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kifutownをインストールしてみた話

御無沙汰しております。
早いもので、もう10月ですね。
緊急事態宣言や蔓延防止措置も一旦解除となり、総理大臣も交代しました。
また今年は東京五輪の影響で、今月は祝日もありません。
皆様どうか心身ともに息災でありますように。

さて、今回は以前チラッと話題にした、元ZOZOタウン社長の前澤友作氏がプロデュースする、お金贈りアプリ " kifutown " を試しにインストールしてみた所感を綴ってまいります。
kifutown は気になっているものの、まだ未インストールの人は是非お読みくださいませ。
気付いたことがあれば適宜更新するつもりです。
(以下は記事作成時点での仕様で、今後は変更される可能性があります。)

1. kifutownとは?

kifutown - 個人間の寄付プラットフォーム

" kifutown " について知らない方々のために簡単に説明しますと、元々は先述の前澤氏が2019年よりTwitter上で始めた「お金配り(寄付)」という活動から始まり、その活動の土壌が新たなスマホアプリになった、という感じです。
この " kifutown " というアプリは、前澤氏の「お金で困っている人をゼロにしたい」という理念を実現しようとする、前澤氏の100%出資により2021年に起業したばかりの金融企業 " ARIGATOBANK " がリリースしたものです。
「誰でも誰かに1円から簡単に寄付金を送れるサービス」だそうです。

ARIGATOBANK

2021年7月にリリースされた当初はiOSユーザーが先行してインストールできましたが、9月にようやくAndroidユーザーもインストールできるようになったので、私も試しにインストールしてみた次第です。
それでは、このアプリの実際のところについて紹介致します。

2. kifutownの登録、退会について

kifutown の登録には、まず以下の5点が必須です。

①寄付金の受け取り用銀行口座
②スマートフォン
③Twitterアカウント
④kifutownのインストール
⑤登録情報の設定
(氏名、生年月日、性別、電話番号、メアド、パスワード)

何故か kifutown はTwitterアカウントを紐づけることで登録ができる仕様で、前澤氏と kifutown のTwitterアカウントを両方フォローすることも必須です。
kifutownを登録する以前に、最初にTwitterの扱いに慣れておくことを推奨します。

当初は登録が殺到して、なかなか登録を完了させることができない人達が多かったそうですが、それも落ち着いたのかAndroid民の私は問題なくすぐ登録できました。
SMSによるログイン認証の有効時間も当初は60秒以内なんて非常に厳しいものだったそうですが、今は60分以内に改善されています。

退会したい場合は、アプリ内の登録情報から退会手続きも簡単にできます。
よくアプリをアンインストールしただけでデータを全部消したつもりの人がいますが、このようにアカウントが残るものもありますので、知らない間に不正利用されないよう、辞めたい時は丁寧かつ確実に対処しましょう。
退会後は念のため、Twitterから kifutown の連携解除も要確認です。

3. 寄付を受けたい場合とTwitterの管理方法

おそらく「寄付できるほど財布に余裕なんか無い!寄付を受けたい!」という理由でインストールした、生活に困った人達の方が圧倒的に多いのではないでしょうか。(私もです。笑)
寄付を受けたい場合、以下の手順で簡単に応募ができます。

①募集が開始されているプロジェクトの応募条件を読み、まず「本当に自分に合ったものかどうか」をよく確認する。(相手のTwitterにも問題点はないか要確認!)
②応募したいプロジェクト作成者のTwitterアカウントをフォロー。
③プロジェクト作成者へメッセージを記入する。(応募の動機、当選した場合の用途等)
④「応募」をタップ。

※応募すれば必ず寄付を受けられるものではありません。

後は募集が締め切られ、結果の通知が届くのを待つのみです。
通知を設定していなくても、締め切られた後はアプリ内でも結果を確認することができます。(TwitterのDMで kifutown や寄付者から当落の結果や、寄付金の振り込みについて連絡は絶対ありません。
応募時に添えるメッセージは、必ず相手に読まれるので、当たり前ですが変な記入は絶対NGです。

(寄付プロジェクト各種の画面)

(結果の画面)

当選する確率は現段階で何百~何千分の一といったところでしょうか。
正直、応募者の数を見て「ギネス記録になったという前澤さんのTwitterのフォロワー数、iOS版のダウンロード数約70万以上という母数に対して、実際は非常に少ないもんだな…」と意外に感じました。
それでも当選率は非常に低いものですが、これから更に低く狭き門となっていくのではないでしょうか。
ぶっちゃけ、これはもう運ゲー同然でしょう。

「そうは言っても、実際は kifutown の外で寄付者とのやりとりが発生したり、選考の条件を後出しされないか心配…」という人は、応募者の選考が抽選のものだけに応募することが無難でしょう。

「応募のたびにプロジェクト作成者をフォローしていたら、ホーム画面のタイムラインが氾濫して見辛い…」、「他のフォロワーに『kifutownやってるの?』と悟られるのは嫌…」という人は、kifutown 専用のTwitterアカウントを作成することを推奨します。
「このプロジェクトに応募しました!」と応募したものについてシェアしないことも、余計なトラブル回避になります。(宣伝したければシェアしてもいいですが、自己責任でどうぞ。)
寄付者に「応募した者です」なんて声かけするのも、媚びている悪印象しかないので止めときましょう。
落選したらプロジェクト作成者のアカウントのフォローを外すという工夫も可能ですが、いちいち管理しないといけない手間も生じるのもまた少々面倒ですよね…。

私の場合、プロジェクトに応募する際は、 kifutown 専用の非公開リストを作り、まず寄付者をリストに入れてからフォローして応募しています。

そうすることで、当落の確定後に寄付者のフォローを外してホーム画面のタイムラインをスッキリ整理できますし、その後フォローしないままでも寄付者の発信をチェックできます。
相手をミュートしておくことも可能です。
場合により「これはアカンやろ」と思うなら、そっと相手をブロックすることも通報することもできます。
この手法は管理が楽になりオススメなので、是非ご活用ください!

4. 寄付したい場合と寄付金控除について

kifutown は「1円から誰でも寄付できる」ということを売りにしていますが、2021年9月30日時点では「20歳以上で、総額最低10万円から寄付できる、iOSユーザー」が寄付プロジェクトを作成できる条件となっています。

この記事を作成した現時点で、前澤氏を除く23名が寄付プロジェクトを立ち上げていますが、多くは「前澤氏のtwitterアカウントにフォローされている、または前澤氏から出資を受けている事業者」のようです。
条件付きで寄付プロジェクト作成も解禁されたけれど、実際のところ寄付者として参加している一般人は非常に少ない様子です。
これも「蓋を開けてみたら、こんな少ないもんか…」と感じました。

応募希望者の中には「もしプロジェクト作成者に詐欺師も紛れ込んでいたら、トラブルに巻き込まれないだろうか…」と心配する人達も少なくないかもしれません。
kifutown は、寄付プロジェクトを作成する上で「まず寄付金の総額を kifutown に事前決済すること」が仕様になっているので、プロジェクト作成者と応募者が直接コミュニケーションを取ることはありません。
もし応募したプロジェクトに当選した場合は kifutown より振り込まれるので、余計な個人情報を請求される心配等もしなくていいようです。

集まった応募者の選考方法については、2種類のうち1つを設定します。

a. 抽選
b. 手動選択(寄付者による選択)

この記事を作成した時点では、前澤氏を除く23名の寄付プロジェクト作成者のうち、16名が「寄付者による選択」を設定しております。(数え間違っていたらゴメンなさい。)

「参加資格なし!」と明記されているのに選考方法は「寄付者による選択」になさっている方もいらして「それは何か矛盾してない…?」と笑ってしまいましたが…。

中には「応募申請時に自分のTwitterにDMも下さい」や「YouTubeチャンネルも登録して感想を書いてください」なんてプロジェクト作成者もいらして、「そんなのあり!?寄付者と応募者と直接のやりとりをしたら『kifutown の安心安全さ』のイメージと違うのでは!?」、「自分のYouTubeチャンネルの登録者数を増やしたいだけ?(抽選で登録した人を買収してる?寄付の趣旨おかしくない??)」という印象を受けました。
「これはダメなのでは…」というプロジェクトやユーザーを通報するには、その画面右上にあるマークから事務局に通報できます。

きっと「プログラムによるランダムの抽選より、相手を見極めたい!」と思って、応募者を自分で選びたい寄付者が約2/3人いらっしゃるのかもしれませんね。
しかし応募者についての情報は、応募時に添えられたメッセージと、Twitterのアカウントのことしか知り得ないと思うので、何千、何万もいる応募者の中から3日間以内に本当に困っていそうな人を見極めできるかどうかは未知数です。
むしろ「身内だけ選択できるのではないか」という疑念や不公平感すら生じます。

(※2021年10月6日追記)
作成された寄付プロジェクトは、作成後に再編集も可能なようです。
募集人数、概要、応募者の選別を変更されている方が何人かおられました。
応募者の選別を手動から抽選に変更するのは構わないけれど、募集人数を減らしている(一人あたりの寄付額を増やしている)寄付者もいらして「え…?そこは変更しないで欲しかった…」と少しモヤッと感じてしまいました。
誤字脱字を直す程度ならまだしも、これは「後から趣旨を大幅に変えることも可能」ということですよね。
(YouTuberの寄付者で、kifutown の概要は普通でも、Twitterのプロフ画面に「YouTubeチャンネルを登録した方を優先して寄付します」と堂々と登録者の買収同然なことを宣言している悪質そうな人も確認しております。
チャンネル登録者の応募者だと判別するために、いちいち応募者にDM送るつもりなのでしょうか…?)
応募者の立場からすると、後から大きな変更は戸惑うことでしょう。
「プロジェクト作成には審査もある」とのことですが、何を以て審査してゴーサインを出しているのか理解に苦しむところです。
寄付を考えている皆様、自分の行動原理が本当に誰かの支援や奉仕のためなのか、自分のための買収行為になっていないか、利用規約を熟読のうえ、よく考えてプロジェクトを作成してくださいね。
お金絡みのことを悪用すると、大概は何かしらの恐ろしい罰がいつか下ると思います。
人間のエゴには冷静に慎重に向き合いましょう。

また寄付と言えば、寄付する対象により確定申告で寄付金控除の手続きもできることも覚えておきたいところですよね。
今回その詳細については割愛しますが、寄付者の皆様は忘れずに各自で調べておくことを推奨します。

iOSユーザーでない私からだと推測の域になりますが、おそらく寄付者は kifutown から発行されるであろう領収書で手続きできるものと思われます。

応募者が寄付金控除の対象かどうか見極めが難しいことを鑑みても、Twitterを連携する仕様というのは、いかがなものでしょうか…。
「kifutown は個人間のやりとりするもの→寄付金控除の対象外だよ!」なんて、建前から勝手に都合良く解釈、過信して本当に大丈夫なんでしょうか?

5. kifutownの今後について思うこと6選

以下は、実際に kifutown を確認してみて「今後どうなるのか」私個人の思うところを何点か綴ります。

(その1)新規の寄付者は本当に増えるか?

寄付プロジェクト作成者の中には「今後もプロジェクトを作成していく予定」と表明している人もいらっしゃいますが、私個人は「新規の寄付者は、なかなか増えないのではないか?」、「しばらく経てば寄付プロジェクト自体が減るのでは?」、「余りにも低い当選率に応募者側に諦めが生じアンインストールされるのでは?」と推測しています。
現時点の kifutown のプロジェクト作成者と応募者の割合からも明白で、今後Androidユーザーもプロジェクト作成が解禁されたり、1円から寄付もできる仕様になったとしても、この両者のバランスはそう簡単に変わらないでしょう。
世間の kifutown に対する認識も「何か困っている人達を金銭的に支援できるサービス」や「パトロンと困窮者とのマッチングサービス」というより、「お金のかからない宝くじアプリ」といった娯楽寄りの印象が強いのではないでしょうか。

上記の通り私も「寄付するより、寄付を受けたい側」で、アプリに対して後者の認識が強く、満足したらアンインストール予備軍であろう自覚があります。
ちなみに私も色々応募してみましたが「どう考えても当選するわけがなかろう(笑)」と思ってます。
もし当たったら、ここに報告しますね。

ちなみに前澤氏も以前Twitter上で「kifutownで寄付をしてみたいか?」というアンケートを取っていましたが、この回答者約21万人という母数に対して「いいえ」が多い結果となっており、現実その通りの状況です。
「数字は嘘をつかない」と言う人がいるそうですが、なるほど納得です。

(その2) Twitterに依存した仕様について

先述の通り「Twitterアカウントと紐づけて登録」が必須という謎の仕様に、何かしらの抵抗を持つ人もいるかもしれません。
その点は、寄付を受けたい立場の私からも正直のところ「面倒…」と思っていて、いくつか所有しているTwitterのアカウントで kifutown と連携するものを後で変更しました。
何より「Twitterが恒久的にあり続けることが前提」となっているので、もし世界の状況が変わり「Twitterはもうサービス終了します!」となった場合、どうするのでしょうか…?

しつこく繰り返しますが、Twitterとは匿名可能なSNSなので、片親家庭や生活困窮者を装う(媚びる)ことも、その逆も可能です。
寄付者にしても、応募者にしても、どうやって相手の信用性を見極めるのでしょうか…?
別途お金をかけて相手の個人情報の開示請求するにしても、そうすると余りにも時間がかかり過ぎますよね…?

(その3) アプリを悪用されないか?

これは私も以前から指摘していることで、今回 kifutown の中身も知った上で改めて感じた懸念は「マネーロンダリングに悪用できるのでは?」という問題。
当初 kifutown は抽選制と聞いていたので「それなら心配は無いのかも…?」と思いかけていたものの、実際は寄付プロジェクト作成者の約2/3人が抽選でなく「寄付者による選択」を設定していました。
これは、いくら登録時またはプロジェクト作成時に「kifutown の規約に則って悪用しませんよ」という同意をしていたとしても、いくらでも悪用しようと思えばできる仕様なのではないでしょうか。
応募者の選考については抽選一択か、選考方法自体を見直す必要がありそうです。

(その4) 寄付者の偽物も増える危険性

ご存知の通り、前澤氏を騙る偽物や、前澤氏の活動を真似て特殊詐欺を働く犯罪者は、既にインターネット上に数多います。
今後は「kifutown の寄付プロジェクト作成者の偽物」や「自称 kifutown の寄付プロジェクト作成者」も間違いなく増えるでしょう。

何故なら、kifutown は登録していなくても、インストールさえすれば寄付プロジェクト自体は閲覧できるのです(上記のスクショ1枚目はログインしていない状態の画面です)。
そこから寄付プロジェクト作成者のTwitterも確認できるので、画像をパクッて偽物はいくらでも作れますし、そのフォロワー等に「寄付金が当選しましたので、クレカの情報や個人情報etc.を別のサイトに登録してね」なんて詐欺のDMを送る可能性も容易に想像できます。

寄付プロジェクトを作成したい皆様も、そのフォロワー様も、どうかくれぐれもお気を付けください…。

(その5) 一人あたりの寄付額は減る?

現在のシステム上、当選者に銀行口座を振り込む際には手数料が発生します。
これは寄付プロジェクト作成者と、kifutown 運営側にとっては金額が大きいほど大きな負担になってしまいます。
そのため今後は一人あたりの寄付額が減る、または上限が設定される可能性もあるかもしれません。

当初の前澤氏も活動が非常に太っ腹で注目されたけれど、現在の寄付額は以前より少額となり、寄付の対象者も限定しています。
要は、そういうことなのでしょう。

ネット上の噂では「手数料の負担を解消するための電子決算サービスが新たに開発されるかも?」なんて話もあるようですが、これは kifutown から正式な発表をしない限りは何とも言えません。
今のところは「一人あたりの寄付額が減る、または上限が設定される可能性がある」とだけ心積もりしておいた方が無難でしょう。
過度な期待は禁物です。

(その6) 前澤氏の「フォロワー全員にお金贈り」は本当に年内に実施するのか?

kifutown をインストールした人達の圧倒的な期待は、間違いなくこれだと言っても過言ではないでしょう。
前澤氏はTwitter、Youtube、noteにおいて「(Twitterの?)フォロワー全員にお金贈りを、今年(2021年内)にやります!」と明言しています。
しかしながら疑問点がいくつかあります。

・前澤氏は現在、今年12月の宇宙旅行のため海外で訓練中なのに大丈夫?

・kifutown の仕様上、全員にお金贈りは無理なのでは??

思うに、仮に本当に実施するのなら、時期は早くて今年12月下旬(宇宙旅行終了後)、kifutown で前澤氏だけ応募者全員という選択肢が許された形で、寄付プロジェクトが発表されるのかもしれませんが、どうなんでしょうか?
「2022年のお年玉企画!」なんて形で順延される可能性も否めないようにも思われます。
実施されたとしても、寄付金を受け取った後は満足して kifutown をアンインストールする人達が増えるのではないでしょうか。

kifutown がリリースされてまだ約2か月程度なのに思いの外に盛り上がってなさそうなのは、そういった疑問等が拭えないからかもしれませんね。
サービス自体は決して悪くないと思うので、実に惜しい、勿体ないところです。
1年間サービスが保てば良い方でしょうけれど、そう何年も続かないだろうと私は推測しています。

6. 前澤氏を本当に信じていいのか?

以前にも記事にしましたが、前澤氏は様々な活動をしているものの、昔から問題のある言動等も少なくない、プライベートも色々あることで有名ですよね。

kifutown がイマイチ低調なのは、そもそも前澤氏が信用されていない、何かしらの慈善活動等をしたくても(または活動中だが)前澤氏関連の物事には関わりたくない、という人達が多いのもまた一因かもしれません。
根本的に前澤氏は「お騒がせな資産家の道楽者」それ以上でも以下でもなく、慈善活動のインフルエンサーとして国内の価値観を変えられるほどではない、盲信してはいけないと、私は見ています。
「前澤氏って何か話題みたいだけど、実際どんなことしてきたの??」という人は上記の記事も読んでおくことをオススメします。

以上、毎度長々とした記事に最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!

※2022年1月2日、kifutownをアンインストールした記事を掲載しました!(笑)


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