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仕事の品質を向上させる

仕事をするときには、品質と時間を常に考える必要があります。
「どちらが重要か?」といえば、私なら

 品質

と断言してしまいます。

みなさんはどうでしょうか?

なぜ品質のほうが重要だと言い切れるかというと、仕事の品質が悪いとバグや不具合など成果に対する欠陥だけが残り、自分の手元に元の仕事以上の負担が戻ってきてしまうからです。それは結局、無計画にスピードや時間を意識して突っ走ってしまう際に計算した効率的時間の使い方の何倍、何十倍もの負担として返ってくることでしょう。

実際、そうやってプロらしからぬ品質のまま仕事を進めて失敗してきた人、プロジェクトたちを何十、何百と見てきました。

「品質さえ重視すれば他は捨ててもいいのか?」と言うとそんなことはありませんが、最優先事項であることに変わりはありません。そもそも品質とそれ以外の要素を「or」で決めつけようとすること自体がナンセンスです。品質は『大前提』とし、そのうえで生産性や時間などの要件を満たすことが重要なのです。

愚直に進めれば上手くいく…なんてことはありません。必ずと言っていいほどQCDをバランスよく成立させるためのテクニックやスキルがないと上手くいきません。その場合もまずは品質を向上するために、複数のポイントで向上策を考える習慣をつけましょう。


一般的なITエンジニアと話をしていると、

 「品質を優先するのか、時間(スピード)を優先するのか」

という議論になることがあります。もし、『モノづくり』以外の仕事であればひょっとするとスピードや時間の方が優先ということもあるでしょう。ですが『モノづくり』の仕事ではそれはタブーです。

「納期が近かったので、確認作業を省きました」という言葉がときどき聞こえてきたりもします。ときには「時間がないのに品質を上げるというのは無理だ」などという主張をする人もいます。

そもそも時間と品質のどちらが大切なのか?
この答えは、とても簡単です。

品質が優先に決まっているからです。
品質には、いろいろな側面があります。

総じて、「顧客が満足できるものか?」が品質の総合評価となります。ソフトウェア品質でいうところの『利用時の品質』と言ってもいいでしょう。もちろんそれだけでなく狩野モデルに言われるようにプロダクトそのものには「当たり前品質」と「魅力的品質」という見方もあります。

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では、いずれの項目も価値ゼロのものに意味があるでしょうか?

仮に、ものすごいスピードで時短を図り、できあがったものはただのクズ。それは本当にほんの少しでも時間をかけてやるべきことなのでしょうか。

そんなものは誰も必要としませんよね。

つまり、一定以上の品質がないものは評価の対象にすら値しないのです。これが、時間も品質も大切な軸であると同時に、時間よりも品質の方が重要度が大きいという所以です。

しかし、品質を優先するからと言って、そのためには「どれだけ時間を掛けても構わない」ということにはなりません。

一般的に、時間を掛ければ所要時間(コスト)が増大します。当然ですが、かけられるコストの上限を越えれば赤字ということになります。そのため、費やすことのできる時間には限りがあるのです。だからこそ「いかに速く一定以上の品質を実現できるか」両立させることを常に考える習慣が大切となるわけです。

その引き出しの多さが『優秀さ』の証といっても過言ではありません。

時間を短縮するのではなく効率を上げる

現実的には、納期が近いときなどには急いで仕事を仕上げる必要に迫られることもあります。しかし、こうしたときに本来必要な段取りを省けばすぐにもしっぺ返しがくることになるでしょう。

よくやってしまうのは、"計画や確認を省く"という行動です。

計画を省けば手戻りが増えてしまい、余計に時間がかかってしまうことになります。確認を省けば一定の品質を満たすことができなくなってしまい、後で不良が見つかって確認するコストの5倍10倍の手間が増えることになります。ですから、急いでいるときには手間を省いたり時間を短縮したりといったことを考えるのではなく、効率を上げることを考えましょう。

手順を抜く…「手抜き」をすれば必ず、求められる結果と異なった形になります。料理のレシピを見てみてください。たった1つでも手順を抜いて、レシピ通りの料理になりますか?

この時、最も障害となるのは

 ・今までのやり方に固執して変えようとしない
 ・頭の固い人や、考えることを止めてしまった人が決定権を有している

ケースです。この業界に限らずどこにでもいますが、こうした人たちが仕事の進行を阻害して、正しいコミュニケーションをとることも許さず、プロジェクトを失敗へ導くことも珍しくありません。

もちろん、そういう"足手まとい"な人相手でも、プロはよく誘導し、何とか成功するように持っていかなければなりません。この辺りが、チームワークの難しいところです。

とはいえ、効率を上げるのはさほど難しいことではありません。

一番簡単なところでは、作業者1人1人の考えるまたは悩む時間を減らしてあげれば、圧倒的に時短が図れるでしょう。

たとえば、

 ・ルールや基準を作る
 ・手順を明確にして周知し、曖昧にしない

と言ったことを整備してあげて、作業者1人1人が悩んだり、迷ったり、考え、判断する自由度をある程度絞り込むだけで、質問や相談しなければならないこともなくノータイムで作業できることは格段に増えます。

生産性向上は、仕事を分解し、分析し、
組み立て直すことによって実現できる

P.F.ドラッカー『プロフェッショナルの条件』

という言葉にもあるように、仕事の手順や基準、ルールを組み立て、明確にしてあげるだけでも様々な生産性向上…すなわち効率化は可能なのです。

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