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【東大志望じゃなくても大学生でも読んでほしい】東大英語は実は簡単!?この言葉が意味する2つの事実

みなさんは東大入試の英語に対してどのようなイメージを持っているでしょうか。やはり難しいと思われていますか。

東大入試の英語の試験は理系文系関係なく、全員が同じ問題を解きます。問題の種類は多種多様で、長文要約、空所補充、和文英訳、自由英作文、リスニング、英文和訳、文法、長文読解、のすべてが出題されます。これを120分間ですべて解かなければならず、時間制限もかなり厳しいものとなっています。そういう意味では難しいというイメージは正しいかもしれません。

しかし、私はテーマでもあるように「東大英語は簡単である」という主張をしています。

東大に入ってからわかるのですが、英語だけはおおよその順位が発表されます。というのも、それによって大学の英語の授業のクラス分けが行われるからです。上位1割、1割~4割、4割~10割、という分け方です。

私は上位1割に入っており、おそらくですが上位5%にも入っていると思います。そんな私の言う「東大英語は簡単」というのは2つの意味があります。

1つ目は「東大英語で高得点を取るのは簡単」という、いわゆるそのままの意味です。合格点を取ったうえで、さらにアドバンテージを取りやすい科目だと思います。その方法について、自分自身の経験と塾講師として生徒を見た経験をもとにこれから語っていきます。

2つ目は「東大英語で高得点を取れたところで世界には全然通用しない」という意味です。東大英語で高得点を取れる人でも、ほとんどの人は英語を使いこなせないです。その実態と対策法についても語っていきます。


*本題に入る前に私の「自己紹介」のほうも見ていただけたら嬉しいです。どんな人間がこの話をしているのかというのを分かっていただいてからのほうが、話が入っていきやすいと思います。


東大英語で高得点を取る対策

英語学習で固めるべきなのは単語、文法、の2つです。ここを固めて過去問演習を行うだけで合格点は取れるのです。これはどういう意味なのかというのを一つひとつ説明していきます。


単語は2種類の覚え方をするべき

普段みなさんは単語をどのように覚えていますか。どういうところに意識を向けているでしょうか。

おそらく、書かれている単語の意味を一つひとつ覚えていくという作業を繰り返しているに違いないです。しかし、それだけだとどうしても長文を読むときや英作文を書くときに活用するのが難しくなっていきます。

単語には覚え方というのがきちんとあるので、それを押さえながら暗記を進めていくべきです。単語を覚えるときには「意味」と「イメージ」の2つが大事になってきます。

まずは、それぞれの単語で最も中心となっている意味を覚えます。単語帳にはメインの意味、その他の意味、例文、が載っているはずです。その中のメインの意味をとりあえず完全に覚えていきます。英語と日本語を1対1対応で覚えるわけです。

次に、その単語のメインの意味を考えながら例文を読んでいきます。基本的に単語のメインの意味を使った例文が載っているはずです。それを読んでいく中で、英単語をイメージとして捉えようとします。「この単語は何かを包み込んでいるイメージ」「この単語は攻撃的なイメージ」「この単語は堅苦しいイメージ」というようにします。1つの例文でそれが分からなそうであれば、辞書などを使ってイメージを掴めるまで例文を読んでいきます。

最後に、そのイメージで捉えられないような意味があればそちらも覚えていきます。多義語というやつですね。イメージから外れた意味だけは別枠で覚える必要があります。

ここまでを徹底的に行うことができるかがカギとなってきます。これができていないと、長文を読んだときに状況の把握が難しくなったり、英作文が変なニュアンスになったりしてしまいます。

これは大変な作業ではあります。そのため、英単語帳は何種類も手を出すことなく、1シリーズだけを使うことをおすすめします。


英文法は実用的なものを区別する

英文法の勉強の進め方は、いわゆる文法書というものを読んで基礎的な英文法を固めたあと、英文法問題集を解いていくというやり方になります。

文法書をやるときには、各ページで重要事項とされているものの中で、知らない事項について詳しく読んでいくことになります。文法書として売られているものは分厚いものが多いので、重要事項だけをさらっていく必要があると思います。とにかく、基礎的な英文法というのを確立するために、重要な部分だけはきちんと身につけておきましょう。

次に、英文法問題集を行っていきます。おそらく最初はほとんど解けないと思います。英文法問題集は問題集というよりかは暗記するものと考えて、ひたすらに表現を暗記していってください。

ここまでは、おそらく誰でもできるような勉強法だと思います。普通の勉強法を普通にこなしていけば良いです。

しかし、重要なのはここからで、どの表現は自分でも使いこなせるものなのかというのを選んでいく必要があるのです。具体的に言うと「英作文で自分が使えるような表現はどれなのか」ということです。

英作文というのは基本的に平易な表現を使っていくことが大事となっていきます。いかに簡単な表現を正確に使うかが点数につながっていきます。その際に、英文法問題集に出てくる難しい表現をわざわざ使おうとすることは絶対に避けるべきです。英文法問題集を解いているときにその判断をきちんとしていく必要があります。

「読んでわかる」と「使いこなせる」というのは全く別物です。すべてを使いこなせるようになるのは難しいので、英作文に必要そうな表現というのを見極めて、そこを重点的に押さえるようにしましょう。


高得点を取るためには

ここまでやると合格点は取れるようになります。しかし、そこから他の問題集を解いていかないとさすがに高得点を取ることは難しくなっていきます。その際に意識するべきことを挙げていきます。

1つ目は長文問題を解いているときに、知らない単語をきちんとピックアップしていくことです。単語帳ではどうしてもカバーしきれない部分が出てきてしまうので、長文で出てくるものもきちんと覚えていく必要があります。その際に、覚え方は単語帳のときと同じようにしてください。

2つ目は英作文を書くときに、頻出する表現はやはり押さえておくべきだということです。接続詞の使い方などはどの分野の英作文であっても出てくるので、それの正しい使い方というのを意識しておくべきです。また、前置詞や冠詞は間違いやすいので、そちらも重点的に考えながら英作文の練習をしていってください。

3つ目はリスニングができない原因をきちんと考えながら進めるべきだということです。リスニング問題が解けない理由は3つのうちのどれかです。聞き取れるけど問題を解けない、聞き取れない、そもそもスクリプトを読んでも理解できない、の3つです。自分がどれに当てはまるのかをきちんと見極めて、それに適した対策をしていきましょう。

4つ目は日本語を書く能力を鍛えるということです。結局、英語の問題であっても要約問題や和訳問題では日本語で文章を書くことになります。単語と文法をきちんと固め、英文の意味も取れているのに問題がちゃんと解けない人は日本語に問題があるかもしれません。模試などで極端に和訳問題が解けない場合は少し現代文の勉強を進めてから、和訳の問題集に取り掛かってください。


参考記事

私はスタディブログというブログでも勉強に関する発信を行っています。そこで英語の勉強に関する記事も書いているので、ぜひ参考にしてください。

大学受験に英単語帳は1シリーズで十分な理由
英作文の書き方でよくある大きな間違い【これを直すだけでかなり変わる】
リスニングのコツ ~同じ能力でも解き方で点が変わる~


大学に入ってからの英語学習


東大英語で高得点を取ったとしても、それが英語を使えるということにはつながりません。なんなら、ほとんどの人が英語をまともに使うことができないのです。

こういうことを言うと「日本の入試ではリーディングとリスニングばっかり重要視するからダメなんだ」というようなことを言う人がいます。

日本の英語教育がダメかどうかはともかく、日本人は確かにライティングとスピーキングが特に苦手という状況は生まれています。しかし、本当はリーディングとリスニングすらもまともにできないのです。


英語ができない日本人の実態

実際に英語で書かれた本を読んだり、英語のスピーチを聞いたりとなると、東大英語で高得点を取れるような人でも難しくなってきます。その理由を解説していきます。

1つ目の理由が、圧倒的単語力不足です。大学入試の英単語というのは本当に基本的で、最低限必要なものばかりになっています。そんな基本単語だけで英語の本が書かれているわけもなく、大学受験の範囲を超えた単語が山のように出てくるのです。

2つ目の理由が、大学受験のリスニングの遅さです。大学受験では、非常に丁寧でゆっくりとした喋り方をしたものを聞いて、問題に答えます。それに対して、一般的な英語のスピーチでは容赦がないです。すごく早口なうえ、音が飛んでいることも多いです。大学受験用のリスニング対策ではどうにも追いつけないようになっています。


どのように対策をしていくべきなのか

単語力不足を補うために、まずやるべきなのが英検の単語帳をこなすということです。英検の単語帳はレベル別で非常にわかりやすく難易度が上がっていくという仕組みになっています。これを英検一級まで暗記しきるということが最初の一歩です。

大学受験の英単語はせいぜい準一級の英単語までです。準一級すら網羅は全くできていないと考えていいです。そのため、準一級と一級の単語をきちんと覚えるようにしましょう。

ここまでやったところでスタートラインに立てます。ここからは実際に本を読んでいくべきです。

日本人が英語の本を読むというと小説が多いと思います。もちろん、それでも良いのですが、大学生としては説明的文章を読むことが大事だと思います。そこで「Very Short Introductions」という本のシリーズをおすすめします。

このシリーズは、色々な事柄について100ページほどで解説しているものとなります。分野は多岐にわたり、どのような人でも興味のあるものを見つけられるはずです。この本はブログでも紹介しています。

英語の本を読むときにも、とにかく単語を覚えていくことが大事になってきます。英検一級の単語まで網羅していたとしても、知らない単語がたくさん出てくるはずです。それらをすべて調べあげてリストアップしておき、本の内容をちゃんと理解できるようにしましょう。

これを繰り返していくと、単語量が増えていくのはもちろん、本を読むスピードも上がっていくので、情報収集などの必要な場面でもスムーズにできるようになっていくと思います。


ある程度単語力がついてからはリスニングの強化も行っていけると良いです。情報は読むのと聞くので2パターンがあり、それらはどちらも同じくらい大切だと思います。

リスニングの種類には3つのレベルがあります。簡単なものから始めていくのが大事です。

まずは、ナレーションを聞きましょう。ナレーションというのは、声だけで視聴者に何かをきちんと伝えようとしているものです。そのため、かなり丁寧に話してくれていることが多いです。大学受験のリスニングを少し速めたような感じなので、取り掛かりやすいでしょう。

次に、スピーチなどです。スピーチもやはり相手に伝えるということを重視しています。しかし、感情が入っていたり、見せ方というのが大事になっていたりするので、ナレーションほどは聞きやすくないです。ナレーションに慣れてきたら移行していくのが良いでしょう。

最後に、映画などのお芝居です。これは視聴者に物事を理解してもらうということを考えているわけではないので、かなり聞き取るのが難しくなってきます。演技なので、ぼそぼそ喋ったり、感情が爆発して騒いでいたり、色々なパターンがあります。これをきちんと聞き取れるようになったら本当にマスターしたと考えてよいでしょう。

リスニングの練習をするときには、目次をつけないで観る→目次をつける→単語などを調べて理解する→目次をつけないで観る、というようにするとどうにか食らいついていけると思います。最初はツライですが、時間をかけてゆっくりと上達させていきましょう。自分の好きなコンテンツを観ると継続しやすいです。

ナレーションはNETFLIXの番組がおすすめです。海外情報などをナレーションと映像で解説しているようなものが多いです。課金したくない人はYouTubeで何かしら探すのもよいと思います。

スピーチはTEDがおすすめです。これは有名なもので、さらに無料で観られるので誰でも手軽に観ることができるものとなっています。

映画は今や色々なサービスで観ることができるので、好きな映画を探しましょう。

英語4技能を学ぶために有用なツールを紹介しているので、こちらのページも覗いてみてください。TEDなどについてももっと詳しく説明しています。


まとめ

将来、英語が今よりもさらに必須のものとなっていくと思います。そのときに、大学受験レベルはもちろん、それを超えた英語力というのが必要となってきます。

まずは情報を自分に取り入れる力を養うという意味でリーディングとリスニングについて深く掘り下げていきました。ここまでの能力を求めている人は多くはないと思いますが、それでもこれができると世界中から知識を得る能力を手に入れることができます。ネットの情報を見ていると、詳しく知るためには英語がどうしても必要です。

高校生の人はまずは大学受験レベルの知識をきちんと身につけて大学に合格することを目標に、大学生の人はその能力を今のうちにさらに伸ばすことを目標にすると、これから先の将来で必ず役に立つと思います。社会人の人でも、仕事の合間を縫って単語力を強化して、少しずつ英語に触れていくだけでも変わっていくはずです。


最後にちょっとした宣伝をさせてください

noteに他の記事も載せているので、そちらも見ていただけたら嬉しいです。
主に受験勉強について色々書いています。

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