをファジ多めですが、どんどん発信をしていこうと思う。言いたい事は言えたつもりだけど、こういった想いは、サッカーを応援していくなかで、変化することもあれば、変わらない事、また想い出も増えていく。辛い事もあるかもしれない。でも良い事もきっとあると思う。そこは、間違いない。そして、私自身、今後間違えていくこもとあるだろうし、今も色々と間違えていることもあると思う。前進できる勇気を持てる自分になりたい。そうありたいよね。本当に勇気を貰えた一日であった。本当に有難うという感謝の気持ちしか今はない。そして、こんな私ですが、明日からも、よろしくお願いします。

 泣きながらレビューを書いていた意味の分からない光景、過去一番の膨大な量だが、自分でも半信半疑と感じるぐらいスピードで書き上げる事ができた。これが気持ちの溢れ出すということなのかもしれない。これが、サッカーの良さであると思うし、本当にサッカーに出会い、ジェフに出会い、そこからファジを14年間応援してきて良かったし、これからも応援していくと思う。そして、一緒にサッカーを楽しむ仲間が、ファジを応援する仲間が、これからも増えて行って欲しいと心より願う。

文章・画像=杉野 雅昭
text・photo=Masaaki Sugino


自分の感じた事を大事にしつつ、サッカーを中心に記事を投稿しています。今後とも、よろしくお願いいたします。