新生・赤い公園の初作品「バンド」を求める消えない灯

ロックバンド、赤い公園が本日10月23日に「消えない - EP」をリリースした。

2017年8月に前Vo.の佐藤千明が脱退。ボーカリストを探す中、時を同じくして所属グループ「アイドルネッサンス」が解散した石野理子と運命的な出会いを果たし、即座に加入決定。決め手はまっすぐな歌声だった。
2018年5月「VIVA LA ROCK 2018」にて石野加入をサプライズ発表、Twitterトレンド1位になるほど話題に。
「ロックバンド」と「元アイドル」という異色が更なるスパイスとなり、本音をさらけ出して魂を鳴らす4人に乞うご期待。

赤い公園オフィシャルサイト(https://www.akaiko-en.com/bio/)より。一部加筆

バンドの顔とも言えるボーカルの脱退&新加入から1年半、現体制になって初めてのフィジカル作品になる。

タイトルトラックの「消えない」はもう1年ぐらい前からMVが公開されている。そしてライブでも新曲を多く演奏していただけに、一体いつになったら音源化されるんだろうと焦らされていたのだけど、まずはこの4人が今まで大事にし続けてきたステージでの演奏・パフォーマンスを重ねた上で、バンドとして納得感を持って音源を出すタイミングを見計らっていたのだろう。

上に載せた「消えない」のMVで描かれている「3人と1人」の情景が交差して「4人」になったことが、リリースのゴーサインになったのだと思う。つまり、本当の意味で「バンド」として再び立ち上がったということだ。

今作の5曲からは、生まれ変わったバンドが覗かせる自信と、それぞれの確かなバックグラウンドと、それらが合わさって水を得た魚のように躍動する瑞々しさが詰まっている。

、、、なんてかしこまった説明はぶっちゃけどうでもよくて(それでも真剣に考えてるけど)、オススメだからまず聴いてみてよって話です。笑

こうして作品としてリリースされてから改めて「消えない」を聴いて、個人的にビビっと来たのがこのフレーズ。

何度も励ましてくれた
お気に入りの曲が
初めてうるさく感じた
行き止まりの夜の中

- 赤い公園「消えない」

きっと自分以外にも同じようなことがあると思うんだけど、好きな音楽を聴いても払拭出来ないモヤモヤがあったり、好きな音楽なのに聴くことに疲れることもあったりする。

音楽との関わり方も歳を取るごとに変わっていて、新しいものを取り入れるのも段々下手くそになっていくんじゃないかと思ったりもする。

それでも、1度好きになった音楽に対する熱はきっと消えることなくどこかで灯り続けていくと思うし、1人であれこれモヤモヤしている時には何だかんだ言ってロックバンドの音楽が1番効く。

頭の中の詰まりを外に飛ばしてくれたり、身と心に行き届かせてくれたり、姿勢を正してくれる存在だ。

先行配信されてこの夏ヘビロテしていた「凛々爛々」もそう。バンドの純度、互いが互いを求めるように歌と演奏が躍動している曲を聴いて、文字通りスカッとさせられた。

バンドを続けることを求め、歌とステージを求めた先にある今。

新しく生まれ変わったフレッシュさと、メンバーそれぞれの今までの蓄積が混ざり合って、これからも様々な化学反応を起こしていくのだろう。

ぶっちゃけ昔の赤い公園のことはほとんど知らないけど、これからの彼女達には期待しかない。

今の自分が語りたくなった「推し」アーティストの1組です。