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これが、『現代の繁盛法則』です。

宇宙一外食産業が好きな須田です。

今月は、マーケティングについてお伝えさせて頂きました。

マーケティングは奥が深いので、またいつかのタイミングで違った角度からのお話しをさせて頂くと思います。

さて、マーケティングについて、最後に大事なお話しをさせて頂きます。

これまで、立地選定や調査方法と、業態開発・商品開発に活用する方法などをお伝えしてきましたが、今日は商品とマーケティングの関係についてお伝えさせて頂きます。


これまでも、マーケットインを商品開発だけに反映させないように、業態力を高めるために活用してくださいとお伝えさせていましたが、今回はマーケティングの結果を受けて、もっと買ってもらえる商品にするために、具体的に商品そのものは勿論のこと商品に付随する要素にどのように反映させるかをお伝えします。

結論から、申し上げます。

マーケティングの結果は、商品告知に活用してください。

結論はこれだけです。

マーケットインの商品を実現するために、長い時間商品の完成度を上げることを追及してきたと思います。

その情熱と、開発への想いと、沢山起こったであろうトラブルと、それをいかにして解決したかというストーリーを、開発ヒストリーとして商品に付随する価値として提供することで、お客様はその商品を知ることとなり、興味を持って買ってくれるようになります。


それらが揃って、初めて買う理由がお客様の中に出来上がります。

お客様は、買う理由が無ければ絶対に買ってはくれませんので、「買うための理由づくり」が究極の目的です。

プロダクトアウトに考えが占領されてしまっていると、良い商品を作りさえすれば売れると、頑なに考えている方がいらっしゃいますが、それは本当にラッキーパンチが当たるの狙っている敗戦濃厚なボクサーと同じ状況です。

完全にポイントで負けていて、一発逆転のラッキーパンチを狙って、やみくもに大ぶりのパンチを繰り出している状況です。

残念ながら、そんな大ぶりのテレフォンパンチが当たることはほぼありません。

全てかわされてしまい、商品は全く売れなくその結果、残念な事態を招いてしまいます。


何故このような現象が後を絶たないのでしょうか?

その理由は非常にシンプルで、ある事実に全く気が付いていないからです。

それは、お客様が本質的に消費しているのは商品ではなく、その商品が持っている情報であるということに、全く気づいていないことが原因です。


これをお伝えしてもまだ、何を言っているのかといぶかしく感じている方もいらっしゃると思います。


では、簡単な事例をご紹介させて頂きます。

完全にフィクションですが、きっと多くの方は似通ったご経験が、お有りのはずです。

あなたは、ネットを活用してある商品を買ったとしましょう。


そうですね、ステーキ用の牛肉を買うとしましょう。


その時にネットを見て、銘柄牛なのか、和牛なのか、国産牛なのか、安い輸入牛なのか、産地はどこか、飼育方法は、餌は、ステーキで食べるならどこの部位が良いのか、ポーションは、鮮度は、価格は、配送日は、美味しさは、ステーキソースはついているのかいないのか、お客様の声は、もしもの時の保証は、と、まぁ沢山の情報をチェックして納得できるまで検討して、最後に残った1品をオーダーしませんか。

そして、いよいよ商品が届いたら梱包を開封して、同封されている焼き方の説明をよく読んでそれを参考にして焼いていませんか。

そして、一口肉を頬張り
「自分が選んだこのステーキに間違いはなかった。奥さんも子供たちも喜んでくれている。パパとしての面目躍如だぁ~」 と、感じている事でしょう。

ね! ステーキを一口入れるまでにどれほどの情報を吟味してその商品を手にしたのか。

一口頬張ってからも、獲得してきた情報の証拠をたどり、奥様やお子さんの表情を確認し、ステーキを振舞った方たちの反応を確認して、選択は間違っていなかった、その確信を得るためにあらゆる証拠を獲得しています。


そうやって、“ステーキを体験”しています。


そうです、商品のみを消費しているのではなく、実際に行っていることは商品を通しての体験なんです。


その体験を確実により良いものにするために、精度の高い正確で詳細な情報が必要と言いうわけです。

その証拠に、ネットでは写真が多く情報が沢山掲載されているサイトをよく見ませんか?

逆に写真が少なく情報が薄っぺらいサイトは、2秒で戻るボタンを押していませんか?


より多くの客観的な情報があると、現代のお客様は、安心して納得して商品を買います。

逆に言うと、情報が少なく客観性が欠如している場合には、商品への興味を惹くことが出来なく、全く売れません。


消費者は、商品が到着してからは、自己承認欲求を満たしながら、その消費体験を楽しまれます。


ですから、良い商品を確実にお客様にお届けするためには、優れた情報提供が必須となります。

これが、本質的にお客様が買われているのは、商品ではなく情報ですということです。


お客様が欲しいのは、商品を通しての体験が欲しいのであって、単純に商品だけを欲しているわけではありません。

もっと言うと、商品と通じての感情の変化を体験したくて商品を購入しています。

美味しかった感情、楽しかった感情、幸せをシェアできた喜びの感情、自己承認欲求を満たされた満足感、これらの感情を感じたくて商品を買っています。

この証拠は、真逆の事態を想像するとすぐに理解出来ます。


あれ程吟味して買ったにもかかわらず、届いたステーキ肉が貧相でパサついている冷凍品で、産地偽装を疑いたくなるような変色している赤み肉で、サイトではあれほど美味しそうなサシが入っていたのに、変色している赤み肉だったらどうでしょうか。

霜降りなんて、全くないつまらないスーパーで売っている肉以下だったとしたら。

その肉を見た奥様には責められ、こんなもんで幾ら使ったのと詰問され、お子さんには「え~ 食べたくな~い」と言われ、近所のファミリーレストランにでも行かれたらどうでしょうか。


この時の敗北感を感じてみてください。

この時の感情をリアルに感じてみてください。

私が何度も何度もお伝えしている、

損したくない、
騙されたくない、
後悔したくない、

この三つの感情を、そのままダイレクトに感じてはいませんか。

騙されてしまった、損してしまった、無茶苦茶後悔している自分に気づかれましたか。

マーケティングでは、この感情をベースにした戦略を仕掛けることが非常に重要になってきます。


ですから、私はモチベーションマーケティングという手法をお伝えしています。

全てはお客様の感情を基準として、マーケットインを基準とした業態開発と商品開発を行い、繁盛店づくりに活用しています。

お客様が最初に消費しているのは、間違い無く情報です。

しかも感情に訴えかける情報であればあるほど、商品を購入する証拠が、理由が、多く蓄積していきます。

買わない理由が無くなるほどになったら、自己説得を始めていき、自分で買う理由のダメ押しをしてき、そして、買います。


ですから残念ながら、「一度食べて頂けるとわかってもらえると思うんですよ」が、現実化されることはほとんどありません。


何故なら、そもそも“一度食べる気”にならないからです。


食べても情報を提供されていないので、脳は美味しさを理解できません。

イコール、一度食べても解からない、という状況が継続して、気が付けば苦しい経営を続けて半年一年と経ち、
ず~っと、「一度食べて頂けるとわかってもらえると思うんですよ」と、言い続けて、そして残念ながら、消えて行ってしまいます。

このような事態を避けるために、マーケットインを行い、お客様が本質的に何を求めて、どこに反応していて、どのような情報を提供すれば、業態に商品に興味を持っていただき、お店に行ってみたい、商品を食べてみたいと感じて頂けるようにあらゆる施策を施します。

そして、お客様は実際に来店して、目当ての商品を食べて、得た情報の証拠を得ることが出来て、自分の選択は間違っていなかったと、自己承認欲求を満たすことが出来て、満足していただけます。

これが、飲食業の本質です。


これを高い精度で確立できる、提供できる、維持できるお店が繁盛店になってきます。


膨大な情報が溢れている現代では、意図的にコントロールした情報を提供することは必須条件です。


それを 「ブランディング」 と言います。


ブランディングを行うためには、マーケティングは必須です。

情報をコントロールして、業態と商品を高いポジションで構築して、最大の価値を提供して、お客様の感情を揺さぶり、狙って繁盛店になっていくことが、現代の繁盛法則と言えます。

ですから、マーケティングが全ての基準となるので、しっかりと行い業態力を上げて、商品消費の前に情報を消費して頂くことで、お客様との理想的な関係を構築しましょう。


そして、意図して、ピンポイントで狙って、繁盛店になり、事業と人生の成功を勝ち取りましょう。


そして、お客様に最大の喜びと豊かさを提供しましょう。


それが経営者・起業家の究極のゴールと言えます。


私は、そう信じています。

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