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ヨシタケシンスケさん『メメンとモリ』感想|気づきにあふれた本 ※ネタバレあり

大好きな絵本作家・ヨシタケシンスケさん。

彼の描くものは「絵本なのに大人向け」というか、「大人が読むからこその発見も多い」と思ってる。

もちろん、子どもが読んでも楽しいはずだけど。

今日読んだのはコレ!

『メメンとモリ』

「絶対面白いはず」
とは思ってたんだが、これが予想以上だった……!

忘れないように、サラッと感想を書いておく。

※ 少々ネタバレがあるので、未読の方は注意


そもそも「メメントモリ」とは?

"メメントモリ"(memento mori)
とは、ラテン語で
「死を想え」
「自分がいつか必ず死ぬことを忘れるな」
「人に訪れる死を忘ることなかれ」

などという意味の言葉。

なんか不吉に感じられるかもしれないが、よく考えたらそんなことはない。

だって皆死ぬし。
現時点では、ホモ・サピエンスの死亡率は100%なのだ。

「あなたは死にます」は悪口でも誹謗中傷でもなく、単なる未来予知。
ただ「いつどこでどのように」が不明なだけ。

……という考え方を持つ人間なので、もともとこの言葉は大好きだ。

有名すぎて結局やめたけど、起業する時の屋号にしようかなぁ?と思ってたくらい。


簡単なあらすじ・登場人物

姉弟のようなメメンちゃんモリくんが会話する。

出来事としては、日常のちょっとしたことしか起こらない。

そこからの気づきが発展して、色々なところに話が及んでいくストーリー。

本の中のコンテンツは、下記の3つ。

メメンとモリとちいさいおさら

メメンとモリときたないゆきだるま

メメンとモリとつまんないえいが

私が特に好きだったのは映画の章かなー?
他の人の感想も聞いてみたい。


「覆水盆に返らず」で「一期一会」で

こぼれた水は元に戻らないし、人との関係もずっと続く訳ではない。これって、よく考えたら当然のことばかり。


でも私たちは忘れてしまう。
日常に、あまりにも飼い馴らされてしまっているのだ。

  • 生きているのが当たり前

  • 息しているのが当たり前

  • 歩けているのが当たり前

  • 指を上手く使って文字を書くのが当たり前

  • 結婚しているのが当たり前

  • 子どもは元気に生まれてくるのが当たり前

  • 学校に行くのが当たり前

  • 就職するのも当たり前

……でも、これらは全部、当たり前なんかじゃない。むしろ奇跡に近いこと。

私はこういった「……本当にそうなの?」と、世の中の常識を疑うための言説が好きだ。

だから佐々木さんの話を聞くのが面白すぎる。

OL時代にプラネタリウムをよく見に行っていたけれど、それも
「日々の"当たり前"を今すぐ覆したい」
という気持ちがあったから。

半ば強制的にそう思えるように、星々を見に出かけた。

宇宙の神秘に思いを馳せれば、自分の悩みや日常の出来事がどうでもよく思えるから。


1番印象に残ったところ

つまり人は、「思ってたのとちがう!」ってびっくりするために生きてるのよ。

ここは大いに納得! 確かに、私自身も生きる原動力は「気づきを得たい」だ。

だからいつも驚いてるのかもしれない。(昨日の記事に書いたけど)驚きがあると、生きてるのが楽しいから。

近所の並木道、子ども、他人、友人、世間の常識、事件、新商品、建物、仕組み、習慣……
やり方次第では、何に対しても驚けるし学べる

これからも、自分の考えの斜め上の事実・話に、目をまんまるくしながら驚いていきたい。


「正解なんて無い」というブーメラン

本当は、どう生きたっていい。(犯罪や他人を傷つける行為などを除けば)

……そう思っているから、誰かの真似をすることに興味がない。

まったく同じなら、私であることの意味が薄れるから。(実際には、他人と全く同じにすることは多分不可能だけど)


だからツールの使い方でも「他人はどうしているか」を気にしないし、誰かに「教えてください」とお願いすることもほとんどない。

真面目で謙虚な人に見られることに対して興味もないから、余計しない。(どうしても必要な時には聞く)

時間の使い方でも、今特に悩み・不明点はない

「これでいいの?」と迷うこともない。

悩みを相談されたらできる範囲で答えるけど、正解にさして興味はない。

だって他者の中に正解はないから。結局は「自分がどう思うか」「自分に合うかどうか」だから。

……と思っていたら、自分に特大ブーメランが返ってきた。

「『死んだ後はどうなるの?知りたい』と常々考えている話も、もしかしたら一緒なんじゃない?」
と、ふと思ったのだ。

絶対的な事実はなくて、それぞれの真実があるだけなのかもしれない。

もちろん、死を経験したことがないから分からないけど。

という訳で、私の感想はここまで。すごく良かったから、朝読んで一気に書いちゃった。

さすが、「発売たちまち18万部突破」しただけのことはある。初版は2023年5月発行なのに、10月には7版が発行されているってどんだけ……

めちゃくちゃ良い本なので、多くの方に読んでほしいな!


▼ sugamari読書記録

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