見出し画像

ワイルドライスとエビのサラダ(キュウリ入り)

私がよく行くカフェには日替わりのデリを選べるプレートランチがあって、その中に「ワイルドライスとエビのサラダ」というメニューがあります。

(この一文、特に前半がすごいハイ・ソサエティ感が出ていて、後で見直して吹き出してしまいました。実際私はそんなハイ・ソサエティな人間ではないです 笑)


ワイルドライスとは、黒いお米みたいな穀物で、北アメリカの湿地帯に生えているそうです。栄養価が高いいわゆるスーパーフードとして最近注目を集めていますが、詳しいことは知らん。笑

エビはまあ、普通のエビです。


それらを和えてエスニック風の味付けのサラダにしているのですが、このサラダにはワイルドライスとエビ以外にキュウリが結構たくさん入っています。

キュウリの存在感がかなりあるので、

「ワイルドライスとエビとキュウリのサラダ」
「ワイルドライスとエビのサラダ(キュウリ入り)」

ってメニュー名にしてもいいんじゃないかってくらいです。

でもこのメニューとして伝えたいのはきっと「ワイルドライスとエビ」の部分だろうし、キュウリがたくさん入っているのは見ればわかるし、そういうわけでキュウリはわざわざメニュー名に入れる必要はないのでしょう。


なんでこんな話をしたかというと、コンサルティングの仕事で言葉を扱っていると、「自分が伝えたい言葉」「厳密に正しい言葉」を使いがちで、「相手にとって理解しやすい言葉」から遠ざかってしまうことがあると思っているのです。


ワイルドライスとエビのサラダにキュウリが入っていたら、

「ワイルドライスとエビのサラダ(キュウリ入り)」って書かなきゃ。だってキュウリ入ってるじゃん!

ってなりがちなのです。
嘘かと思うかもしれませんが、本当に本当に、そうなのです。苦笑

読む人にとって、メニューのキュウリという言葉はノイズになってしまうのに・・・


自分がお客さんだったら一発でわかるのに、メニュー名を一生懸命考えれば考えるほど、お客さんの視点が遠ざかってしまう。

考えることに没頭して一生懸命になるほど、細かいこと・厳密であることにこだわってしまうので、バランスが難しいといつも思っています。


この感覚を共有したいなぁともやもやしているときに、「ワイルドライスとエビのサラダ」にキュウリがたくさん入っているのを見て、あぁなるほど、と思ったわけなのです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?