『三つ子の魂、百まで』vol.6
林業のはじまり
林業の歴史は今から五百年余り前、天下統一を果たした豊臣秀吉の時代から始まった。
大昔の時代は自然に芽吹いて大木にまで育った木を伐り出して木材利用し、伐採した後は自然の再生力に任せるものだった。
伐り出す量も一年間の木の生長量を下回るものだったので十分に山の木々達は再生出来たが、戦乱が終り木材の需要が爆発的に高まり乱伐された結果、一年間の自然の生長量を上回ってしまったこれでは荒廃した山々を再生出来ないため植林や植え付けた苗木の管理を行う様になった。
戦後の拡大造林政策により、生長の早い杉・檜の植林が全国各地で行われたが昭和三九年の外国産材輸入の完全自由化で安い外材に押され始め、第一次オイルショックをきっかけとした景気後退によって国内の木材需要は尻窄みとなった。
現在は林業従事者の高齢化と新規従事者の減少、管理する側(お役所)とのコミュニケーション不足(国県有林の場合)と知識の衰退により手を付けられず植えっぱなし放置の人工森が土砂流出などの自然災害を誘発していると考えられる。
破壊と再生
林業に従事するようになって自然環境についての考え方が大きく変化した。木を素材としてのみ見ていた頃は、山からバンバン木を伐り出す事は環境破壊に繋がると思っていたからだ。
ある時、竹の間伐を行っている最中に気付いた事がある。植物たちは芽吹いた場所からほぼ一生離れる事はなく種の優劣によって自然淘汰されていく摂理。
人間がわざわざ手を下さずとも自然界では常に破壊と再生を繰返しパワーバランスを保てる様に出来ているのである。では何故、人間は山や自然の管理を行っているのか?それは、人間の為なのである。食べる為や洪水や土砂崩れなどの災害で被害を最小限に防ぐ為には健康な森造りは必要不可欠なものなのです。
夲質を知る
多少の不便の中で暮らし自らの肉体と自然からの恩恵を上手く利用出来れば、数多ある公害や花粉症などのアレルギー問題は改善する余地があると知った。様々な問題点の夲質を知ろうと足を踏み入れれば、次の一手は自ずと見えてくる。これは林業や自然だけに限ったものではなく、一つの事柄を知るためにはその周りにある多くの要因と奥深くに眠っている夲質を見つけ出さなければ本当に知り得たとは言えないのではないでしょうか。一物全体、身土不二ですね。
子供を育てていて、學ぶという事がどれほど大切かを教わっています。子供たちに出逢い自分の弱い部分を再認識させられている。自然なものは純粋で素晴らしい!
つづく
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