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獲物の分け前~NOBODY『NOBODY LIVE ワン!』編。

 今回、NOBODYの再発された3枚の中では唯一リミックスされていないアルバムですね。
ちなみに他のアルバムと同様に最新リマスタリングされていますし、未発表のボーナス・トラックが6曲された決定版です。

 バックアップ・メンバーはベースが後にソロ・デビューしたり、ソングライターとして活躍した松田良さん、キーボードには山本達彦&CROSS BEATにも参加していて、後に浜田省吾さんなどのライヴのサポートをつとめた粱邦彦さん、もう一人は寺田正彦さんで、ドラムスは藤岡博志さんでした。
寺田さん、藤岡さんは数々のアーティストのサポートをしていて、現役のミュージシャンでもあります。
ちなみに松田さん以外は山本達彦さんのレコーディングに参加していた方々だったとライナーにあります。

・NOBODY『LIVE ワン!+6』(WQCQ-871/ワーナーミュージック・タワーレコード)

 盤をまとめて聴いてみたのですが、ボーナス・トラックはちょっと音質が違いますね。
残っていた映像に残されていた音源をリマスタリングしたのかな?
なので、オリジナルの部分とはちょっと音質が違いますね。
当日のライヴでは今回収録された以外にもあの「THE MERSEY BEAT MEDLEY」が演奏された模様ですが、残されていた音源のコンディションがよくないということで収録されなかったみたいです。。

 今回のライナーはかなり充実してまして、セルフカヴァーした楽曲のオリジナル・アーティストやタイトルが違う場合のタイトルまで表記されているのは重要です。
今回のライヴ盤にはアン・ルイスさんや山下久美子さんに提供した曲が多いのですが、アン・ルイスさんと山下久美子さんの所属は渡辺プロ(渡辺音楽出版)なんですよね。
つまり、NOBODYがソングライターとしても、アーティストとしてもブレイクするきっかけである吉川晃司さんも同じ(系列の)事務所だったということなわけです。
これはメチャクチャ重要ですので、メモすることをお勧めします。

 HOUND DOGに提供した「浮気なパレット・キャット」も演奏していますが、これは矢沢永吉を担当していた高久光雄さんがHOUND DOGも担当したからなのだそうです(ちなみに高久さんは長い間南佳孝さんの担当でもありました)。
NOBODYがソングライターとして活動するきっかけを作ったのは高久さんだったということでしょうね。

 付け加えますとNOBODYのTDKレコードのアルバム『POP GEAR』のエグゼクティブ・プロデューサーは田原春樹さんという方で、田原さんはかまやつひろしさんや山本達彦さんを担当していた方です(実は達彦さんの暁星高校の同級生だったという!)。
達彦さんのファースト・アルバム『Sudden Wind~突風』に渡辺香津美さんグループが参加したのは、達彦さんと渡辺さん(に田原さん)が同級生だったからなのでした。
こうしたミュージシャンとスタッフの関係がサウンドや参加メンバー、予算などに関わるのでチェックすることは無意味ではありません。

 このアルバムを録音したライヴが行われていた時点ではまだアルバム『NOBODY』に『POP GEAR』、シングルの「リバプールから愛をこめて」が発売されていた程度でした。
まだメインが打ち込みであるリン・ドラムを使用していた時期ですから、ライヴ・ヴァージョンの生々しさに興奮した高校生の私です。
それとセルフカヴァーである「浮気なパレット・キャット」や山本達彦さんの「TOO FAR AWAY」、「WELCOME TO MY PARTY」はNOBODYのヴァージョンは発表されていなかったので、特にテンションがメチャクチャ上がったのを思い出します。

 今回、聴き直しても、やはりその辺の曲では盛り上がりましたねー。
この後のアルバムもまだまだ再発される予定がありますので、とにかく買うしかないと思っています。
次回は来年2月にTDKレコード時代の作品が再発されますが、彼らが曲を提供した吉川晃司さんがデビューしたこともあって、NOBODYに更に注目が集まった時期でもありますね。

 こちらも入手次第またレポートする予定ですからお楽しみに。

 ではまたー。


 

 


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