見出し画像

読書日記~横田順彌の本の巻。

 中学生の頃、読んだ小説で人生が変わってしまったと実感してしまい、それが未だに続いている私です。

 日本SFを読み始めたきっかけは非常によくある話だと思いますが、筒井康隆さんの「七瀬ふたたび」がドラマ化されて、これは原作本を読まなければ!と思ったからなんですねー。
 
 そして、薬師丸ひろ子さんや原田知世さんに渡辺典子さんに憧れて、角川書店から出ていた「バラエティ」を読むようになったりと色々な偶然が重なったこともありますが。

 そんな時読んだのが平井和正さんの「超革命的中学生集団」という本でして、これが中学生だった私の心にメチャクチャ響いたのでした。
その小説の主人公の名前が横田順弥だったのですよ。小説のあとがきで横田順彌という作家がいて、その小説がとにかく面白いとかなんとか書いてあった記憶があります。

 横田さんの小説はハチャハチャSFといわれているとか、その小説を読む前から色々な知識が入っていた記憶があります。
て、初めて読んだ横田さんの作品は集英社文庫から出ていた「銀河パトロール報告」だったのかな。
あまりに悪ふざけした内容とオチに感動してしまって、読み終えた時には横田さんのファンになってしまいました。

 後々、「銀河パトロール報告」を最初に読んだのはとんでもなくラッキーだったと作品を集めるうちにわかったのですが。
それを説明すると、話の組み立てや色々なことが落語に影響されていることがわかったり、あれは落語の言い立てだったんだ。と落語番組を見るようになって気づいたからなんですねー。

 高校生の頃に読んだ「天使の惑星」は自分が不調でギャグも冴えないとこぼしながらの展開が好きで、ハチャハチャに私小説が取り入れられた!とこれまた大好きな作品集です。

 正直、横田さんの影響を一番受けたのは、それまで古本を買うという発想がなかったのに、売り切れた本は古本屋さんを回れば見つかることもあると知ったことで、大学に入ってからは神保町を毎週回ってしまったことですね。
SFのみならず音楽関係の本、色々な雑誌などを手に入れたきっかけは間違いなく横田さんでしたね。

 日々過ごす中で文学から音楽に向かっていった私が20年ほど前に出会ったのが「古本探偵の冒険」でした。

・横田順彌「古本探偵の冒険」(学陽書房)

 久々に読んだ横田さんの古書探究についての文章は相変わらず面白くて、野球の早慶戦や前田光世など取り上げる内容も最高だし、興味を広げていく過程がとにかく興味深くて、夢中になって読みました。 
この本に限らず横田さんには物事の考え方にも影響を受けています。
ちなみに私が時々使うエナジードリンク一本とか缶ジュース一本という形でものの値段を例えるのもこの本からですね。これはどうでもいい話ですが。

・横田順彌「古書狩り」(ちくま文庫)

 横田さんの古書集めのエピソードは数多くあるのですが、古書集めのエピソードを昇華させたこの作品集もまぎれもなく傑作です。
あとがきは何度読んでも感動してしまいます。
古書に限らず、レコードやCDを長い期間集めていたので、色々なエピソードがひたすら胸に迫るんですよね。うーむ。

 横田さんについて思うのは、一度大瀧詠一さんと対談してほしかったなーということです。
お二人の野球話聞いてみたかったな、と。
ちなみに横田さんは好きな音楽については「演歌と軍歌」と答えてらしたのが印象的です。

 手元に残っている横田さんの作品はこの2冊だけでして、徐々に揃えていきたいと考えております。
でも大切なのは、横田さんのエッセイや作品は本という形ではなくても、私の中に残っていることなのです。

 と、好きな作家の横田順彌さんについて書いてみました。明日はなんにしようか考え中です。

 ではまたー。

 


 

 

この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?