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未公認ベスト盤シリーズ~オフコース『SELECTION SUZUKI』編。

 昨日一昨日とオフコースの未公認ベスト盤について書きましたが、ちょっと思うところがありまして、今日明日もオフコースの未公認ベスト盤について書くつもりです。
なぜオフコースについて書くかというとですね、ビッグ・ヒットを複数出しているバンドなんで、オフコースには未公認ベスト盤がホントに色々発売されているわけです。
自分なりになぜこのCDが発売されたのか考えたり、分析することで、オフコースに限らず未公認ベスト盤についてわかることがあるんじゃないか?となったわけです。

 で、今日取り上げるのは、鈴木康博さん作品をコンパイルした『SELECTION SUZUKI』です。
そんじゃ行ってみよー。

・オフコース『SELECTION SUZUKI』(CT23-5405/東芝EMI)

 鈴木さん作品をコンパイルしたCDなんですが、1曲目がアルバム『JUNKTION』の冒頭を飾る「INVITATION」というのは納得ですね。
その前のアルバム『SONG IS LOVE』の1曲目も鈴木さん作品の「ランナウェイ」なのでした。
更に次のアルバム『FAIRWAY』の1曲目は小田和正さん作品の「あなたのすべて」ですが、田園コロシアムでのライヴの1曲目は『FAIRWAY』収録曲の「季節は流れて」なんですよね。
つまり、『SONG IS LOVE』~『FAIRWAY』の時期はシングル「ロンド」が発売されてますから、シングルやアルバムにライヴの要所要所で鈴木さんの作品が使われていたわけだと強調しておきますね。

 この時期を振り返って、小田さんは「習作というか試行錯誤の時期」とインタビューで答えてますが、鈴木さんは「一番楽しい時期だった」と語っていました。

・『SELECTION SUZUKI』収録曲リスト。

 こうして見ると、『FAIRWAY』収録曲だと先ほど話に出た「季節は流れて」や人気曲の(「愛を止めないで」のカップリング曲でもある)「美しい思い出に」が漏れてしまってますし、シティ・ポップ的仕上がりの『JUNKTION』収録曲「恋人よそのままで」やアルバム『SONG IS LOVE』収録曲の「恋はさりげなく」や「ピロートーク」も漏れてしまってますね。
他にも人気曲の『この道をゆけば』収録曲「新しい門出」や『over』収録曲の「メインストリートをつっ走れ」も入ってないです。。

 それだけオフコース時代の鈴木さんには名曲が多いというわけなんですが、鈴木さんはBMG ビクター移籍後(1996年)にセルフカヴァーアルバム『BeSide』をリリースしています。
タイトルの『BeSide』はちょっと自虐的かな?と思いますが、鈴木さんらしいとも思います。

・鈴木康博『BeSide』(BVCR-772/BMGビクター)

・鈴木康博『BeSide』収録曲。

 『SELECTION SUZUKI』と比べてみると、「メインストリートをつっ走れ」と「美しい思い出に」以外は重複していますね。

 実は更に2004年、鈴木さんはセルフカヴァーアルバム『FORWORD』を発売しています。
このアルバムはヴォーカル、バックトラックのみならずエンジニアリングも鈴木さんが担当しています。
気長に探してますので、入手したら報告しますね。

 そして、東芝EMI時代の『あなたとともに』には「ロンド」や「でももう花はいらない」(コーラスはブレッド&バター!)に「メインストリートをつっ走れ」をセルフカヴァーしています。
ちなみに3曲とも現在入手可能な『ゴールデン・ベスト』に収録されていますね。

 鈴木さんはサンプリング・キーボードの元祖ともいえるフェアライトCMⅠを平行輸入した際に購入した一人だったと「電子音楽 in JAPAN」(田中雄二さん著)にあります。
これはオフコース脱退後の話だと思いますが、サンプリング・キーボードなどを使って、一人でサウンドを構築していく志向があったというのも脱退するきっかけのひとつだったのかな?とソロ活動についての流れをたどっていくとそう思ってしまうわけです。

 小田さんはどちらかというと、集団でものを作ることに喜びを感じるタイプだと思うので、この点では鈴木さんとは対照的だなとかなんとか考えてしまいますね。
『SELECTION SUZUKI』と『BeSide』を聴きながらぼんやりとそんなことを考えました。

 明日もオフコースの未公認ベスト盤を取り上げて、明後日からは久しぶりに「ケースから一掴みの5曲」をやろうと考えています。
お楽しみに。

 ではまたー。

 





 


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