コラム:人はそれ以上に儲かると分かっていれば、幾らでも払う:起業の教科書


コラム:人はそれ以上に儲かると分かっていれば、幾らでも払う。

例えば、こんな商品をあるとしましょう。
値段は10万円。
あなたは買いますか?
金額としては高い部類ですね。

では、100円の商品
あなたは買いますか?
「その商品によるなぁ。」
そうですね、いくら金額が小さくても要らない物を買ってもしょうがないですからね。

では、値段は100万円。
でも、その商品を買えば、その後、確実に1000万円手に入るとしたら買いますか?
見るからに怪しい商品なので、信用できるかってというところで躊躇しますが、そこは置いておいて、信用できるとしましょう。
ほとんどの人が買いますよね。私も買います。
なんなら、借金してでも買います。

ここから分かることは、あなたの商品を確実に売るためには、買った後、確実にそれ以上儲かる状態にしてあげれば良いわけです。

B to B(企業相手の商売)の場合は分かりやすいですね。
例えば、あなたが工場の機械を販売しているとしたら、お客さんの企業はその機械を使うことで買った以上の金額が儲かればいい訳です。そういう状態を作ってあげる。
もしくは、そういう状態に乗っかって、機械を販売してあげる。

これの一例が、リーバイスのジーンズです。こんな話があります。
アメリカの開拓期、ゴールドラッシュと呼ばれる一大ブームがありました。
カリフォルニアで金が取れるという噂を聞きつけて、一攫千金を夢見て人が殺到したのです。
それが嘘か本当かは置いておいて、金の採掘をすれば儲かるという状態が発生しました。
それならば、金の採掘に必要な道具やその他諸々にお金を使っても充分元が取れます。
リーバイスの創業者、リーバイストラウスは、採掘労働に耐えられるような作業着、ジーンズを開発し、販売しました。それが売れに売れ、今の地位を築いたと言われています。
ゴールドラッシュで儲かったのは、実は金の採掘者ではなく、こうした付随する商売をした人達だと言われています。

日本の例でいえば、土地バブルです。
80年代後半の日本はバブル景気で、土地の値段は上がる一方でした。
確実に値段が上がるなら、借金してでも買います。
不動産業者は、投資(投機)をしたい人へ提供し、手数料で儲ける。
また、銀行もお金を貸しました。本来銀行は、こうした投機のための資金を貸し出すことはしてはいけないのですが、銀行も利子分で儲かるのでやりました。
こうして起きたのが、バブル期の過大な負債と、はじけた後に残った不良債権です。

金融商品は、還ってくるものがお金そのものなので、もっとも売りやすい商品ですね。
しかし、本来お金とはそれ自体が価値を持つ物ではないため、投機による金融商品が幾ら増えても社会は豊かになりません。それどころか、社会の生産能力を減らしていってしまうので、規制されるものになります。

個人に販売する場合はどうしたら良いでしょうか。
個人に販売する場合でも、資格取得や勉強系の商品はBtoBと同じ考えができますね。
その資格を取ることで給与が上がる、報酬が上がると分かっていれば、買います。

問題はお金に換算できない商品の場合ですが、食糧などの生活必需品は、値段が幾らであろうと買うしかないですよね。だって、生きていけないんだから。余談ですが、何を生活必需品とするかの問題はありますが、こうしたものは国が規制や補助を行って確実に手に入るようにすべきだと思います。または最低限の雇用保障、収入補償をすべきですね。

ではそれ以外の商品はどうしたら良いかと言うと、これらの二つにヒントがあります。

1.目に見えない報酬を目に見える形にしてあげる
2.生活必需品にしてしまう

1.目に見えない報酬を目に見える形にする、とは、
例えば、ヨガ教室を考えてみましょう。
ヨガをすることによって、受講者はどんな報酬を手に入れるでしょうか。
ここで言う報酬とは、金銭的な報酬ではなく、健康だったり、気分だったり、目に見えないメリットのことです。
この目に見えない報酬を、言葉だったり、写真だったり、そういったもので見える形で表現してあげます。
ヨガをやることによって、体が軽くなりますよ、心も体も魅力的になり異性にもてますよ、思考がクリアになって仕事の成果が上がりますよ、とか。

この目に見えない報酬は、人によって感じる価値の大きさが変わるので、相手を選びます。

2.生活必需品にしてしまう、とは、
虜(とりこ)にしてしまうということです。悪い言葉で言えば、中毒にしてしまう。

コーヒーやタバコなどの嗜好品を想像すると分かりやすいですね。たしなまない人に取っては、なくたって生きていけるものですが、はまっている人に取ってはなくてはならない物になります。

好きっていう感情がなくてもなんとなく、それがある生活が当たり前の状態も同じですね。
飲み屋に行って、「とりあえずビール」がそれにあたると思います。
最初から日本酒を飲んだって良いわけですが、なんとなくビールになってますよね。
バレンタインデーのチョコ、夏の丑の日のウナギ、クリスマス。
これらは皆、作られた生活必需品と言っても良いでしょう。

コラム:いつかお世話になるを見える化する

皆さんの中には、NPOや市民活動、公共的な活動で起業をしようとしている方もいらっしゃると思います。
このような公共的な事業の場合、受益者(ビジネスで言うお客さん)から直接お金をもらうことは難しいと思います。このような事業の場合、収入はどうするかというと、ひとつは自治体や政府から補助金や支援金、業務委託を受けて実施するなどになります。

他に参考になるのが、民間保険です。
保険の仕組みは、広く保険金を集めて、そこから一部の必要とする人へ支払う。というものです。自分が、いざという時になった時にお金がもらえるように入るものですが、みんなで困っている人を支えている、という公共的な一面もあります。

生命保険や医療保険、車の任意保険など色々ありますが、私たちは何故保険に入るのでしょうか。
ひとつは、自分がいざという時に陥った状況を想像できるからだと思います。
いざという時に負担しなくてはいけない金額に比べれば、掛け金の方が割安なので、入るわけです。

公共的な事業の場合、自分がお世話になる可能性があること、その時に受けられるサービスを見える化してあげることで、買う人が出てきます。
この場合の商品は、会員制のサービスにして会費を支払ってもらったり(ロードサービスのJAFが分かりやすいですね)、企業の弁護士、税理士などの顧問サービスも同じ考え方になりますね。

ただ、不特定多数の本当に広く提供する公益的な事業の場合、基本的には通貨発行の役割を担う、政府やその交付金をもらう地方自治体の役割であると思います。


(続く・・・)

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