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世界が落ち着いたらひとっ飛びして食べたくなる中国ラーメン10選!

日本全国に一億人のラーメンファンが存在するとしたら、こちら中国では十億人のラーメンファンがいてもおかしくない。そう考えると地球人の7人にひとりがラーメンファンと言えるほど、ラーメンはもはや立派な地球食である。仮定の数字だがもうそれでいいと思う。

国ごとではどうだろうか、日本では醤油や味噌、塩、豚骨などベーシックなラーメンに加え、近年ではつけ麺やまぜそばなど、時代やニーズに合わせ変化を続けているメニューも広く受け入れられている。

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ではラーメン発祥の地とされている中国のラーメンに対して、皆さんはいったいどのぐらい知っているだろうか。カンフー映画のジャッキー・チェンや、ドラゴンボールの孫悟空が天下一武闘会後に勢いよくすすっていたあのラーメンが、頭の中にぼんやりと思い浮かぶぐらいではないだろうか。

今回は上海で食べられる中国現地のラーメンを10種ご紹介したいと思う。「中国ラーメン」と言いながら上海の外へ出ていない点はご容赦いただきたい、このとおりだ、勘弁してくれ、そんなにも怒鳴らないでくれ。



蘭州1_アートボード 1

蘭州2_アートボード 1

1:兰州牛肉拉面/蘭州牛肉拉麺
中国甘粛省の省都である蘭州市のラーメン。現地の少数民族である回族は豚肉を食べないため、この牛肉麺が有名である。コシのある手打ち麺と力強くも透明感のある牛骨スープが中国全土はもとより他国でも人気が高まり、ここ数年は日本でも本場の蘭州牛肉拉麺を提供するお店が増えている。こちら上海では、上海のローカル麺でもある葱油拌面(葱油まぜ麺)バージョンも存在する。
また、麺の太さも自由にチョイスができる。幅約2cmの薄寛麺の他にも「食べにくいからやめておいたほうがいいよ」と店員に忠告されるほど扱いづらい、幅約5cmの大寛麺は圧巻である。雑につかむとズルンと箸から滑り落ちて麺にビンタされる。丁寧に接しないと引っ叩かれる、女心と大寛麺に共通点を見出した。



松鶴楼1_アートボード 1

松鶴楼2_アートボード 1

2:苏式汤面/蘇州式ラーメン
上海のお隣江蘇省蘇州市の、さっぱりしたスープに細麺がマッチしたホッとする味のラーメン。まず红汤(赤スープ)か白汤(白スープ)のラーメンを選び、好みの具を追加で注文するスタイルで、具材と麺は分けて提供される。途中で麺に具材を乗せて味の変化をつけてもいいし、そのまま別々で食べるなどタイミングは自由。麺の盛り付けが非常にきれいで「一糸乱れず」という言葉は蘇州式麺のためにあるのかもしれない。



椎茸と麩の麺

3:香菇面筋面/椎茸とお麩のラーメン
こちらも蘇州式ラーメン。お麩とラーメンという日本ではまず見かけることのできない組み合わせだが、これが意外に美味しくて、もちっとしたお麩の食感と、ややとろみのあるタレが、甘めのラーメンスープとの相性が非常に良い。肉なし油少なめの地味なラーメンだが、口の中でお麩がムチッとなるムチムチ系ラーメンの感触をぜひ楽しんでいただきたい。



紅焼牛肉麺

4:红烧牛肉面/牛肉醤油ラーメン
豆板醤などで濃い目に味付けされた、中国全土で愛される伝統的な醤油ベースの牛肉ラーメン。各地で味付けや麺の太さなど特色があり、上海ではやや甘めのスープに柔らかい麺が特徴である。中国ラーメンといえばこの红烧牛肉面と言えるほど超オーソドックスで、日本の醤油ラーメンに相当するのかもしれない。



麻醤麺1_アートボード 1

麻醤麺2_アートボード 1

5:麻酱面/胡麻ソース麺
胡麻ソースとラー油に少量の調味料で味を整えたタレをかけただけの、超シンプルな汁なし麺。牛肉スープも一緒に注文するとベスト。上海現地に伝わる伝統的な麺で、お店は小さいながらも食事どきには大勢のお客さんが集まる。牛肉スープのラーメンも取り扱っているが、まずはこの麻酱面をぜひ試していただきたい。座席を案内されることはないため、遠慮がちにしていたら永久に座れない。空席を見つけたら素早く近寄り、よだれを流しながら隣の客をジッと見つめて「有人吗?(ここ誰かいますか?)」だ。中国での食事はこのぐらいアグレッシブさが必要だが、慣れたらよだれは不要。



黄魚麺1_アートボード 1

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6:黄魚面/イシモチラーメン
黄魚(イシモチ)の身がたっぷり入った魚介スープのラーメン。美味しすぎてびっくり。スープが独特で不思議なクリーミーさと胡椒のようなスパイシーさ、イシモチの白身はクセも無くホロホロで、麺は上海っぽいもっちり麺。上海人はこの黄魚が大好きで、スープの種類は多岐にわたるものの、市内にはこのイシモチラーメンのお店が数多く存在している。



重慶小麺_アートボード 1

7:重庆小面/重慶ラーメン
元々は四川省の一部であった重慶は四川料理の本場でもあり、その重慶を代表するラーメンなので当然スープは激辛。この辛味と濃いめの味付けがクセになり、中国の中でも辛いものが苦手とされる上海人でさえリピーターが続出している。具はそぼろ肉や牛モツ、キャベツ、豆類が多い。お店によっては二種類の麺のハーフ&ハーフも可能で、麺好きの欲望を叶えてくれる優しさがそこにある。



カレーラーメン_アートボード 1

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8:牛筋咖喱拉面/カレー牛すじラーメン
上海伝統食にはカレーがよく登場する。このカレーラーメンもそのひとつで、サラッとしたスープとプルプルの牛すじが上海っ子に愛される地元食である。隣はすき焼き屋、上は日本式居酒屋という和食に圧倒されがちな立地である。



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徳興館_アートボード 1

9:辣肉焖蹄面/辛煮豚肉と豚足麺
1878年創業の上海の老舗「徳興館」のラーメン。醤油ラーメンに豚肉の辛煮を乗せた辣肉面が、上海では多くの人に愛されており、ほとんどの一般的なローカルラーメン店でこの辣肉面を取り扱っている。写真のラーメンは豚足を追加した豪華版。豚バラほど脂が多くなく、とろっとした肉や皮が極楽の味。



蟹粉麺_アートボード 1

10:蟹粉面/蟹肉汁なし麺
ぱっと見は何がなんだか分からないがラーメンである。麺が見えないがラーメンである。上海蟹で麺を覆い尽くしたザ・上海といった感じの贅沢ラーメン。一匹ずつ手作業で丁寧に取り出した蟹の身をたっぷりと使って98元(約1,666円)なので、ローカルラーメンにしては超贅沢品だが、もしも東京で食べたら3,000円ぐらいはするのではないか。上海に来た際にはぜひともチャレンジしていただきたい。



以上、個人的なチョイスだったが、10種の中国ラーメンはいかがだっただろうか。四千年と14億人のお腹を満たすラーメンは、伝統的なものもあれば想像を超えるものもあったかもしれない。今は気楽に渡航できない時代だが、世界が落ち着いたら真っ先に中国行き航空券を購入していただき、日本式から中国式ラーメンへ翼を広げてみてはいかがだろうか。そんな私はどん兵衛が好きだ。


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