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映画『もしも徳川家康が総理大臣になったら』の感想と、思ったこと

気になっていた映画を観に行ってきた!

眞邊明人さんの本『もしも徳川家康が総理大臣になったら』の実写化だ。

思った以上に良かったので、簡単にレビューしてみる。

※ ネタバレあり注意

偉人のパロディ・キャスティングが最高!

1番面白かったのは、偉人にまつわるエピソードを使ったギャグ

  • 時代劇ドラマ『暴れん坊将軍』主人公として有名な徳川吉宗に「別に暴れたことなんて無いのに……」と言わせる

  • 北条政子が『徹子の部屋』ならぬ『政子の部屋』という番組を開始

  • 聖徳太子が記者12人の声を聞き分けて返事する

こんな風に、クスっと笑える小ネタが多い。

最低限の日本史の知識があれば楽しめる雰囲気もありがたかった。日本史マニア向けではなく、むしろ私のような初心者向け

キャスティングも素晴らしい。
偉人は全員かなり吟味されていたが、特に以下の方々はハマリ役だった!

  • 北条政子(江口のりこ)

  • 足利義満(小手伸也)

  • 豊臣秀吉(竹中直人)

  • 徳川家康(野村萬斎)

  • 徳川吉宗(高嶋政宏)

  • 坂本龍馬(赤楚衛二)


去年の大河ドラマ『どうする家康』で松潤の家康を見ていたけど、やっぱりお年を召した姿はそれなりの年齢の俳優さんがいいなぁ……

今回の野村萬斎さん、なかなかいい感じ。昔『陰陽師Ⅱ』を見たのがもはや懐かしく思えるけれど、良い歳の取り方をしているなーと。


竹中直人さんはもう5回目の秀吉役なのか! 確かに、秀吉をやらせたら右に出る者はいない気がする。

私は関東育ちで「秀吉よりも家康派」だが、どうしても劇中歌『よしよし秀吉』が頭から離れない……かなり中毒性が高い危険ソングである。


坂本龍馬(赤楚衛二)がカッコよすぎる

公言するのは少し恥ずかしいけど、打ち明けよう。鑑賞しながら龍馬にホレボレしてボーッとなってしまった……

この動画を見てほしい!

いやー、いいなぁ。

喋り方や動き方ももちろん素晴らしくて、さらに顔の作り・ヒゲ・髪の毛の感じも好みだった。

やっと気づいたけど、私はどうやら正統派イケメンのロン毛が好きらしい(ただしキムタクのファンではない)。


誰が演じていたのかと調べてみたら、赤楚衛二くん……マジか!

というのも、ドラマ『ペンディングトレイン』の主演時には全然好きになれず、どちらかと言えば山田裕貴くんにハマっていたからだ。


うーむ、たぶん今回もあの「坂本龍馬」というキャラに惚れたんだと思う。

昔から役にハマってしまい、役者さん自体のファンになれない。『タイタニック』でも、レオナルド・ディカプリオではなくジャックが好きだったし。

改めて、役者さんの振れ幅ってすごいな。


それにしても、龍馬びいきになりそうなくらい素敵だった。(多分ならないけど……昔から土方歳三派なので、多分これからも新撰組が好き)

気になる方はぜひ見に行ってほしい!


コメディだけど実は骨太のメッセージが

途中から急に、メッセージ性のある話になってきた。

家康たち偉人がこの国を憂う。(概ね以下のような内容)

国のトップに責任感が無さすぎる。
国の代表であるはずの議員は、居眠りしたり代案なく批判したり。
国民も権利ばかり主張し、刹那の楽しさを追い求め善悪も考えない。何が正しいのかを調べようともせず目の前の情報に飛びつき、思考停止している。

偉人ではないが、私も同感だ……

「やるべき」と思うことがあるなら、臆さず面倒がらず、やっていこう。

マイナス感情が多いなら、自分に優しくして精神的に自分を満たす。それが済んだら世界をより良くしていきたい

「より良く」が分からないなら、考えて人と話して調べて、また考えて行動したい。

政治のことは、確かに世間話ではタブーかもしれない。立場や事情はそれぞれ違うから、分かり合えない人同士も多いだろう。

かと言って誰とも喋らなかったら、知識や思考が不足する。

喧嘩したり誹謗中傷したりするのではなく、単に議論がしたい。政局や党内政治の話ではなく、政策や未来の話がしたい

どうあるべきか?
みんなが満足するには?
少数派への配慮はどうするべきか?

……などと考えると本当に難しいけれど、1つ1つ意見を聞いてまとめていくしかないんだと思う。

政治は昔から興味があるものの、今後も多分そっちの道には行かないと思う。ただ政治家の友人も複数いるし、情報収集はもっとできるはず。そして単なる一国民にも、まだまだできることはある


現実に生かすために必要な視点

「映画の内容をリアルに生かすとしたら、足りていない部分はあるか?」
と考えた時、3つ思いついた。


1つ目:他国(地球全体)

尺の都合で仕方ないけれど、この映画では主に日本の話しか取り上げていなかった。

今の時代、国の在り方をその内部のみで決めることは不可能で、必ず他国の動向も関わってくる。外交を疎かにしていたら反感を買うし、戦争だって起きるかもしれない。


また、地球環境問題や気候変動がここまで問題視されている中では、「日本国民」というより「地球市民」として行動する必要もあると思う。

今も猛暑や自然災害が多くて温暖化の影響をモロに受けているが、未来人類のことを考えると……先が思いやられる。

明らかに、国同士で小競り合いしてる場合じゃない。


2つ目:過去を美化しすぎない

また、現代への不満はあるものの、単純に
「昔が良かった」
というわけでもない
とは思う。

人間の性質そのものは、どんな時代もそこまで変わらない。


主君に忠義を尽くしていたのは、そうしないと命や生活が危なかったから。

質素倹約していたのも、それしか選択肢がなかったからだ。ここまで贅沢を極められる環境ならば、彼らとて同じことになっているはず。

偉人のように志を持って動いた人は確かにいたが、そうでも無い人たちだってもちろんいただろう。

過去から来た人には
「分かるようになったのに活用していない」
「できるはずなのに、なぜやらない?」
と思えて悔しいかもしれないが、相対的な話でしかない。


3つ目:歴史から学び続ける

でも、「人権」や「民主主義」など、歴史の中で人類が獲得してきたものの価値を忘れずにいたい。

というのも、人の寿命が約100年以内(今のところ)のため、3世代ほど先になると忘れてしまうからだ。


日本も今年で戦後79年。当事者はどんどん亡くなってしまっている状態で、まさにこれからが課題だ。世界全体がきな臭くなってきた今、私たちに何ができるだろう?

楽観視せず、かといって諦めず、考えながら行動したい。

以上、映画『もしも徳川家康が総理大臣になったら』の感想と考察だ。

中学・高校生の日本史勉強にもピッタリだし、政治に興味の無い若者にこそ見てほしい作品。

ピンときたらぜひ劇場で!


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