何者でもないあなたへ『僕が旅人になった日』
驚きなのですが、本が出ます。
昨年、まだ私がnoteを始めたばかりの頃のこと。noteでは、TABIPPO×noteお題企画「#旅とわたし」が始まっていました。
投稿された4000件以上の作品のうち、20名の旅が収録された本が今日、発売されました。『僕が旅人になった日』(TABIPPO編/ライツ社)
20名のうちのひとりとして、わたしの旅も収録されています。
旅とわたし
記憶というものは時が経つにつれて、薄れていってしまうものだ。だからこそ、言葉という形にしたいという想いからはじめたnote。
「旅とわたし」というお題を見て…それなら初めてパスポートを使って行った、アイスランドの事を書こうと決めていました。
誰かのためにというよりは、自分のためにこの記憶を書き残しておきたいという思いから書き出したのがこの記事でした。
このnoteを書いていた時、私は満員電車に毎日ゆられ、パソコンや資料とにらめっこ…という慌ただしい日々を過ごしていました。
そして忙しいという気持ちにかまけて、私は自分の「こう在りたい」から遠ざかっていました。
そんな時、アイスランドの旅のお供に、写真家の星野道夫さんの本を何冊かバックに詰めていったこと、その中にひとつこんな言葉があったことを思い出します。
さまざまな人生の岐路に立ったとき、人の言葉ではなく、いつか見た風景に励まされたり勇気を与えられたりすることがきっとある
『長い旅の途中』より
あの日見たオーロラ、どこまでも広がる流氷、凛とした空気。目を閉じると、あの景色を、空気を思い出すことができる、私はまだ、大丈夫。
私は、私自身の旅のはじまりを、自分自身の大切にしたいことを見失わないように、このnoteを書いていきました。
お題企画に参加するのも初めてだったので、投稿ボタンを押すときはすごく緊張しました。はじめの一歩はきっと旅の始まりなんじゃないかと今では思います。
あなたにとっての旅を
この本には、20人の旅人の話が詰まっています。
そして読み進めていくごとに、旅というものは誰一人として同じものはないんだと、改めて気付かされます。
自分自身、執筆するにあたって記事を書き起こしていくうちに、どこか遠くに行くというだけが旅ではなく、何を感じ、何を見つけ、どう一歩踏み出すのか選択すること…つまり人生というものは大きな旅なのではないかと感じました。
あなたが目を閉じてふと思い出す景色は、点となって、そして最後は一つの大きな星座のようにつながってゆくのではないかと。
『僕が旅人になった日』は、旅に行けない今だからこそ、あなた自身の旅を見つける地図のような存在になりえるのではないかなと思います。
何者でもない自分になれるのが旅。
だからこそ旅人は自由で、そして新しいことに飛び込んで行けるのかもしれないと。
そして何者でもないからこそ人は、旅を通じて自分と向き合ってみたり、世界のことを見つめてみたりするのかもしれないとも。
最後に
色々と大変な中、最後まで走り抜けて頂いた関係各位の皆様、本当にありがとうございました。その一端にかかわらせていただいたこと光栄に思います。
そしてライツ社の大塚さん。
大塚さんと打ち合わせをしていく中で、まっすぐ旅に向き合うことができたと感じています。
まだまだ未熟な旅人であるわたしも、この人たちとならきっと素敵な本ができる、やってみたい!と一歩踏み出すことができました。きっとこの出会いも私にとっては旅なのかもしれないと感じています。
本当にありがとうございました!
最後に、
世界のどこかの旅人に届くようにと、
思いを込めて。
『僕が旅人になった日』(ライツ社)
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