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ピラティスは手段。よりよい生活をかなえるために。

noteはこれまではホームページとして使ってきたのでいつも自分のお仕事に関するおしらせ投稿ばかりしてきましたが、今月から、以前使っていたHPを復活させることにして、noteはブログ的に私の考えや日々の、出来事など発信することにしました。

そんなわけで今回は、今まであまり積極的に記事を書いてこれてなかったピラティスについてようやく触れたいと思います。

私がピラティスに出会った経緯と、最近そのピラティスによって起きた出来事を語らせてください。

ちょっと長くなっていますが最後までお読みいただけると幸いです。


実は流行りの「おしゃれエクササイズ」という程度の認識しか持ってなかった


私は社交ダンスを教えていますが、ピラティスのインストラクターもしています。
ピラティスに本当の意味で出会ったのは2014年だったと思います。

はじめてピラティスを知ったのはもっと前で、渡辺満里奈さんが「ピラティス道」という本を出した頃でしょうか。
すでに20年くらい?前だと思います。テレビで取り上げられていたので、それで知ったのだと思います。

その頃はなんとなく「おしゃれセレブのやるエクササイズ」くらいの認識しかしていなくて、当時社交ダンスをはじめたくらいの私はダンスのためにヨガがいい、と聞いてヨガをやったりしていました(実際ヨガも社交ダンスにいいですヨ)

今思えばヨガだって、子供のころにすでに家にあった本を見てやったりしていたけど「ストレッチのことをヨガと言うんだろう」くらいに思ってました(こどもでしたからね)

それと似たような感じでピラティスをとらえていた私は深く知りもしないで、特別深く興味を持つこともなく、名前だけ知って知った気になっていたわけです。

そんな私がちゃんとピラティスを知るきっかけになったのは、社交ダンスのために姿勢の知識をつけたいと思い始めたことでした。


姿勢オタクになる

他の記事でも書いていますが私はすごく姿勢が悪かったころがありました。社交ダンスをはじめてダンスの先生に「姿勢を直しなさい」と言われたことがきっかけで、それまで悪いと認識していなかった姿勢を直すことに。

当時はそのためのエクササイズをわざわざしたわけではなくて、ただ生活の中で姿勢を正すように気を付けていただけでしたが、姿勢がよくなってきたころには、気が付けば私はダンスを踊るのに体に支障を感じなくなってきていました。

腰痛や足の痛みを感じることもほぼなくなったし、運動するとすぐに痛みがでていたところも感じなくなり、自分の体を少しずつ思ったように操れるようになってきていることに気づきました。

そういう経緯で、姿勢を直すとダンスが上手になるんだ、健康になるんだ、と身をもって体感したことで、私は姿勢オタクになっていきます。

その過程で、「アレクサンダーテクニーク」やら「フェルデンクライスメソッド」「ロルフィング」といったボディワークともつぎつぎ出会います。

出会ったといっても実際にワークを受けたのは一部で、名前を知っただけであったり本は読んでみた、という形で、とにかく姿勢とムーブメントに関するボディワークにどんなものがあるのかを貪欲に調べていました。

↑ ↑
この本はアレクサンダーテクニークを用いて一般向けに分かりやすく書かれた本です。いまやこういった本も増えましたが私が調べていた当時は結構難解そうな本ばかり(笑)
比較的最近買った本ですがスタジオでもダンスやウォーキングのレッスンの際に生徒さんに見せながら体の使い方をご紹介するのに使いました。
イラストが直感的にわかりやすいのでおすすめの一冊です。

折しも、社交ダンスに関わる仕事をしたいと思っていた私。
ダンスを正しく広めたいという気持ちから、もっと姿勢に関する裏付け的な知識が欲しいと思っていました。

これらのワークを勉強すれば、それが得られるのでは。なにか資格を得られないかなあとぼんやり思っていたのです。
資格そのものというよりは知識を学びたかったのですよね。

しかし当時会社員をしていた私にとってどれもいろんなハードルがありました。
近くでは講習がない、受けるには海外に行かないといけない、平日しか講習がない、講習費がかなりお高い…などなど。

そんなときにピラティスが姿勢改善に役立つってことをどこでどういう風にしてか、もう覚えていないけど、知って選択肢に入ってきたんです。
それが、「本当の意味で出会った」という所以です。

しかし、私はまだ一度もピラティスなんて受けたこともなかったんです。

インストラクター資格を得る

そうして調べていくうちに、住んでいた沖縄県内で受けられるインストラクター講習を見つけました。
それがたまたま同じ那覇市内で、たまたま家から徒歩でも行けるくらいの場所で、たまたま直近で土日開催の講習があるというタイミングだったのです。

これはチャンス!ということで早速私はその講習を開いてくださるスタジオに連絡をとり、申し込みをして、全8日間の講習を受けました。

当時沖縄県内でピラティスのインストラクター資格を取得できたのはおそらくこのスタジオだけ。当時はまだあまり知られていなかった、マシンピラティスを唯一備えていたのもこのスタジオでした。
(最近急速にスタジオが増えています)

ほぼピラティス初心者なのにいきなりインストラクター!?
って突っ込みがきそうなのですが、それが可能だったのですよ。

ピラティスのインストラクターは、自分がピラティスの動きをできるかどうかではなくて相手を導けるかどうかだからです。

社交ダンスは自分が踊れることもだいぶ必要ですが指導するならどんな分野でもそれは同じですね。もちろん見本を示せるように練習などは必要です。幸い自分のバックグラウンド的にわりと中級レベルくらいのピラティスの動きまでは大体できたので、それほど問題はありませんでした

ピラティスはリハビリ由来のエクササイズ

この講習を通じてはじめて私は「ピラティス」というのが人の名前が由来であること、そしてピラティスさんが従軍看護師であり、傷ついた兵士のリハビリのためにこの技術を開発したということ、を知ります。
なんとピラティスが誕生したのは第一次世界大戦のころの話です。そんなに歴史があったとは・・・

「ニューヨークセレブのおしゃれエクササイズ」という偏った認識しかもっていなかった私(ゴメンナサイ)にピラティスのイメージを大きく覆させたのでありました。

今だから言いますがピラティスの資格講習は私がかつて受講を検討した前述のボディワークのどれよりもリーズナブルだったのも受講動機のひとつだったんですが、ピラティスを選択したことは間違いなかったんです。

ピラティスが単なる運動というよりは、リハビリ由来だから体本来の合理的な動きを目指すということ、姿勢だけでなく、「動き」を矯正することが私がもともと求めていた「社交ダンスのために知識を身に着けたい」という動機にかなっていたから。

ピラティスと一口に言っても実はいろいろな流派のようなものがあります。
私が学んだPHIピラティスは(PHIのやり方しかわからないので、他との比較はできませんが)、ピラティスのリハビリ由来であるという特徴を特によく残しているメソッドというようなお話があったと思います。

これは単にピラティスのトレーニング方法をひとつひとつ覚えて指導できるというだけではなく、クライアントの姿勢や動きをしっかり観察し、適したトレーニングを指導して確実に改善に導くことが重視されていたということになります。

「クライアントに適したトレーニング」とは、その人の現時点での身体能力に応じ、相手ができる範囲のことからはじめて少しずつ可動域や使い方が改善されるようにやり方を組むものです。

誰にでも同じようなトレーニングをさせるのではなく、その人の姿勢や動きを改善させるのに必要なトレーニングを必要なレベルで与えます。

なのでそれを見極める力、つまり観察力が特に必要なのがPHIピラティスの特徴だと思います。

すでに書いたように社交ダンスを向上させるために勉強がしたかったので、このピラティスの観察眼トレーニングは実際に社交ダンスの指導には大いに役立ちました。ダンスのために必要な動きができていない人にどのように指導すれば改善するのか、実践してみて効果を感じたからです。

さらにここからが本題でして、ピラティスの知識を学んで本当によかったと思えたことがもう一つありました。

家族の問題

ピラティスを学んでよかったこと。
それは私が今回沖縄から岡山に戻った理由のひとつに、家族の問題を解消したいというのがあったことです。

うちには高齢の両親と、約30年前の交通事故で障害を負った姉がいます。
その3人が全員なんらかのリハビリが必要な体でした…

両親は老化に伴うものが大半ですが、父は背中が丸くなり、若いころにやった怪我などの影響で、だんだんと体が思うように動かしづらくなりました。

母は母で数年前に腰椎圧迫骨折。
そのために腰を含め安静時に筋力が落ちて足が弱くなってしまったことでやはり動きが悪くなっていました。

どちらも最近知られるようになったワード、いわゆるフレイルってやつですね。

そして姉は事故の障害も然りながら、障害があるせいで新たに怪我をしてしまったり、年を取れば筋力低下。それで以前より歩行難になっていました。

こんな3人だけが生活している状況で私だけ県外で自由に生活しつづけている。ピラティスインストラクターを名乗りながら自分の家族のケアは何もできていない・・・そのことがかなり情けなく思っていました。

それで他のいろんな理由も重なってやっと地元に帰ることにしたというわけです。

そうして9月に私はこの家に戻ってきて、最初に
「これから全員毎日リハビリやるから!」
と宣言。

実際には、なかなか毎日はできていませんでしたが、私がいなかった間、ほとんどやっていない日々に比べると、だいぶやれたほうだったのではないでしょうか。

おそらくピラティスをやったことがある人が見たことのあるトレーニングとはかなりかけ離れているくらい、小さな小さな動きから始めました。

姿勢をキープしたまま呼吸だけさせるとか、運動のレベルをものすごく落とし、動ける人から見ると何もしてないように見えるくらいの運動。

それでも高齢者にも障碍者にも、きついことばかりのようです。
正直私にも本人たちの苦労はわかりません。

もしピラティスを知らなければ、効果的な姿勢のことなど考えず単純に回数をこなさせるだけのトレーニングをさせることしかできなかったと思うし、そもそも自分が家族のリハビリをすることすらなかったでしょう。

比較的年が若い姉は、一番支障がある体ですが、一番やったなりの結果が出やすかったようで、かかっている医療機関でもリハビリの成果を認められたようです。
「以前より動きがスムーズになっている」
という評価ももらい、やりはじめて一か月少し、おかげで姉のリハビリモチベーションも上がっているように感じます。

当然私自身もやってよかったという思いにつながっていますし、ピラティス指導者としての自信にもなりました。

インストラクターとして感じていたモヤモヤ

実は以前、まだ私が資格を得たばかりのころ、ピラティスを指導するにあたり、実は何かモヤモヤしたものを感じてしまっていたことがあります。

それは、単純に「運動したい」とか、「姿勢がよくなりたい」
という人は多いけど、実際続かない人も多いし、それが何のためなのかよくわからないせいでした。

どこに導けばいいかわからない。強い動機があるのかないのか。

今思えば単純に自分がそれを聞き出せていなかっただけなのですが、目的不在で「単純にピラティスをやってしまっていた」ために、私もクライアントも迷子になって、お互いモヤモヤしていたんだと思います。

でも変な話その状態にしばらく気づかなかったんですよね。

それをふきとばしてくれたのは、ピラティスインストラクター向けの研修会に参加したときの、あるトレーナーの方の一言でした。

「ピラティスをやるんじゃなくてピラティスを使うんだ」

よく考えたら当たり前のことなのに、ピラティスをやることを目的にしてしまって、ピラティスで何を達成させるかを見失っていたことにここでやっと気が付いたのです。

手段が目的化してしまっていた。
私自身ダンスのためにピラティスをはじめたはずなのに・・・

その一言を聞くまで、自分のためのトレーニングをやるだけならいいけど、指導することは向いていなかったのかな、と思ったこともあったので、やっと自分のやろうとしていることがしっくりきたという感じでした。

相手の動機をはっきりと定義しないままピラティスをやっても、何をやらせればいいのか、何をやらされているのかがお互いにわからない。
モヤモヤ解消のためにはそれを解決すればいいだけだったんですね。

家族でもう一度出かけたい

今家族のためにやっているリハビリは目標も目的もはっきりしています。
ピラティスをさせることが目的なのではありません。

前と同じように動けるように。少しでも生活の支障が減るように。

全員今より少しでもよくなれば、もっと家族での活動を広げて、お互いに負担が減る。

「家族で温泉旅行に行きたい」
その願いを単にスムーズに進めたいだけだったりするんです。

実際はこんな風に何かみんな必ず変わりたい理由があるはずなのですが、それが表面化していなかったり、動機が深くなくて行動に結びつきづらかったり。

うちの母も運動嫌いで、圧迫骨折をする前から姿勢は悪かったのですが、直させようとしても面倒がってやりたがりませんでした。
今は生活の不便を少しでも解消したいという思いがあるため、やはり取り組み方が違うなと感じます。

走者も伴走者も、お互いに同じ方向を見ていなければ、一緒にゴールをめざすことはできない…

これから家族がどんなふうに変わってくれるのか、どこまで変化させられるのか、かなり私にとってピラティスの成果を確認できる家族をつかった実験みたいなものでもあって、楽しみにしています。

こんなことが背景にもあって、ダンスパフォーマンス向上ということだけでなく、最近は「老化予防」「日常生活動作維持のためのピラティス」も力をいれたいと思っています。

家族の変化については、またこの先リハビリの経過を記事でレポしたいと思います。

というわけで今日はピラティスに対しての私の取り組みと思いについて語らせていただきました。


長文になってしまいましたがここまでお読みいただきありがとうございました。
ピラティスの受け方について知りたい方はレッスン案内のページもご覧くださいね。










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