事業の選び方:起業の教科書


事業の選び方

探求テーマを追求しながら、世の中の需要に自分の専門性で答えていくことを続けていくと、自分が手掛ける事業は自然に選ばれていくものだと思いますが、目に見える形で整理すると、自分も分かりやすくなるし、人にも伝えやすくなるので、ここでは整理の方法をお伝えします。
企業なんかでよく使われる、ビジョン、ミッション、理念という整理方法です。順番に解説していきます。

ミッションとは

ミッションとは、誰の、何の需要に応えるのか。を表したものです。
人々の生活が暮らしやすくなるあなたの活動のことですね。
あなたの活動があることで、社会の供給能力が上がり、資本が蓄積され、社会が豊かになっていきます。
この教科書でも何度もお伝えしている「世の中の需要に自分の専門性、資本で応える」ことなので、分かりやすいかと思います。
ミッションは、個別の商品単位でも書けるし、事業、会社単位でも表現できます。
参考として私の事業ミッションを紹介すると、
「自分の才能を発揮して、社会に貢献して生きていきたい人へ。その生き方作りのお手伝い。」
逆に言うと、自分の才能に興味がない人、社会に貢献することに興味がない人は相手にしません。という宣言です。

(ワーク)あなたはどんな人達を相手にしたくないですか。

質問1:あなたは、誰の、どんな需要に応えていきますか。書き出してみましょう。
うまい表現が見付からない方は逆に、相手にしたくない人達を書き出してみると、見えてくる場合があります。
事業を進めていく内に見えてくるものなので、何度書き直しても大丈夫です。

ビジョンとは

ビジョンとは、あなたの事業や商品サービスがあることで、どんな社会になるのか表したものです。
ミッションに掲げた活動によって、どんな風に人々が暮らし易くなるのか描いたものです。
参考として私の事業ビジョンを紹介すると、
「我がままに生きることができる社会」
「1人1人が自分の人生を歩むことができる社会」と言い換えても良いです。
こんな風に自分だけが理解できる標語みたいなものにしても分かりやすいですね。人に説明するときには解説が必要になりますが、それも会話のネタになりますね。

(ワーク)あなたのビジョンは何ですか。

質問1:あなたの事業があることで社会はどんな風になりますか。書き出してみましょう。(時間5分)
質問2:あなたが理想とする社会を想像し、その社会では必須の物やサービスなのに、今の社会ではないもの、足りないものは何ですか。書き出してみましょう。(時間5分)

理念とは

理念とは、これだけはしない、という制約条件です。
顧客との約束と言い換えてもいいでしょう。
例えば、野菜を育てている農家さんであれば、「体に悪いものは作らない。」とか。
お客さんから見たときに、安心して任せられるところです。
そして、人は「〇〇しない」という否定語は認識しづらいので、肯定的な言葉に変えます。
「赤ちゃんが砂遊びができる畑づくり」
というような感じです。
参考として私の事業理念は、
「自然を破壊しない」言い換えれば「自然と共存する」

(ワーク)あなたが絶対にやらないと約束できることは何ですか。

質問1:いくらしょうがないと言っても「それをやったらおしめえよ。」っていうことを、6個書き出してみましょう。(時間5分)
質問2:それを肯定的な言葉で書き換えてみましょう。(時間5分)

理念は、本人にとって当たり前過ぎることなので、改めて考えると思い付かないことが多いです。そんな時は、同僚や仲間と話をしている時にどうしても意見が合わなかったり、伝わらなかったことを思い出してみましょう。
それは何故起きるかというと、自分と相手の間で、暗黙の優先順位が違う場合があります。
例えば、同じ様に子供の自然体験活動をしている人同士でも、
ある人は優先順位が、子供、自然環境で、他の人は、自然環境、子供だとします。
普段は両方守られているので意見の食い違いは起きないのですが、状況がシビアになると、
子供の体験としては良くても自然環境が破壊されてしまう場合に、自然環境の方が子供より大切だと暗黙のうちに捉えている人は賛同できません。
これはいくら論理的に話し合おうと、暗黙の前提が違うため通じ合いません。
ですので、こういった状況を思い返すことで、相手との違いから自分の中にある暗黙の優先順位を認識することができます。
質問3:同僚や友達、家族と話をした時に、いくら論理的に説明しても伝わらなかったことはありませんか。その状況を思い出して、暗黙の優先順位を想像してみましょう。(時間5分)

行動指針とは

理念と同じで、制約条件になります。なので、理念として一括りにしてしまっても構わないですが、多く出てきた場合に、分けて整理するとより分かりやすくなります。
理念と行動指針の違いは、
・理念が考え方、価値観のような主義を表すもの
・行動指針は、物理的な制限
と考えると良いと思います。

より詳しく解説すると、
理念の考え方や価値観、主義といったものは、ある意味、自分の考え方や見方が変わった時に変わります。人は学びを深め、色んなことを知っていくと、今まで信じていたことが覆る時があります。これは自分が間違っていたとかそういう話ではなく、経験したからこと見えてくるものや知ったから事見えてくることは必ずあります。なので、それを肯定的に変えていくことが大切であるし、今信じていることでも、もしかしたら変わる可能性があると頭の片隅に常に置いておきます。
そして、今まで見えていなかった物事が見えるようになった時には、躊躇なく変える姿勢が大切だと思います。

行動指針は、物理的な制約ですので、例えば、「体に悪いものは作らない。」という理念であれば、それを具体的な内容に落とし込んで、
「農薬を使わない。」
という行動指針を作ります。
理念だけだと具体的に何をするのか、しないのかがわかりづいらいですが、行動指針まで落とし込むと自分の日々の行動の指針となります。まさに行動指針ですね。
これはどちらかというと、お客さんなど外部への発信ではなく、自分自身や社員達が使うことが多いものになります。
行動指針も変わることがあります。これは、技術的な進歩だったり、改良、改善によって、今まではダメだったものが使えるようになる場合です。
農薬の例で言えば、今までは全ての農薬と呼ばれるものは体に悪い要素が合ったのに、規制と技術革新により、体にも土壌にも良い農薬が開発された場合、そういった農薬ならば使って良いように行動指針を変えます。

もちろん、普遍的な理念や行動指針もあるでしょうが、一度決めたことを守る、というよりは、常に自分へ問いかけながら、また世界の状況を観察し続けて、問い続ける姿勢も大事かと思います


(続く・・・)

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