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今月の獲物の分け前~「ロック・クロニクル・ジャパンvol.2 1981-1999」編。

 今日は最近、つい最近届いたCDについて書く予定だったのですが、明日で水道橋博士生誕祭から一ヶ月ということに気づいたので、急遽上京時に買った本について書くことにしました。
こういうイベントや記憶に残ることに結びつけて書くのは大事ですよ。真面目な話。

 さて、1981年というのは区切りとして大滝詠一さんのアルバム『A LONG VACATION』が発売された年というのが大きい模様です。
そのことは表紙にも表されていますね。

・「ロック・クロニクル・ジャパン vol.2 1981-1999」(音楽出版社)

 このシリーズのvol.1も買って長く持っていたのですが、実家には持ってきていない&内容についてもおぼろげになってしまっています。。
なので、基本的には今回読んだ感想だとかについて書くしかないというわけです。

 で、今さらなんですけど、これ「CDジャーナル・ムック」なんですね。
そのことを頭において読むと納得できることが多いです。

 佐野元春さんのインタビューはインタビュアーが吉原聖洋さん(!)。
出だしの部分を含めて、吉原さんの持ち味が発揮されていますね。
まー、つまり「ミュージック・ステディ」や「Chart」の読者ならより楽しめる内容になっているというか、そんな感じです。

 続く矢野顕子さんのインタビューのインタビュアーは天辰保文さん。
こちらも天辰さんのよさが矢野さんの個性を引き出していますね。
こういった本のインタビュアーの選択はメチャクチャ重要で、噛み合わない内容になってしまうことも時々はあるわけなんですよ。

 今井智子さんによる音楽を聴くハードの変遷、それに絡んだアーティストの活動やプロモーション展開について、更に音楽プロデューサーやCDショップとの関係など、今読むと更にわかる内容になっていますね。

 引き続きは年代やシーンによって区切った上での日本の音楽シーンについて触れています。
こちらはライターの選択がなかなか面白くて、過集中してしまう私は読んでいる間何もできなかったというわけですが。。
特に和久井光司さんの当事者にしか書けないであろう「第一次バンドブーム」や杉山達さんによる「Chart」~「POP IND'S」で書いたメトロ・サウンド研究を発展させた「ニューウェイヴ~ポスト・テクノポップ」、小暮秀夫さんによるこの先を予言したといえる「DJ時代のロック」は興味深い内容です。

 50アーティストをピックアップして活動を説明するパートはアーティストの選択と紹介文をどうやってまとめたか?が面白いというよりも(私にとって)興味深い内容ですね。

 矢沢永吉さんのインタビューのインタビュアーは湯浅学さん。
確かvol.1でも矢沢さんのインタビューを湯浅さんが担当していて、深い内容になっていた記憶があるんですが、これも深いです。。

 伊藤銀次さんのインタビューのインタビュアーは吉原聖洋さん。
これまた「ミュージック・ステディ」の読者にとっては嬉しい内容ですね。
銀次さんの桑田佳祐さん~サザンオールスターズや松田聖子さんについての分析が非常にらしいですね。
それとプロデューサーの時代については今井智子さんの記事ともリンクしていて圧巻の内容です。

 小西康陽さんのインタビューのインタビュアーは真保みゆきさん。
ピチカート・ファイヴの結成前~極初期~フリッパーズ・ギターとの関係など、かなり詳細に語られていて素晴らしいですね。

 山本精一さんのインタビューのインタビュアーは切石智子さん。
関西アンダーグラウンド・シーンに関する知識や愛情はほぼない私にも分かりやすく面白い内容です。
とあっさり書きましたが、素敵な内容だと思います。

 更に666枚(!)のディスク・ガイド。この数字に深い意味があるのか知りたいですね。
実は私、何度も書いていると思いますが、ディスク・ガイドってあまり好きじゃないんですよ。
ま、深い意味はなくて、好きなバンドや好きなアルバムが選ばれることがほとんどないからという単純な理由です。
このページを読む前に索引で大好きなバンド、デイト・オブ・バースを調べてみたら、1枚だけ、しかもアルバム『アフター・ザ・ハッピー』という結果に「やっぱり」と呟いてしまった私です。。
 
 それはともかく、他では選ばれないだろうクリス『プードル』やデイジー『エベレスト』とかが選ばれていて、ちょっと面白いと思ったのでした。

 再読し終えて、あわただしい中でこの本を買った私をちょっとだけ誉めてあげたいと思いました。そんな感じですね。

 明日はとりあえず今月(9月に入ってからという意味ではなく、1ヶ月という意味で使ってます)に何かを紹介することは決まってますが、何にするかまでは決まっていません。お楽しみに。

 ではまたー。


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