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森に住まう妖

 森の中を進まなければならない。
 街道はこの森を抜けなければ、隣の街へ辿り着けないから。

 頬を冷たい空気が撫でていく。
 日が暮れていないはずだけど、木々は高く空を多い……それはまるで森に己が囚われた気分にさせられる。

 噂でこの森に、妖が棲んでいると聞いた。
 そんな話を旅支度していた時に、携帯食を包んでくれた店主が教えてくれた。

 しかし森の深さを考えると、日が暮れる前にこの森を抜けるのは難しいように思える。

 ……さて、この森の妖とはどんなモノか。

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